ハワイから届いた「いぶし銀」のメッセージ
10歳から仏門に入られた天台宗大僧正の荒了寛さん。開教総長としてハワイに渡り40年。
「心が軽くなる」
「何度も読み返したい」と話題となった
前作『365日を穏やかに過ごす心の習慣。』に続く
磨き込まれたことばが沁みる新作をお届けします。
私たちはなぜ悩み、苦しむのか。
それは「こうあらねばならない」と自分で自分を縛ったり、
身近な人、あるいは他人さえも縛ろうとするからです。
でも、この世に永遠に決められていることなど何もありません。
何事は常に変化しています。
つまり、大きく大きく物事をとらえるようにして
真理を知ることが大切で、
そのために必要となるのが
「こだわらない」「とらわれない」という念じ方となります。
これは仏教の「無常」という教えにまさに通じています。
こうしたことに気づきさえすれば、
ほとんどの悩みや苦しみはなくなるよ、と
荒さんは説かれています。
深い感動を与えてくれる名言もふんだんに盛り込んだ本書。
一読すればたちまち、きっと
心がスゥーッと軽くなることに気づくでしょう。
本書の構成
第1章 人生は力まず、あせらず、とらわれず第2章 「人と人」の悩みは尽きないもの
第3章 仕事はこだわらない人ほどうまくいく
第4章 子供は「慈悲」で育つ
第5章 こだわりを捨てれば、明日の扉が開く
著者について
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1928年、福島県生まれ。10歳で仏門に入る。大正大学大学院博士課程で天台学専攻。仙岳院法嗣、清浄光院(仙台)、大福寺(福島)住職など歴任。1973年、今東光師らの推選により初代天台宗ハワイ開教総長としてハワイに渡り、ハワイおよびアメリカ本土で布教活動に従事。海外には檀家・信徒の少ない天台宗のハワイ開教は困難を極めたが、宗派を超えた活動が重要と考え、現地人向けの仏教・教学の振興に取り組みながら、ワイキキ近くに日本語学校を開校。別院内にも「文化教室」を開いて、書道、日本画、茶道、生け花などを指導。1978年「ハワイ美術院」を創設、本格的に日本文化の紹介と普及に取り組む。
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自らも独自の技法で仏画を描き、インド、パキスタン、西域、チベットなどシルクロード沿いに十数回に及ぶ取材旅行を重ね、仏教伝道を兼ねて作品展をニューヨークやボストンなどで開催。最近は、東京、広島、仙台など日本各地で毎年定期的に個展を続けている。その収入は別院経営の重要な役割を担っている。
奉仕団体として結成した「ハワイ一隅会」は、事業の一環として日本人移民の歴史をビデオテープなどに収録。100本を超えるテープはハワイ日系人史を知るための重要な資料となっている。1986年からワイキキの運河で始めた「ホノルル灯籠流し」は、仏教界はもとより、キリスト教の聖職者や知事、市長、アメリカ海軍の司令官も法要に参列、ハワイ最大の宗教行事となった。
2011年、日米の友好、相互理解のために尽力した功績で、宗教家としては異例の外務大臣賞が授与された。現在もハワイの日系社会の重鎮として各種日系団体の役職を務めながら、オーストラリア開教をめざして現地の僧の育成に取り組んでいる。
主な著作に『慈しみと悲しみ』(大法輪閣)、『人生の要領の悪い人へ』(光文社)、『娑婆を読む』(清流出版)、『生きるとはなぁ』『生きよ まず生きよ』(里文出版)、『ハワイ日系米兵―私たちは何と戦ったのか』(平凡社)、『画文集・シルクロードの仏たち』(日貿出版社)、『こだわらない とらわれない』(フォレスト出版)など。京子夫人は比叡山で修行、尼僧の資格を取得、別院の教育事業と住職の出版活動を支えている。
荒了寛公式サイト