日本の高齢化に伴い介護や認知症に注目が集まる中、巷の情報にはネガティブなものが多く、違和感を持っていました。「老後に希望はないのかい……」と。そんな時に出会ったのが、メインタイトルにもなっている著者のYouTubeチャンネルです。認知症を自覚しながらも、歌って踊って毎日元気に暮らすおばあちゃんと、おばあちゃんが巻き起こすトラブルに笑って寄り添うお嫁さん。「この家族なら、介護や認知症へのイメージを変えられるんじゃないか」そんな希望を託してつくった一冊です。ぜひとも手に取っていただけたらうれしいです。
POSTED BY杉野
認知症とYouTubeが連れてきたゆかいな介護生活!
元気になれてタメになる介護ブック
「認知症になったら終わりだ」「将来、親の介護ができるのかな……」
「この先、老いることに不安しかない」
そんな未来のモヤモヤに、笑顔で希望を与えてくれる家族がいます。
認知症のおばあちゃんと家族の生活を
明るく、せきららに配信する人気YouTubeチャンネル、
『認知症ポジティブおばあちゃん』。
再生回数は2000万回を突破し、「元気になれるYouTube」と
介護従事者や在宅介護に悩む人々から支持を集めています。
本書はチャンネル投稿者であり、
おばあちゃんと暮らすお嫁さんによる初書籍。
山あり谷ありの在宅介護のリアルと、今すぐ実践できる
「認知症のおばあちゃんとしあわせに暮らす15のコツ」を凝縮し、
マンガやコラムを交えて読みやすい構成に仕上げました。
多くの人が向き合うであろう介護や認知症の現実。
「ただただ悲惨な将来が待っている」なんて考えるのは悲しすぎます。
――認知症になっても、介護生活が始まっても人生は終わりじゃない。--―
あたたかい気持ちで希望を感じていただける一冊です。
もくじ
【マンガdeおばあちゃん】「お出かけ前奮闘記 デイサービスに行く」はじめに
Chapter1 おばあちゃんが認知症になった日
根っからのポジティブおばあちゃん
忍び寄る認知症。変化の兆し
私たちが笑顔を失った、あの頃
【マンガdeおばあちゃん】「ふしぎな郵便受け」
私が笑顔になったら、おばあちゃんも笑顔に
<Column>「昔のお母さんに戻ってほしい」からの脱却
ドキドキの要介護認定調査
オムツ卒業の奇跡!
【マンガdeおばあちゃん】「ん、大活躍!? 入院中の出来事」
親戚に見てもらいたくてはじめたYouTube
<Column>ハッピーワイフ、ハッピーライフ!~おばあちゃんを支える妻への感謝~
Chapter2 YouTubeが家族の絆を強くする
日常をさらけ出す理由
【マンガdeおばあちゃん】「世にも奇妙な出来事」
YouTubeが見せてくれた新しい世界
<Column>だんだん・えむの祖母のお話
Chapter3 認知症のおばあちゃんとしあわせに暮らす15のコツ
ベースは「相手をよく知ること」
しあわせに暮らす15のコツ
その1 認知症の人がつくる世界を尊重する
その2 愛の先制パンチ
その3 否定しない
その4 いつもニコニコ
【マンガdeおばあちゃん】「禁断のスイッチ」
その5 上手に話をそらす
その6 「忘れてくれる」ことに甘えてもいい
その7 在宅ローテーション×デジタルツールで見守り
その8 役割分担を決める~困ったときは孫&息子の出番~
その9 「張り紙」で伝える
その10 認知症の事実をオープンにする
【マンガdeおばあちゃん】「突然の対人不安!」
その11 めんどうがらずに話をよく聞く
その12 好きなものに囲まれる毎日を
その13 お出かけでリフレッシュ&刺激を与える
その14 外部からのサポートは早めにお願いする
その15 介護する側も自分を大事にする
<Column>YouTubeで親孝行
Chapter4 介護の未来に光をともすため、私たちができること
怖い病気ではなく「困っている人」という感覚で
コメントから考える「本当に解決しなければならない介護の課題」
介護で仕事をあきらめない
ポジティブ介護に必要な「介護する側の意識改革」
親の終活を考えたことがありますか?
<Column>デジタルスマイルトランスフォーメーション(DSX)~認知症介護はデジタルとスマイルの時代へ~
おわりに
監修者あとがき
認知症の症状について
著者について
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神奈川県出身。2016年より義母の在宅介護を始め、主婦・介護・仕事の両立を目指す。2021年、離れて暮らす親戚に義母の元気な姿を見せようとYouTubeチャンネル『認知症ポジティブおばあちゃん』をスタート。在宅介護当事者ならではの視点で、笑顔あふれる日常と認知症のリアルな症状について発信し、介護従事者や在宅介護に悩む人々から「元気になれるYouTube動画」として話題に。TV番組やWebメディアでも注目される。ペンネームはおばあちゃんの故郷、松江の方言で「ありがとう」を意味する「だんだん」と「笑む」を組み合わせたもの。「支えてくれるすべての人に感謝し、笑顔に包まれた毎日を過ごせますように」との思いを込めている。
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認知症専門医、シルバー総合研究所理事長、名城大学特任教授、いのくちファミリークリニック院長。1982年滋賀医科大学卒業。名古屋大学老年科で医学博士取得後、総合病院中津川市民病院内科部長、国立療養所中部病院(現・国立長寿医療研究センター)内科医長などを経て、国立長寿医療研究センター長寿医療研修センター長及び老年内科部長を務め、2020年3月に退職。認知症や医療介護保険制度などを専門とし、国や地域の制度・施策にもかかわりが深く、NHK「クローズアップ現代」などテレビ出演も多い。
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