ホワイトハウス、米空軍省で採用された問題解決法が日本初上陸!
○ノーベル経済学賞、ダニエル・カーネマン教授推薦!「ゲイリー・クラインは、応用心理学の効果がどれほど有益であるかを
実証してくれる、生きた手本だ」
○マルコム・グラッドウェル推薦!
「ゲイリー・クラインほど、人間の意思決定の複雑さと不思議さについて
詳しく教えてくれる人はいない」
著者ゲイリー・クラインは、
実験室で研究される、これまでのスタイルを打ち破り、
全米で初めて「現場主義的意思決定(NDM)理論」を
生み出した認知心理学者である。
この本は、NDM理論を応用し、
普段、人の目には見えない物事の本質を見抜く、
いわゆる「見えない問題を見抜く力」について説かれている。
個人にしろ、組織にしろ、
問題を解決するためには、「いかにミスをなくすか」という
ウエイトに重きを置き、パフォーマンス向上を図っている。
しかし著者は、それに相対する、
「見えない問題を見抜く力」を高めるほうが、
問題発見・問題解決に効果があるという。
そんな「見えない問題を見抜く力」の答えを、
実験室ではなく出来事の起こった現場に求め、
論理的や分析的な方法よりも重要な問題解決法を提示する。
本書には、現場からのさまざまな出来事の事例が掲載されている。
・山火事で迫りくる炎から生還した消防士
・真珠湾攻撃を編み出した山本五十六
・サブプライム問題で異変に気づいた5人の人物
・エイズを発見したゴッドリーフ医師
・デジタル革命に乗り遅れてしまったコダック社の悲劇
・品質向上を目指して失敗した「シックス・シグマ」
・イラクのミサイルを着弾1分前に気づいた将校
など、ほかにも多くの事例を検証しながら、
「見えない問題を見抜く力」の正体に迫っていく。
訳者いわく、「『ノーベル心理賞』なるものがあれば、
100%受賞していたであろう」というほどの人物である。
本書に書かれているゲイリー・クラインの理論は、
個人や組織の問題解決法として、
技能・性能・生産性のパフォーマンスを向上させる
大いなるヒントとなるであろう。
目次
PART1 目には見えない問題を見抜くための扉~問題解決の「引き金」をどう引くのか?
CHAPTER1 見えない問題とは何かをつかむ
・ 多くの人が解決したいと思っている悩み
・ 生体内を発光させる物質から生まれた新たなる発見
・ 金融詐欺師の告発に至った、ある疑念
・ 悩み、考えながらも発見した疫病の、ある共通点
・ 誰もが「見えない問題を見抜く力」を求めている
CHAPTER2 洞察力を導く5つの認識パターン
・ 過去の学説が疑問を解決してくれるか?
・ 移り変わる変化は意図的なものではない
・ 現場主義的な調査「NDM理論」を応用する
・ 考古学的発掘法によって導き出された5つの認識パターン
CHAPTER3 出来事のつながりから見抜く方法
・ ターラント海戦と山本五十六
・ 赤ん坊は他人に共感する力を持っているのか?
・ 「進化論」を決定づけた、ある論文の存在
・ 「出来事のつながりから見抜く方法」だけでは解けない謎
CHAPTER4 偶然の一致と好奇心から見抜く方法
・ 問題解決に無視できない、偶然の一致
・ 20世紀における最も偉大な天文学的発見
・ 好奇心から見抜いたさまざまな発見
・ 偶然の一致がもたらす危険とは?
・ 自分で自分を胃潰瘍にして事実を証明する
・ 黄熱病の原因が1匹の蚊であることの証明法
CHAPTER5 出来事の矛盾から見抜く方法
・「矛盾」は出来事の強力な引き金になる
・ サブプライム・ローンというアメリカ最大の矛盾
CHAPTER6 絶望的な状況における、やけっぱちな推測による方法
・ 逃げられない罠から抜け出すためのヒント
・ 山火事で迫りくる炎から脱出する方法
・ 死を目前に、間違った思い込みを切り捨てる
CHAPTER7「見えない問題を見抜く」ための別の方法
・ 最新の「認知バイアス」研究からわかったこと
・ 現場主義的調査法で、体験談を検証する
CHAPTER8 問題発見への3つのプロセス
・「見えない問題を見抜く力」が働くさまざまなプロセス
PART2 見えない問題を見抜くための「心の扉」を開ける
~私たちを邪魔するものの正体は何か?~
CHAPTER9 自信を持って誤る偽りの発見
・ 思考プロセスが止まってしまうバカな日常
CHAPTER10 問題を見抜く人、見抜けない人
・「見えない問題を見抜く力」を発揮できない4つの理由
・「誤った考えに固執する」ことから失敗する
・「経験不足」から失敗する
・「消極的な姿勢」から失敗する
・「具体的な考えにとらわれた推論」から失敗する
CHAPTER11 厳格なITシステムが直感を鈍らせる
・ ITは人間の問題解決を支援できるのか?
・ 誘拐された娘たちを助けろ!
・「見えない問題を見抜く力」を働かせ、娘たちを救え!
・ ITシステムが人間を支援してくれるのか検証する
・ 精密なITシステムほど「見えない問題を見抜く力」を退化させる
CHAPTER12 組織は「見えない問題を見抜く力」をどのように抑圧しているのか?
・ 組織が抑圧する動機
・ 組織が抑圧する方法
・ 組織的に抑圧されるDNAプログラム
CHAPTER13 結局、人が問題を見抜けないのはなぜなのか?
・ 実験室の中には解答は存在しない
PART3 目には見えない問題を見抜く「心の扉」を開け放つ
~問題解決法を身につけることができるのか?~
CHAPTER14 「見えない問題を見抜く力」は自分自身を救う
・ 個人・組織が「見えない問題を見抜く力」を高めるには?
・ 出来事の矛盾に「ティルト反応!」が起こせるのか?
・ アイディアの渦巻きを起こすためのアドバイス
・「批判的思考」が活用されるとき
・ 閃く瞬間は、アイディアの発案段階だけでは生まれない
CHAPTER15 「見えない問題を見抜く力」は人を救う
・ 他人の考えを診断し、問題解決に導く
・ 他人を診断し、問題解決のために行動する
・ 出来事の矛盾を見抜く力で、誤った考えをただす
・ その人に問題解決法を発見させる
CHAPTER16 「見えない問題を見抜く力」は組織を救う
・ 組織におけるパフォーマンスの上下の矢印
・ パフォーマンスを上げる上への矢印を強化する
・ 情報を選別する下への矢印を緩める
・ 組織は「意志力」を高めるしかない
・ 組織という権力に訴えるために
CHAPTER17 見えない本質を見抜く人になるためのヒント
・「見えない問題を見抜く力」を追い求め、ひも解くために
・「無」から生まれたトカゲの話
・ 抜け目のない消費者たちの話
・「ミサイル到着まで、あと1分」
・ 日常に起こり得る「逸脱した習慣」の罠
CHAPTER18 「見えない問題を見抜く力」という魔法
・「洞察力」という武器を使いこなせ!
・「見えない問題を見抜く力」の可能性を求めて
訳者による解説 「現場主義的意思決定理論」の父へ、敬愛の気持ちを込めて
著者について
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米国認知心理学者。1944年、ニューヨーク市出身。1969年にピッツバーグ大学で実験心理学の博士号を取得。1989年、『現場主義的意思決定(Naturalistic Decision-Making,NDM)理論』を構築したことで世界的名声を博す。オークランド大学助教授、ウィルバーフォース大学准教授を経て、米空軍省に研究者として勤務。1978年にR&D企業クライン・アソシエイツを創業。2005年に同社を売却。現在、マクロコグニション社の上級研究員。ホワイトハウス・シチュエーションルームのリーダーの1人として活躍した経験がある。米国心理学会、米国人間工学会の各役員。2008年、米国人間工学会よりJack A. Kraftイノベーション賞を受賞。
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著書に『決断の法則―人はどのようにして意思決定するのか?』(佐藤洋一訳/トッパン)がある。 -
意思決定学者。教育コンサルタント。1976年、東京都出身。高校卒業後、渡米。2010年、カペラ大学で教育学の博士号を取得。大学院在学中より、外資系企業就職の人材育成に携わる。現在、総合教育会社スカイビジネスの代表を務める。日本認知科学会、米国人間工学会、米国判断意思決定学会の各正会員。
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翻訳書に、『戦略のためのシナリオ・プラニング』(ロムロ・W・ガイオソ著/フォレスト出版)がある。