■「民主不況」は果たして起こるのか?
長期デフレ時代の政策は、「小さな政府」を目指すことにある。
4年前に大勝した、小泉自民党が掲げた郵政民営化は、
郵政公務員24万人を解体するという
まさに「小さな政府」づくりの第一歩だった。
しかし、国民や議員までも、小泉は真意を伝えなかった。
そして今年、そのことが自民党の大敗につながった。
政権交代をなした民主党は、
デフレ時代に逆行する「大きな政府」づくりを目指している。
果たして、民主党政治は成功するのか。
政策における争点を、経済的、大局的な観点から検証する。
■「アメリカ第二次産業消滅」で日本が背負うもの
GMに真の再生の道はない。アメリカの象徴である自動車産業の消滅は、
もはやモノづくりアメリカの立場を捨てたと言える。
アメリカの第二次産業の未来は、
間違いなく日本が背負っていくことになる。
長期デフレのなか、技術革新のための研究開発費も膨大になり、
大企業が統合しながら、しのぎを削る時代へと突入する。
また、世紀の革命とも言える電気自動車も
3年後には100万円台で買えるようになる。
世界の抱える環境問題を克服し、技術革新できる国は日本しかない。
その企業生き残りの道を探る。
■「北朝鮮崩壊」によって、再び特需がやってくる
北朝鮮崩壊のシナリオは出来上がった。そのけん引者は、中国しかない。
中国によって金王朝が崩壊したあと、
それまで自由経済の壁となっていた朝鮮半島が開け、
東アジアの新しい経済ブロックが出来上がる。
その時、中国、ロシア、韓国、日本は、
どのように国益に結びつけるのか。
日本はどのようなスタンスで東アジア経済に関与すればいいのか。
カウントダウンを迎えた北朝鮮崩壊のシナリオを明らかにし、
その後の東アジア経済を予測する。
■工場からマーケットへ転換した中国
3つのキーワードのほか、重要な転換期を迎えたのが、中国である。
輸出が成長の原動力であった中国は、
世界金融危機後、農村部にまで
「液晶テレビ・冷蔵庫・洗濯機」を普及させる
「家電下郷」という政策に転換した。
つまり、工場が市場へと変わったのである。
果たして、中国共産党はこの政策で突き進むのか。
大局的な視点から、中国の思惑が浮かび上がる。
その他、「世界経済の回復にEUはいらない」
「北方四島に駆け引きはいらない」「大企業時代の復活」など、
大局シリーズ7年目を迎えた本書は、内容も多岐に富む。
まさに2010年は「歴史的大転換」が始まる。
著者について
長谷川慶太郎(はせがわ・けいたろう)国際エコノミスト。1927年京都生まれ。
1953年大阪大学工学部卒。新聞記者、雑誌編集者、証券アナリストを経て、
1963年独立。1983年『世界が日本を見倣う日』で第3回石橋湛山賞受賞。『日本はこう変わる』は60万部の大ベストセラーとなる。
著書:『千載一遇の大チャンス』『大統領が変わると日本はどこまで変わるか?』『日本経済はV字回復する』『「経済戦勝国」日本の底力』ほか多数。
●長谷川慶太郎公式サイト http://www.hasegawa-report.com
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