唾液を減らす「食後の歯磨き」は世界の非常識!
あなたは、いつ、歯を磨くでしょうか?ほとんどの人が、「食後」と答えると思います。
ですが食後は1日のうち、
「最も口のなかの細菌数が少ない」というのをご存じでしたか?
日本人の歯磨きのタイミングを調査した報告書などでは、
約80%の人が口のなかの菌が最も少ない朝食後に歯を磨き、
起床時に歯を磨きはじめる人は、たったの約20%という結果があります。
詳しくは本書で述べますが、朝起きてすぐは、
口のなかの歯垢や細菌数が最大になるばかりか、
細菌によって作り出された毒素の濃度も最大になります。
そして、朝起きてすぐに歯を磨かない人は、
実は、これらの菌や毒素を毎朝大量に飲み込んでいます。
世界を見渡すと、食後に歯磨きをしている国は少数派です。
ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーが主演した映画、
『Mr.&Mrs.スミス』をご覧ください。
歯磨きのシーンが長く出てきます。
彼らは起きてすぐに、2人そろって電動歯ブラシで歯を磨き、
その後朝食を摂りますが、食べ終わっても歯を磨きません。
おおよそ海外の映画やドラマで食後に歯を磨くシーンは見たことがないでしょう。
これがアメリカ人の日常です。
実際、シンガポール在住の日本人が、食後に歯を磨いたら笑われたという話や、
日本在住のアメリカ人に、「アメリカでは食後に歯を磨くのか?」と聞いたら、
「アメリカでは磨く人はいないけど、日本に来たらみんなが磨くので、
日本にいる時だけ、磨いている」と言っていた、なんていう話もあります。
実は、口のなかの菌数が最も少ない時に行う「食後の歯磨き」は、
虫歯になるリスクを高めることがあります。
歯磨き後のうがいによって「唾液を喪失すること」と、
ただ歯磨きをするだけでは
舌や粘膜に食べかすや飲みかすがこびりついたままなので、
「口腔内の酸性化が助長されること」がその原因です。
そして、虫歯だけでなく、歯周病や口臭の原因なるばかりか、
インフルエンザやガンを引き起こすことがわかっています。
飲食後は虫歯の原因となる「口腔内の酸性化への対応」が大事。
食べた後も、飲んだ後も「お口のpHバランス」こそが命、なのです。
長生きする人は唾液が多い!?
「食後の歯磨き」がよくない一番の理由は、“唾液を減らしてしまうから”です。
唾液には、
・細菌の活動を抑えるpH緩衝作用
・歯の表面の保護と虫歯予防(再石灰化)
・口のなかの清潔を保持する自浄作用
があり、食事によって、口のなかが酸性に傾き、
エナメル質が溶けやすい状態になっている環境を
緩和する働きがあるのです。
また、
・排泄・毒物希釈作用
・病気に打ち勝つ免疫作用
・会話をスムーズにして、咀嚼効率を上げる
といった、あなたの健康を維持する働きがあります。
わたしたちは長い間、
「唾液」の存在を軽視してきました。
世界標準の歯磨きは、
歯垢(プラークコントロール)と唾液(pHコントロール)を
中心に考えられています。
そして、日本も昔は唾液の力を生かしたお口のケアをしていました。
本書では、唾液の力を見直し、味方につけることで、
お口の健康だけでなく、
身体そのものを健康にしていくことを目指し、
唾液の力を生かすさまざまなエクササイズや、
正しい歯磨きの仕方についてまとめています。
みなさんの人生や健康を向上させる一助になれましたら幸いです。
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冊子などをお送りするものではございません。
目次
はじめに 長生きする人は唾液が多い!?Part1 唾液にはさまざまな「顔」がある
最もツライ拷問は「唾液を止めること」
唾液は個人情報のかたまり!
唾液は「最強の消毒薬」
唾液に含まれる「若返りホルモン」
かつて、唾液は「目薬」だった
『養生訓』にみる唾液の効用
唾液で病気や身体の変化がわかる
唾液検査で「保険料」が安くなる
Part2 唾液はカンタンに増やせる!
唾液があるから生きていられる
虫歯や歯周病は「唾液」で撲滅
唾液は口の「下水」の役割がある
赤ちゃんには「大人の唾液」が必要
唾液に含まれるさまざまな成分
緊張すると唾液は「ネバネバ」に
唾液が分泌される仕組み
口がネバつく時は、お茶より水を
唾液をサラサラにする「水分補給法」
唾液力が上がる水分補給のタイミング
ガムを使って唾液を増やす「コロコロガム法」
にっこり笑って唾液を出す「スマイル法」
昆布で唾液があふれ出す「だし昆布法」
「口を開けっ放し」の人は要注意
「口呼吸」を直す必殺エクササイズ
「太極拳」で唾液を出す!
「朝食を抜く」と唾液も減る
唾液を増やすには「和食」がベスト
「目線を水平」にすると唾液が流れ出す
Part3 唾液が減少する本当の理由
「食後の歯磨き」は世界の非常識
「333運動」は無意味?
「歯磨きの目的」を知らない日本人
「歯磨きのタイミング」は唾液に聞け
歯垢は「歯くそ」
日本人は、いつから歯を磨き出したのか
「歯木」はいまだにポピュラーな歯科用品
虫歯菌は口が酸性の時、活性化する
唾液が「虫歯を修復」する
唾液の「緩衝能力」をアップする食べ物
食後の酸性化を食いとめる「お口のケア」
フロスと歯間ブラシより「爪楊枝」を見直そう
爪楊枝は最も歴史ある歯科用品
チンパンジーも楊枝を使う
仏教からはじまる爪楊枝の歴史
貴族から庶民まで、広く普及した爪楊枝
「歯ブラシ」の登場
歯ブラシを爪楊枝のように動かす「つまようじ法」
明治生まれの祖母から教わった「手水文化」
日本の伝統的オーラルケア「お口直し」
歯磨きで「インフルエンザ」も予防できる
これが「理想の歯磨き習慣」
おわりに 神秘の液体、唾液の未来
著者について
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医療法人ほんだ歯科理事長、日本口臭学会常任理事・指導医
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1980年、山口大学農学部獣医学科を卒業後、8年にわたり、厚生省(現・厚生労働省)の検疫業務に携わる。輸入感染症の検疫業務の傍ら、大阪大学微生物病学研究所において、腸管感染症の基礎研究をおこなっていた。当時の研究成果は、世界的にも評価の高い世界五大医学雑誌のひとつであるイギリスの医学雑誌「ランセット」に2報掲載された。
1988年、厚生省を退官、翌1989年に大阪大学歯学部に学士編入し、1993年同学部を卒業。卒業後は、歯科医院に勤務し、1995年ほんだ歯科を開業。予防中心の歯科医療の展開を開始する。1997年には医療法人ほんだ歯科に変更。歯科医師として臨床に携わりながら、口臭について悩む患者の多さを目の当たりにし、口臭や、「口臭症」と呼ばれる口臭に悩む人たちの研究を始める。
2000年には、これまでなかった口臭のデオドラント技術および口臭症治療に関する治療プロトコルである「ほんだ式口臭治療」を確立。一般にも治療方法を広く発信、評価を得ると同時に、治療方法を学びたいと希望する日本および海外の歯科医師やスタッフに対しても治療法を全面的に公開、治療の傍ら「ほんだ式口臭治療」の専門医や専門スタッフの育成に努め、ほんだ歯科口臭外来提携制度(現・Excellent Breath Alliance Clinics制度)を設立、その会員は、日本のみならず海外も含めて400名を超える。
また、2014年からは、日本口臭学会常任理事・指導医を務め、口臭関連の研究発表・講演・テレビ雑誌でのメディアにおける啓蒙活動にも力を入れている。
『口臭治療の実践』(日本歯科新聞)、『チェアーサイドの口臭治療ガイドブック』(デンタルダイヤモンド)、『歯科口臭治療のクリニカル・アプローチ』(日本歯科新聞社)、『キレイな息の作り方』(明日香出版)他、著書多数。
「生活ほっとモーニング」(NHK)、「ホンマでっか!? TV」「わかるTV」(ともにフジテレビ)、「情報ライブミヤネ屋」「朝生ワイド す・またん」(ともに読売テレビ)、「スッキリ!!」(日本テレビ)、「日本人の3割しか知らないこと」「中居正広のミになる図書館」(ともにテレビ朝日)、『読売新聞』、『週刊朝日』(朝日新聞出版)、『GISELe』(主婦の友社)、『CREA』(文藝春秋)、『MORE』(集英社)、『女性自身』(光文社)、『女性セブン』(小学館)、『ゆほびか』(マキノ出版)他、メディア出演多数。