本書のコンセプトは「できる人の話し方のエッセンスを知り、それを真似ることで、自分もできる人になろう」。そのためのさまざまな会話のテクニックを事例とともに紹介しています。しかし、それ以上に大切なのが、「相手に心から共感する」ことです。このマインドなしに、テクニックだけいくら磨いても、一見「できる人」にはなれるかもしれませんが、一流のビジネスパーソン、つまり「心から信頼される人」にはなれません。特に本書の中で紹介した「相手がネガティブな発言をしたときは、あえて“無言のあいづち”を打ち、間をとる」といった「あえて話さない(沈黙する)」ことも時に重要になります。皆様には、この「相手に対する共感」の部分も含めて身につけていただくことで、真の「できる人」を目指していただきたいと思います。
POSTED BY貝瀬
「できる人の話し方」を身につけてビジネス戦闘力を圧倒的に高める本
「話し下手」でお悩みのビジネスパーソンの方に朗報です。「できる人」がやっている話し方を真似ることで、誰でも短期間に身につけ、「話し下手」を克服するノウハウを1冊に凝縮した本が登場しました。
著者の伊庭正康さんは今でこそ、研修会社のトレーナー兼経営者として、年間200以上の登壇をし、全国のビジネスパーソンに話し方やセールスなど、さまざまなビジネススキルを指導しています。
が、ご本人いわく、もともとは極度の人見知り&話し下手でした。
たとえば、営業職として入社したリクルートの新入社員時代には、上司から「何を言いたいのかわからないよ」と半ばあきれられたこともあるといいます。
もちろん、営業成績もふるいません。
「このままではマズイ!」と思った若き日の伊庭さんは、周りにいる「仕事ができる人」の話し方を真似ることを決意しました。
そして観察を重ねるうちに、彼らの話し方には“大きな共通点”があることに気づいたのです。
たとえば、次のようなものです。
「できる人」は、ゆっくり話す。
「できる人」は、名刺交換の15秒間で、相手の心をつかむ会話をする。
「できる人」は、「イエス/ノー」で答えられる質問だけでは終わらない。
「できる人」は、「そうですよね」ではなく「そうなのですね」と相づちを打つ。
「できる人」は、「もしあるとしたら?」と相手に考えさせ、形勢を逆転する。
これら「できる人」の話し方を真似、身につけていくにつれて、伊庭さんの営業成績はぐんぐん伸びていき、リクルート在籍中は、プレイヤー部門とマネージャー部門の両部門で年間全国トップ表彰を4回受彰、計40回以上の社内表彰を受けたことに加え、営業部長、(株)フロムエーキャリアの代表取締役などの要職を歴任しました。
この伊庭さんが見つけ出した「できる人の話し方」を、誰にでも簡単に身につけられるメソッドとして1冊にまとめたのが本書です。
「話し下手」を卒業!
超凄腕の研修トレーナーがズバリ教える!
仕事力を爆上げするコミュニケーションの技術
本書で紹介するテクニックの一部をご紹介しましょう。相手の言っていることが理解できなくても反復と感情で対応するとうまくゆく
「自分の主張」は完全に封印して「相手に教えてもらう」&「聞き役に徹する」
相手がネガティブな発言をしたら、あえて“無言の相づち”で間を取る
「なぜ」ではなく「3つの〝ど〟」(どうして、どんな、どのように)を使って質問すれば自然と会話は盛り上がる
結果だけをホメるのはNG、プロセス、心がまえをホメると相手はうれしくなる
「句読点」の「読点( 、)」はなるべく少なくする「句点( 。)」を増やして一文を短くする
「結論」を最初と最後に伝えることで説得力と相手の納得度が圧倒的に高まる
「実は、私も……」と自己開示をすると相手はどんどん話に乗ってくる
「ホメる、認める、期待する」をうまく使えば無理めの要求であっても受け入れてもらえる
これらビジネスシーンですぐに使えて、効果抜群の話し方を、本書は、豊富な会話例とともに徹底的にレクチャーします。
まず第1章では、初対面の相手にごく短時間で好かれるためのテクニックや、会話の盛り上げ方などを紹介します。
第2章では、短くわかりやすく話すことで、相手に確実に伝わり、納得される説明のテクニックを紹介します。
話し方の基本ルール、説明するときに役立つ「POINT話法」「PREP法」「DESC法」などを会話例とともに解説します。
第3章は、相手からの信頼感と好感度を高め、お願いごとをきいてもらいやすくしたり、情報を引き出すためのテクニックです。
相手の性格に合わせた話し方や本音の聞き出し方、相手の感情に寄り添う「PERLS法」などを紹介します。
最後の第4章は、説得力、提案力、交渉力を高める上級テクニックです。
さらに話し方を向上させるためのコツを徹底紹介しています。
本書で紹介する考え方やテクニックを習得・実践していただくことで、「仕事ができる人」と周りから評価され、多くのチャンスに恵まれるようになります。
気になる本書の内容
本書の内容は以下の通りです。第1章
「できる人」は一瞬で相手の心をつかむ!
会ったその日に好かれる話し方の極意
01-01
初対面だからこそ大チャンス!秒で好かれるテクニック
・「名刺交換」には最初の15秒間で〝好かれる〟コツがある
・名刺を受け取った瞬間に気の利く〝ひとこと〟が言える秘策
・本題に入る前に好印象を与える「ラポールトーク」とは?
・相手の会社の「すごいところ」は必ず見つかる
ホメるポイントはあちこちに転がっている
・ホームページは「すごいところ」の宝庫
訪問前に〝ここ〟をチェックしておくとホメるネタに困らない
01-02
「理解」ができなくてもOK
「共感」するリアクションをすれば一気に好かれる
・たとえ相手の言っていることが理解できなくても反復と感情で対応するとうまくゆく
・「自分の主張」は完全に封印して「相手に教えてもらう」&「聞き役に徹する」
・相手がネガティブな発言をしたら、あえて“無言の相づち”で間を取る
01-03
どんな相手でも「3つの〝ど〟」を使って質問すれば自然と会話は盛り上がる
・最初のやりとりで話の糸口を作るときは相手に対する「共感」を伝える
・「イエス/ノー」で答えられる質問ではなく「拡大質問」で会話の流れを作る
・拡大質問をするとき「なぜ?」はご法度「3つの“ど”」を使いこなそう
・結果だけをホメるのはNG プロセス、心がまえをホメると相手はうれしくなる
第2章
「できる人」は短く、鋭く、わかりやすく話す
確実に伝わり、心底納得される説明の極意
02-01
伝える力をアップしたければ話し方の基本ルールを徹底的に身につける
・早口で話すから伝わらない〝ゆっくり〟と〝簡潔〟に話す
・話をダラダラと続けると相手はイライラする
まずは「事実」を話すように心がける
・「句読点」の「読点( 、)」はなるべく少なくする
「句点( 。)」を増やして一文を短くする
・発言するときは「あいまいさ」を徹底的に排除する
言い切ることで、相手に響く
・説得力を上げたければ数字を徹底的に使い倒す
02-02
「できる人」が説明するときに必ず使う3つのフォーマット
「POINT話法」「PREP法」「DESC法」
・最初に目的を伝える「POINT話法」を使うと話を有利に進めることができる
・「結論」を最初と最後に伝えることで説得力と相手の納得度が圧倒的に高まる「PREP法」
・お願いごとをするときは最初に事実を伝える「DESC法」を使うとスムーズ
・相手の依頼を断るときもDESC法を使うとお互いイヤな気持ちが残らない
02-03
「本当にそうなの?」「ほかにないの?」
とツッコまれないためのロジカルな話し方
・経験則や思いつきではない「根拠のある提案」をするために
ロジカルシンキングの基本ステップを身につける
・結論の正しさを証明するときは
「ピラミッドストラクチャー」を使って根拠を明確に示す
・ピラミッドストラクチャーを作っておけば
「ほかのアイデアはないの?」にも対応できる
第3章
「この人なら信頼できる」と評価される相手の心をつかむ提案の極意
03-01
相手の性格を正しく理解して寄り添うことで初めて信頼される
・「プロファイリング」で相手のタイプを見抜く
「慎重タイプ」か「積極タイプ」かで言葉のかけ方を変える
・相手の「承諾ポイント」を把握することで
商談を進めるペースや勝負をかけるタイミングがわかる
・相手の価値観に寄り添い信頼を得ることで好感を持たれる
03-02
相手から本音を引き出すためのキラーパス
・「実は、私も……」と自己開示をすると相手はどんどん話に乗ってくる
・「難しい」という言葉は封印する
解決志向の言葉で相手を前向きな気持ちにする
・本音や秘密情報を聞き出したければ帰り際が狙い目
相手の緊張の糸が切れたタイミングでするっと聞き出す
03-03
相手の感情に寄り添う「PEARLS法」で
自分に対する信頼感と好感度を劇的に高める
・「PEARLS」を会話に盛り込むだけで相手との関係は一気に好転する
03-04
ちょっとした不用意な発言1つで
長年、築いた信頼感や好感が一瞬で崩れ去る
・相手の知識・力量を試すような質問はNG プライドを傷つけたり、不信感を買うことに
・事実関係がはっきりわからない段階で憶測したり、評価をする発言をしてはいけない
・「冷たい言葉」を不用意に使うと人格まで「冷たい」と判断されてしまう
第4章
難易度の高い案件を解決する!
説得力、提案力、交渉力を高める上級テクニック 04-01
お願いごとは関係性の深さに応じて頼み方を変える
・「ホメる、認める、期待する」をうまく使えば
多少無理めの要求であっても受け入れてもらえる
・関係性の浅い人には簡単なお願いごとをして受け入れてもらうところから始める
04-02
「なぜ」からはじめるゴールデンサークル理論を活用して
提案内容に興味を持ってもらう
・あなたの話に興味を持ってもらえないのは大脳辺縁系への刺激が足りないから
・「なぜ(Why)」から話しはじめると大脳辺縁系が刺激されて興味を持ってもらえる
・相手の“不”をストーリーに盛り込むことで提案の魅力が一気に高まる
04-03
・難易度の高い交渉を確実にまとめる驚異のメソッド「BATNA」
競合が激しい商材、値段で選ばれる商材は「代替案」を用意してから交渉に臨む
・交渉がダラダラ長引くようだったらズバリ“締め切り”を設定する
著者について
-
株式会社らしさラボ 代表取締役/研修トレーナー
View More
1969年京都生まれ。
1991年リクルートグループ入社(求人情報事業)。営業職としては致命的な人見知りを4万件を超える訪問活動を通して克服。その後は、リクルート社においてプレイヤー部門とマネージャー部門の両部門で年間全国トップ表彰を4回受彰、また40回以上の社内表彰を受け、営業部長、(株)フロムエーキャリアの代表取締役を歴任。リクルート流の「圧倒的な当事者意識」を持つ組織作り、人材育成法を会得。
2011年、研修会社(株)らしさラボを設立。リクルートで学んだ「圧倒的な当事者意識」を持つこと、「期待に応えるだけではなく、期待を超える」ことの大切さを説くべく、リーディングカンパニーを中心に年間200回を超えるセッションを行なっている。
著書に『できるリーダーは、「これ」しかやらない』(PHP研究所)、『営業の一流、二流、三流』(明日香出版社)などがある。