健康診断でいつもひっかかる血糖値。糖尿家系だからしかたないとはいえ、なんとかしないとなぁと思いつつ、糖尿病関連の本はどれがホントの情報なのか、怪しい情報が溢れすぎていて正直わかりませんでした。そこで、著者ご自身が1型糖尿病で糖尿病専門医である市原先生に書いていただけるようお願いしたところ、結果的に「大全」と呼べるしっかりした内容の書籍になりました。血糖値が気になる方は必読!
POSTED BY寺崎
近年、糖尿病予備軍を含めた糖尿病患者は増える一方です。
「糖尿病にかかったら一生治らないの?」
「インスリン注射をずっと打ち続けなきゃいけないの?」
こんな風に恐れる方も多いでしょう。
でも、ご安心ください。
血糖値コントロールに成功すれば
糖尿病を悪化させずに健康に長生きすることができます。
本書は、11歳の時に1型糖尿病であることが判明して
それがきっかけで糖尿病専門医になった
1型糖尿病歴30年の医師が「血糖値を下げる日常テクニック」をまとめました。
著者自身の糖尿病体験で得た日常生活のなかで
ちょっとした工夫でできるテクニックを、
さらには、糖尿病専門医として患者さんたちを診るなかで気づいた
血糖値を下げるテクニックを計97点収録しています。
内容としてはヘモグロビンA1cが7%台までの
比較的コントロール良好な方向けの情報が多くなっています。
糖尿病治療は、人生を楽しく、前向きに過ごすために行うものです。
ぜひ、本書を片手に一緒に笑顔あふれる人生を実現させましょう!
本書の内容
第1章 血糖値が上がる基本的な仕組みと対処法1 糖尿病のホントの怖さを知っていますか!?
2 糖尿病治療の最大の目的は、三大合併症の回避です
3 放置は良いことなし! 早期発見、早期治療が大切な本当の理由
4 日本人男性は糖尿病にかかりやすい? 女性は更年期に要注意!
5 寿命と糖尿病のシビアな関係「10年短い」はホントだが……
6 忙しい人は注意! ストレスが血糖値をはね上げる
7 性格で違う!? 「あなたに合う血糖値コントロール法」の極意とは?
8 糖尿病の経済学を考える 約15万円×10年? 20年? 支払い続ける?
9 がんリスクは最大で約2倍に! 怖いのは合併症だけじゃない
10 血糖自己測定器で食後1時間の血糖値を測ろう
11 「死の病」から人々を救ったインスリン 注射器も針も大進化してます!
12 糖尿病が認知症を引き起こす
13 受動喫煙、電子タバコも!? 喫煙は合併症リスクを上げる!
14 大人もかかる1型、肥満のせいだけではない2型
15 サインを見逃さないで! 初期の2型糖尿病に起こること
16 肥満、脂肪肝は糖尿病を加速させる
17 やっかいで大変な血糖値スパイクは、早く見つけて、早く対応
18 「ピアサポート」で血糖値コントロールという新しい動き
19 歯周病を治療するとヘモグロビンA1cが下がる!? 糖尿病と歯周病の密な関係
20 知ってるつもり!? 血糖値vs.ヘモグロビンA1c 知っておくべきなのは食後血糖値
21 糖質は敵じゃない! 適量の炭水化物は、クリーンエネルギー
22 「糖質コントロール」の時代が来た! 「糖質制限」も「カロリー制限」も、もう古い!
23 「糖尿病予備軍」は最後のチャンス 本当の危うさとは!?
24 「糖尿病だから、長生き!」に変えていこう!
第2章 血糖値を上げない「食べ方」と「飲み方」
25 糖尿病だからこそ、「食べたい」に打ち克つ私流のコツ
26 血糖値を上げる、美味し過ぎる「悪魔の料理」とは!?
27 ニセ科学に惑わされちゃダメ! 患者をミスリードする「フードファディズム」に要注意
28 「時間栄養学」で体を整える! 朝食ヌキは血糖値も血圧もアゲアゲ!
29 「低GI食」をどう食事に取り入れていくか?
30 糖質ゼロ、糖質オフ、糖質カット みんな違って、みんないい?
31 食後の血糖値をはね上げる、ガッツリ系「脂の罪」
32 トクホを賢く利用して、血糖値を下げましょう!
33 リアルです! 糖尿病歴30年の工夫が詰まった「私の食事」
34 主食に何を食べるか問題 白米、玄米、発芽玄米、大麦、オートミール?
35 糖質ゼロでも、アルコールはアルコール!
36 糖尿病こそ、オヤツを食べて! 種類、量、タイミングのポイント
37 罪深い「○○だけダイエット」のワナvs.ダイエットの王道
38 食レポしながら食べてみる!? 早食いをやめて糖尿病予防
39 そのランチ、大丈夫? カロリーオフしたつもりが、糖質プラスに……
40 血糖と中性脂肪の吸収を抑えるダブルの効果! 食前に摂るべき食物繊維のサプリ
41 「朝なら」神話は忘れて! どうしても甘いものを食べたくなったら、いつならOK?
42 どうしても爆食いしたくなったときの「おたすけ飯」は、ボリューム丼
43 ラーメンがどうしても食べたい! そんな時には、この「OKラーメン」
44 脱・交換表! カーボカウントもざっくりでOK!
45 ワイン、ヨーグルト、納豆……糖尿病に良いといわれるものの実態は?
46 油? 脂? アブラも選んで摂れば、味方になる!
47 油断大敵! フルーツは本当に体に良い!? 血糖とのキケンな関係
48 ブームを巻き起こした食材の真実は? キクイモ、糸寒天、酢大豆……
49 和菓子の糖質は洋菓子の2倍!? どうしても食べたい時のスイーツ選びのポイント
50 糖の吸収を抑える食材を積極的に使って、血糖値の急上昇を防ぎましょう!
51 腸活から血糖値を下げる5つのポイント
52 調味料の糖質って、意外と高いんです! しょう油、みそ、ソースの糖質に気を付けて!
53 食前の「酢」は、血糖コントロールの強い味方! でもお酢ドリンクは……
54 飲めば変わる! 「からだ応援ドリンク」と「血糖値はね上げドリンク」
55 代用甘味料を賢く使う! 甘いのに低カロリーな強い味方
56 カルシウムとビタミンDは、「一緒に」と「多めに」がポイント
57 体のすみずみまで届く、水を飲もう!
58 大豆のセカンドミール効果で1日の血糖コントロール
59 コレステロール「高いほうがいい」なんて、ありえない! 糖尿病とのふかーい関係
60 糖質オフだけじゃない! 塩分カットも血糖値を下げるには必要です!
61 どんどん食べて良い野菜と、糖質が多い「要注意な野菜」
第3章 血糖値を上げない「運動法」と「生活習慣」
62 その糖分摂取、食後の運動で「なかったこと」になるかも!?
63 リバウンドは、命まで縮めるって本当!?
64 「歩き方」を変えるだけで、通勤通学がダイエット運動になる!
65 歩くスピードは、「どんぐりころころ」♪
66 歩計を信じるな! 「1日1万歩神話」から離れましょう!
67 「こまぎれ運動」で血糖値を下げる! ユル〜イ運動でも、立派な運動です
68 楽して痩せる、スペシャルな筋トレ「自重筋トレ」
69 簡単ストレッチで血糖値が下がる! カロリー消費増量作戦!
70 インナーマッスルを鍛えるとイイことずくめなんです
71 まさか!? 運動が血糖値に悪影響になるタイミングがあるなんて!
72 睡眠不足が血糖値をはね上げる! 健康な人が糖尿病になるリスクも……
73 甘~~ い自分を見直す! グラフ、日記、アプリの「見える化」で、きびしくチェック
74 糖尿病、高血圧、脂質異常症の「生活習慣病トライアングル」を断ち切る方法!
75 バスタイムが糖尿病の味方になる!
76 インドア派だからこそ、夢ではない! シックスパックを目指して血糖値ダウン
77 テレワークを「痩せチャンス」に変えよう! 寝転がりストレッチ&変顔ヨガ
78 サ活(サウナを楽しむ活動)は、血糖値コントロールにも有効か!?
第4章 血糖値を上げない「薬」とのつきあい方
79 そのインスリン注射は本当に必要!? 物申す患者さんを応援します!
80 誤解しないで! インスリン注射は、どんなときに必要?
81 インスリン注射による治療のメリットとデメリット
82 「インスリン注射は、一生でしょ?」」は、大きな誤解です!!!!!
83 インスリン注射は、がんリスクを上げるってウソ!? ホント!?
84 期待したい! 新しい「インスリンのおくすり」がつくる未来
85 今、一番、熱い! 「GLP‐1受容体作動薬」の減量効果 糖尿病以外も改善
86 多方面に頼もしい「SGLT2阻害薬」とは?
87 メリットが多岐にわたるから頼られるDPP‐4阻害薬とのつきあい方
88 糖尿病予備軍にまで、幅広く使える薬αグルコシダーゼ阻害薬(α‐GI) とのつきあい方
89 朝の血糖を改善! ビグアナイド薬を活かすのは、糖尿病専門医の腕の見せどころ
90 糖尿病専門医は、患者さんの腎臓を守る最後の砦! 腎保護の薬の話
第5章 正しい医者とのつきあい方
91 糖尿病専門医とは? ①
92 糖尿病専門医とは? ②
93 40代男性に多い「来る来る詐欺師」とは!?
94 糖尿病は、あなただけのせいではない!
95 こんな医者は避けたほうがいい ① 糖尿病の合併症を気にしない医師
96 こんな医者は避けたほうがいい ②「痩せなさい」としか言わない医師
97 こんな医者は避けたほうがいい ③「また受診してね」と言わない医師
著者について
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医師(内科・糖尿病専門医)・医学博士
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1982年生まれ。自身が11歳の時に1型糖尿病(年間10万人に約2人が発症)を発症したことをきっかけに糖尿病専門医になる。病気のことを周囲に理解してもらえず苦しんだ子ども時代の経験から、1型糖尿病の正しい理解の普及・啓発のため患者会や企業での講演活動を行っている。
2009年山口大学医学部医学科卒。独立行政法人国立病院機構関門医療センターにて初期研修を経て、2011年東京女子医科大学糖尿病センター糖尿病代謝内科勤務、2016年横浜鶴ヶ峰病院付属予防医療クリニック入所、2018年同クリニック副院長に就任。
医師と患者の両方の立場から、患者様の気持ちに寄り添い、「病気を個性として前向きに付き合ってほしい」との思いで日々診療している。糖尿病専門医として患者としての経験から、ダイエットや食事療法、糖質管理などの食に関する知識が豊富である。
一児の母として子育てをしながら仕事や家事をパワフルにこなしている。