「2020年には日経平均は3万円になる」と言い続けてきた今井先生ですが、ついに現実になりそうです。2018年も世界は恐慌化の一途を進みますが、日本は大丈夫。先生のお話を聞くと、常にポジティブな考え方ができます。もちろん、投資家の方にとってもいい年を迎えられるのではないでしょうか。
POSTED BY稲川
日経平均3万円! 安倍政権発足からの著者の主張が現実味を帯びてきた
経済予測は水ものですが、著者の今井氏は、第二次安倍政権が発足した当時から言い続けてきたことがあります。
「安倍政権は長期政権になる。アベノミクスは
岩盤規制に風穴を開け、外交でもイニシアティブを発揮する。
マイナス金利で銀行は再編され、公的資金も株支になる。
2020年には日経平均3万円が見える」
今回の本では、その時期が早まりそうとの見解です。
相場の世界には、「半値戻しは全値戻し」という経験則があります。
株価が高値から大きく下がっていたとしても、
その下げ幅の半値を戻すほど相場が強ければ、
株価はやがて元の高値に戻るという意味です。
そして株価は、歴史的高値を付けた1989年12月の3万8915円から
2009年3月の安値7054円の
半値をあっさりと抜いてしまいました。
とはいえ、私たちの実経済にあまり実りの感じられないアベノミクス。
それが2017年10月22日の衆院選挙の大勝で、
賃金上昇にも拍車がかかってくるというのです。
それこそ、日本が抱えていた長いデフレ経済を脱却し、
日本が世界に先駆けて繁栄していくスタートとなるのです。
「韓北合邦」と「トランプ辞任」という危険なシグナル
しかし、前作『恐慌化する世界で日本が一人勝ちする』でも述べたように、世界の恐慌化は続いていきます。
何より喫緊の問題は「北朝鮮」です。
6回目の核実験を行い、ICBMを発射するかの国は、
米中の電撃侵攻による崩壊というシナリオが描かれています。
しかし問題は、北朝鮮が崩壊したあとのことです。
米国はトランプ政権になって、いずれ東アジアから手を引く考えを持っています。
北寄りの韓国大統領、中国の習体制のもと韓国は北朝鮮と合邦し、
中国を交えた3国経済ブロックが出来上がるシナリオもあり得ます。
いっぽう米国では、現在も続く「安倍おろし」同様、
「トランプおろし」がペンス副大統領以下の閣僚たちによって画策されており、
トランプが辞任に追いやられる可能性も出てきました。
これから混沌とする世界、とくに東アジア情勢はどうなっていくのか。
この舵取りこそが、本当に待ち受ける日本の「国難」なのです。
国難選挙の本当の意味。日本に迫る真の国難は東アジア情勢
2017年10月22日の衆院選挙は、「安倍おろし」選挙の一方で、「国難選挙」と呼ばれていました。
それが、先ほども述べた東アジアの行く末です。
北朝鮮崩壊による難民問題での、テロ工作員入国防止をどうするか、
おそらく1兆円の拠出が求められる財源をどう生み出すか、
韓国が核シェアリングになったら、日本も核シェアリングを受け入れるのか。
まさに国難が待ち受けています。
それでも日本は大丈夫なのか。
詳しい内容は本書に譲りますが、
安倍政権は改憲に突き進むでしょうし、
財源に関しては、おそらく2018年に金融専門家会合が開かれ、
「永久債」発行による新たな財源が生まれる可能性があります。
こうしたことから、有事にあっても外国人投資家は日本を信用し、
これからますます日本株の高騰が予見されるのです。
目次
まえがき「安倍おろし」の裏側にあった官僚たちの甘い汁
安倍政権に待ち受ける本当の「国難」
ついに本格的に乗り出す、財政政策への大勝負
予測的中! 日経平均3万円が足早にやってくる
第1章 日本株高騰を示唆するさまざまな前兆
「安倍おろし」だけが争点だった衆院選
リベラル派が一掃され、改憲勢力の一党体制へ
盤石な政権によって、憲法改正は加速度的に進む
これから日本に待ち受ける最大の「国難」
日本経済改善の数字が示す「アベノミクス」の成功
景気回復は目に見える形で、あらゆるところに出現している
「いざなみ景気」と質を異にする「アベクロ景気」
デフレ経済を脱却し、本格的な「賃金上昇」時代を迎える
高齢者による雇用形態の変化が労働人口減少に歯止めをかける
女性を含めた潜在雇用で労働人口の水準は維持できる
安倍政権の安定化で、外国人投資家を信用させたピーター・タスカ氏
デフォルトを助長するだけの財政の黒字化
第2章 北朝鮮崩壊と中韓北同盟誕生で問われる日本の決断
「6回目の核実験」で、いよいよ最終段階に差し迫った北朝鮮問題
朝鮮半島のグランドデザインに、米中がそれぞれに描く思惑
いまや北朝鮮領空を自由に飛び回る米軍戦闘機
「チャイナ7」から親北朝鮮派が一掃され、臨戦態勢に入った中国
米が空を、中が地上を攻める電撃侵攻へのカウントダウン
ただちに対応しなければならない北朝鮮難民問題と工作員テロの防止
東アジア情勢を一変させる「韓国と北朝鮮の合邦」というシナリオ
朝鮮半島合邦後に在韓米軍は韓国から撤退するという米中の密約
もはや米にとって重要な国ではなくなった韓国
朝鮮半島の未来図に、いち早く韓国市場から撤退した外資系金融
南北合邦で必要な日本の援助資金は1兆円
北朝鮮核問題の最終結論は米中韓の核シェアリング
中韓北3国同盟成立で苦境に立たされる日本の決断
第3章 トランプ辞任への政変と米経済のブラックスワン
いまだ高官ポスト不在で国内の求心力が低下する米国
排外主義で当選したトランプの裏に存在した極右白人主義
米国でも画策されていた、安倍おろしに似た「トランプおろし」
トランプ大統領の鬼門となったロシアゲート事件
国民には無関係の人脈と金脈によってうごめく米政治社会
米国に存在する、大統領罷免の「合衆国憲法修正25条第4節」
レーガン政権の際に2回検討に至った「修正25条第4節」
大統領の精神疾患や人格障害をどこまで証明できるのか?
でっち上げの陰謀をマスコミ操作する反トランプ勢力
トランプおろしの首謀者は、側近ペンス副大統領によるクーデター
閣僚同士がトランプを追いやるための本気が見える「自殺協定」
トランプ公約がことごとく反故にされ、米経済は調整段階へ
共和党下院「フリーダム・コーカス」による米政策つぶしの行く末
ふたたび忍び寄る新サブプライムローンの再燃
第4章 世界のマーケットを突き進むしかない中国と共産党体制
あらためて再認識する必要がある中国崩壊論の是非
中国崩壊説はそもそも日本で生まれた中国のデフレ輸出
反日を利用して地位と権力と財産を得た中国共産党
社会主義神話の虚構をつづける中国の真の姿
法治国家として統治を進める習近平の腹づもり
法治はプロパガンダのいっぽう、国民生活が向上する中国に崩壊の芽はない
中国バブルの不良債権処理で浮上する2つのシナリオ
次世代IT技術の取り込みでビジネスを急進する中国経済の未来
世界のマーケットとして発展を止めることのできない「一帯一路」
日本同様、中国にも迫ってくる高齢化社会の罠
ルビコン川を渡った習近平の描く「中国の夢」は夢で終わる
第5章 これからもつづく世界の恐慌化── 欧州・中東・ロシア
メルケル4選、マクロン新政権で薄氷の上を歩く独仏
ECBのテーパリングで不安が高まる欧州銀行の不良債権問題
独仏銀が抱えるイタリア国債から警戒されるソブリンリスクの再燃
いまも恐怖の均衡の上で踊りつづけている欧州経済
原油安で、最大企業サウジアラムコが上場されない中東情勢の不安
サウジアラビアのソブリンファンド売却で懸念される世界同時株安
新エネルギー支配が始まり、脱原油経済を余儀なくされる中東諸国
脱原油経済への転換で起こる改革・再編への粛清の嵐
マイナス成長をつづけるロシアで、何も代わり映えのしない大統領選挙
老齢プーチン権力の終焉とロシア財政のひっ迫
「北方4島」はプーチン在任期間に実現できなければ永久に返還されない
第6章 日経平均3万円を超えていく長期上昇相場の到来
史上初の16連騰は、安倍政権の勝利を確信した外国人投資家の大量買い
高騰相場が予測される、突き抜けた「2万1000円の壁」
「晴れた日には4万円が見える」イールド・スプレッド指標が示す値
財政出動と金融政策の融合で、日銀が新たに保有する「永久国債」
「100年永久国債」発行で開かれる金融専門家会合
プライマリー・バランスの黒字化をやめるという財政政策の大転換
財政政策の本音が現れた、衆議院選挙勝利後の安倍発言
日本型の高圧経済の刺激策として見えるヘリコプターマネー
ヘリコプターマネーでも超インフレが起こらない理由
インフレ懸念よりも優先されるバランスシート最終調整とデフレ脱却
永久債での財政再建のアイデア「10年間に100兆円の新規財政出動」
消費税増税なしに加え、さらに日本国民が恩恵を受ける永久国債
ソロスチャートも示す、永久国債発行で進む円安
第7章 上昇相場の波に乗る強気の投資戦略
ブラックスワンが見えない恐慌化する世界で日本だけが1人勝ち
いまなお恐怖が支配する相場で有効な「ロングショート戦略」
ロングで考える日本企業の注目する分野
日本の産業技術を見据えたAI技術絡みの銘柄
上昇相場でもお勧めできない「ビットコイン投資」
付録……2018年、私の推奨銘柄
著者について
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国際エコノミスト。マネードクター。
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1935年東京生まれ。浦和高校、慶應義塾大学経済学部卒業後、山一證券入社。山一證券経済研究所、山一投資顧問を経て、日本債券信用銀行顧問に転職。「証券から銀行へのめずらしい転職」として脚光を浴びると、英国との合併会社である日債銀ガートモア会長、日債銀投資顧問専務、慶應義塾大学商学部講師、白鷗大学経営学部教授などを歴任。証券と銀行の両業務を経験、一貫して「情報」と「市場の資産運用」をつなげる仕事に携わる。
また、世界で初のヘッジファンドについての書籍を執筆、日本で初めてヘッジファンドを買った人物としても知られる。
TBS「サンデーモーニング」、テレビ朝日「サンデープロジェクト」、テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」などの番組で活躍、自身の名を冠した「今井澂の美女とヤジ馬」は好評を博し長寿番組に。現在も、講演を年間50回以上行うなど、活発に活動。公益財団法人年金シニアプラン総合研究機構理事、NPO法人金融知力普及協会理事を務める。
著書は『経済大動乱下!定年後の生活を守る方法』(中経出版)、『日本株「超」強気論』(毎日新聞社)、『米中の新冷戦時代漁夫の利を得る日本株』『2020の危機勝つ株・負ける株』『2021コロナ危機にチャンスをつかむ日本株』『日経平均4万円時代 最強株に投資せよ!』『2022 日本のゆくえ』(フォレスト出版)など多数。