取材をしていて、2021年はコロナショックに続く新たなる危機が迫ると聞いてゾクッとしましたが、コロナのほうはワクチン開発が進み、収束を見せるだろう、そして、IT関連で需要が高まる日本は株価が上昇していくと伺いホッとしました。新たなる危機とは、中国から発生する食糧危機。もしかしたらスーパーから小麦などが消える事態が、また訪れるかもしれません。とにかく日本の内外政が問われるところですが、菅政権は長期政権になるだろうとの予測。菅政権誕生を1年以上も前から予測していた著者の慧眼に、これからの政治にも期待できそうです。日本経済の新たな始まりは2021年ということになりそうですね。
POSTED BY稲川
バイデン新大統領による米国・日本の経済の行方をいち早く解説
2020年のアメリカ大統領選は、郵便投票の開票など、さまざまな疑惑を抱えながらも
バイデン氏が当選しました。
氏の掲げる増税案に、アメリカのリセッションが始まると言われていますが、
日本の株価にどのような影響を与えるのでしょうか?
本書では、世界経済、日本経済の行方をいち早く解説しています。
・米中のIT覇権争いで、GAFAはどうなっていくのか?
・米国バイデンの対中国戦略は?
・バークシャー・ハサウェイは、なぜ日本の商社株を買っているのか?
・ジョージ・ソロスが永久債発行を提言した理由は?
・アメリカが経済を底上げするための喫緊の課題とは?
・バイデノミクスでトランプ支持層はどうなるのか?
いっぽう、米国に先行して新たな舵取りを始めた菅政権。
日本経済の行方をうらなう政治の推進力はどうなのでしょうか。
1年以上前から、「ポスト安倍は菅義偉氏」と予測していた著者が、
これからの日本の課題とともに詳述していきます。
・菅総理の政治力に日本は期待していいのか?
・新設したデジタル庁の重要な意味とは?
・菅政権は地銀の再編、中小企業の再編を目指すのか?
・新紙幣発行による真の目論見とは?
・懸念される菅外交の切り札とは?
バイデンと菅の新勢力による日米関係はどうなっていくのでしょうか。
そして2021年、日本経済はランディングできるのでしょうか。
本書では、さまざまな視点から投資に役立つシナリオを開陳していきます。
2021年、コロナに代わる新たなる危機とは?
ワクチン開発でコロナ終焉を迎える歓迎ムードで、日本の株式市場も賑わいを見せています。
しかし、新たなる危機の火種は世界中に存在しています。
その最たる出来事が現在、中国に発生しているバッタ被害です。
中国は世界各国からの食糧輸入に動いていますが、
2021年は、この食糧危機が勃発する可能性が出現しています。
もし、世界で食糧危機が発生すれば、
コロナで日本のスーパーから小麦が消えたように、
再び同じ事態が発生するかもしれません。
また、すでに決定しているドイツのメルケル首相の退陣による
EU諸国の行方や、石油価格下落によるサウジアラビアの政争、
韓国などアジア諸国における経済危機によるアジア通貨危機の再燃など、
いつどこでブラックスワンが起きかねない状況が続きます。
では、日本はどうなるのか。
新たなる風を吹かせることができるのか。
本書のタイトルのように、日本株はチャンスをつかむことができるのか。
ガラガラポンでまったく変わってしまった2020年。
今後の日本経済、株式市場の変化をとらえるための必見の1冊です。
目次
第1章 2021年、コロナに続く新たなシナリオ●コロナ後に現れる世界を揺るがす食糧危機
2021年末まで新型コロナの影響は収まらない
中国の食糧危機が世界的な飢餓を引き起こす
習近平主席が「食べ残し禁止」を打ち出した理由
中国に重くのしかかる食糧安保
中国の食糧買い付けで世界の食糧輸出規制が始まる
食糧危機で日本も店頭から食品が消える
食糧危機は確実に株価に影響する
●脚光を浴びるESG投資は信用できる投資なのか?
国連で採択され人気を高めたESG投資
アメリカの規則案で雲行きが怪しくなったESG投資
●世界・日本のIT企業が株式相場の行方をうらなう
ソフトバンクグループは上場廃止をするのか
バークシャー・ハサウェイとまったく異なるソフトバンクの体質
2度目のアップルショックが発生する
●世界で浮上する超長期国債発行が株価を押し上げる
永久債発行を提言したジョージ・ソロス
アメリカ、そして日本も超長期債を発行する
超長期債発行で44兆円のタンス預金が引き出される
第2章 コロナショックを乗り越える日本経済
●バブル期とは様相が異なる新型コロナ禍の日本経済
株価と地価を押し上げたバブル経済のメカニズム
バブル崩壊で巨額の不良債権に見舞われた銀行・不動産・商社
7業種関連株はワクチン効果に期待
給付金支給でIT化の遅れが露呈した日本
●日本経済の屋台骨が混迷するなか次世代産業が熾烈化する
将来ビジョンの見えない日産自動車が抱えるゴーンの負債
三菱自動車は再びグループに助けられる
28年ぶりのNTTとドコモの一体化のメリット
●コロナショックがもたらした最大の危機とチャンス
巨額の資金投入でインフレは起きるのか
コロナ終焉から再び企業は回復基調に
コロナショックで雇用も企業も変化する
本業以外の事業が生まれる時代の扉
●次世代産業のイノベーションを担う5G世界の幕開け
5Gがさまざまな産業でイノベーションを起こしていく
コロナ禍で急成長する動画配信サービス
5Gで映画館がいらなくなる
ライブとオンラインライブが共存する時代に
テレビや新聞を駆逐する5Gの脅威
第3章 バイデン大統領とアメリカの舵取り
●接戦の大統領選を制し新たに手綱を握るバイデン
絶滅危惧種の政治家、バイデン大統領
トランプの裁判闘争と大統領就任式
株価を下落させるバイデンの大増税案
インフラの整備は米国の喫緊の課題
バイデノミクスによって中間層は貧しくなっていく
アメリカのマーケットはボックス相場になる
●利益を独占する巨大IT企業についにメスが入るのか
コロナ禍で利益を独占するGAFAへの反発
反トラスト法でGAFAは分割されるのか
●2021年は米中新冷戦が本格化する
なぜ米中の貿易戦争が覇権戦争へと切り替わったのか
中国の経済・産業戦略「中国製造2025」
米中新冷戦で急速に揺らぐグローバリズム
中国のスパイチップ侵入で米国の安全保障が危機に陥る
戦争はリアルではなくIT戦争にとって代わる
●米中の争いは国家の威信をかけた覇権戦争となる
米国の敵は中国ではなく共産党
台湾を中国から守る姿勢の米国
中国の米国債売りはどこまで本気か
第4章 菅新政権誕生で新たな風が吹く日本
●安倍政権下で活躍した菅首相の政治力
菅政権が長期政権を狙うさまざまな政策
抵抗勢力に打ち勝つ菅首相の改革マインド
経済産業省に比重を置いた人事を刷新した菅政権
●日本経済の膿にメスを入れる菅政権と日本の内政
菅内閣の目玉デジタル庁に期待されること
金融政策ではついに地銀の再編に着手する
日本経済を発展させるためには中小企業の再編も必須
新紙幣発行による政府の目論見
●菅政権が試される国際的な駆け引き
中国のサイバー攻撃にさらされた東証のシスタム・ダウン
米中の狭間に立たされる日本の外交を握る二階自民党幹事長
外交の切り札が菅政権の人気を不動にする日
第5章 世界秩序の激変が起こりかねない要因
●習近平降ろしの政争が続く揺れ動く中国共産党
中国の権力闘争で倒習運動が始まった
中国の人口が減少し続ける一人っ子政策の重いツケ
●中東情勢の鍵を握るサウジアラビアの混迷
原油価格暴落でも石油依存脱却ができないサウジ
王家分裂の危機が世界の混乱を招く
●EUを牽引し続けた独メルケル首相の功罪
政治的手腕を発揮したメルケル首相の2つの功績
ドイツ銀行とワイヤード、2つの負の遺産がもたらすもの
●通貨危機が再び懸念される東南アジアの経済
外貨準備高が少ない東南アジアの国々が抱える金融不安
韓国大統領の私邸購入資金疑惑という歴史の連鎖
韓国が外国企業を国有化してしまう恐怖
第6章 ポスト・コロナ時代の相場のウラ読み
●2020年代に日経平均は3万円を超えていく
株価は名目GDP成長率を見れば上昇は明白
日本人の知らない日本株の魅力
アメリカの基軸通貨は簡単には揺らがない
いざというときのために金は保有しておく
第7章 コロナ後の投資テクニック&2021年の注目銘柄
●グローバル視点で株を運用する時代がやってきた
ポスト・コロナ時代の投資テクニック
著者について
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国際エコノミスト。マネードクター。
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1935年東京生まれ。浦和高校、慶應義塾大学経済学部卒業後、山一證券入社。山一證券経済研究所、山一投資顧問を経て、日本債券信用銀行顧問に転職。「証券から銀行へのめずらしい転職」として脚光を浴びると、英国との合併会社である日債銀ガートモア会長、日債銀投資顧問専務、慶應義塾大学商学部講師、白鷗大学経営学部教授などを歴任。証券と銀行の両業務を経験、一貫して「情報」と「市場の資産運用」をつなげる仕事に携わる。
また、世界で初のヘッジファンドについての書籍を執筆、日本で初めてヘッジファンドを買った人物としても知られる。
TBS「サンデーモーニング」、テレビ朝日「サンデープロジェクト」、テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」などの番組で活躍、自身の名を冠した「今井澂の美女とヤジ馬」は好評を博し長寿番組に。現在も、講演を年間50回以上行うなど、活発に活動。公益財団法人年金シニアプラン総合研究機構理事、NPO法人金融知力普及協会理事を務める。
著書は『経済大動乱下!定年後の生活を守る方法』(中経出版)、『日本株「超」強気論』(毎日新聞社)、『米中の新冷戦時代漁夫の利を得る日本株』『2020の危機勝つ株・負ける株』『2021コロナ危機にチャンスをつかむ日本株』『日経平均4万円時代 最強株に投資せよ!』『2022 日本のゆくえ』(フォレスト出版)など多数。