OODAループは、常に変わり続ける状況に対応するための思考フレームです。
自分の世界観を持ち、その世界観をそのときの状況や相手の状態に合わせて、素早く更新しながら、考え、行動します。軍事でいえば「敵の戦闘意志」、ビジネスでいえば「相手(顧客やライバル企業)の思い」を探りながら、相手の心をどのような状態にするかを決めて動くことです。
OODAループでは、常に状況に合わせて、「みる」→「わかる」→「きめる」→「うごく」→「みなおす」というループを素早く回しつづけることで、常に最適な結果を得ることができるのです。そして、そのために「想定外」の事態が起きても、すぐに対応できるのです。
ちなみに、最近流行っている「リーンスタートアップ」や「デザイン思考」などのビジネス理論・手法の根底には、このOODAループの発想が活かされています。
今回は、OODAループをビジネスの現場に導入することを解説した日本初(もしかしたら世界初かもしれません!?)の入門書です。理論の紹介にとどまらず、著者が実際にビジネスの現場にOODAループを導入した事例を多数紹介しています。経営者、マネージャーの方にオススメです。
POSTED BY貝瀬
「想定外」の世界を生き抜くための戦略ツール
「OODAループ」の初めての入門書
米軍をはじめとする世界各国の軍隊、そして、シリコンバレーのIT企業をはじめとする世界の先端企業で採用されている世界最速の戦略ツール「OODAループ」をビジネスの現場に導入・応用するための初めての入門書です。日本型組織が陥りがちの12の症状を取り上げ、解決策として、OODAループによる組織の成功原則を紹介します
「OODAループ」を導入すれば、
意思決定のスピードと生産性が一気に上がる!
OODAループは、次のような問題を抱えている組織を「すぐ決まる組織」「自ら考える組織」に変えます!・経営幹部から末端の社員にいたるまで、他社の模倣や前例の踏襲しか頭にない
・計画作成、書類作成、決裁などに時間がかかって肝心の仕事に取り組めない
・完璧主義の気風があるため、どんな仕事をするにも非常に時間がかかる
・社内会議や資料作成など、社内向けの仕事に忙殺されている
・社内は身勝手な社員と指示待ち族ばかりになっている
・せっかく採用した優秀な若手社員が不公平な人事に嫌気がさして続々と辞めていく
もし、ご自分の会社がこのうちのどれか1つでも当てはまるようでしたら、ぜひ本書をご一読ください。きっとOODAループが問題を解決してくれます。
経営者、個人事業主からマネージャー、チームリーダーまで、組織の意思決定のスピードと生産性の向上を達成したい方にオススメです。
気になる本書の内容
本書の内容は以下のとおりです。はじめに ――想定外の世界をOODAループで乗り切る!
OODAループのターゲットは相手の「世界観」
「夢のビジョン」を共有することで組織は大きく変わる
自律分散型組織になることで生産性が大幅にアップ!
先行きの見えない世界は「VUCA」フレームで「見える化」する
OODAループは実際にどのように運用するのか?
第1章 想定外の事態に威力を発揮するOODAループ
【事例】自前主義の呪縛から抜け出し、生まれ変わった製造業R社
OODAループの真のターゲットは「顧客の感動」
OODAループのルーツは『孫子の兵法』と『五輪書』
実は、PDCAを発明したのは日本人だった!?
OODAループとPDCAサイクルの併用で「鬼に金棒」
なぜ「日本企業には戦略がない」と言われるのか?
「リーンスタートアップ」や「デザイン思考」はOODAループから生まれた
第2章 「世界観·VSA」を全員で共有することで、組織は大きく飛躍する!
【事例】VSAを共有したスタッフ主導の改革で、高かった離職率がほぼゼロに!
直観力を駆使して瞬時に決める!
直観力は鍛錬することで、誰でも身につけることができる
人間のすべての思考と行動のベースとなる「世界観・VSA」
V(夢のビジョン:Vision)~自分や組織は何を実現したいのか
「夢のビジョン」に関係ない仕事はすべてムダ
S(戦略:Strategy)~組織全体で戦略を共有することで成果が生まれる
A(行動方針:Activities Directions)~瞬時に動けるように準備しておく
M(メンタルモデルと感情:Mental Models and Feelings)~常に固定観念を見直して、頭の中を更新する
「夢のビジョン(V)」はOODAループの大前提
大手消費財メーカーC社の事例で見る「VSA+M」の作り方
シリコンバレーのベンチャー企業は「夢のビジョン」で資金を集めている
「夢のビジョン」さえあれば、「計画」なんていらない!?
弓道の「正射必中」に通じる「世界観・VSA」
数値目標管理だけでは組織は傷つく~KPI、バランストスコアカードの弊害
想定外の世界「VUCA」にはVSAを見直すことで対応する
【事例】自動車部品メーカーでの不具合発生とOODAループによる対応
VUCAにおける「想定外」の4つのレベルとその対応
「世界観・VSA」を判断基準にした場合のOODAループの使い方
第3章 「自ら考える」モチベーションの高い組織を作る「人事制度:GDPR」
【危険!】「組織の殺し屋」はこんなヤツだ!?
組織を崩壊させるためのCIAスパイマニュアル
OODAループとVSAを実践する「自ら考える組織」
目標を設定して、組織全体でVSAを共有することが「権限委譲」が進む
「行動方針」とKPIを利用した主体的な目標設定により、全員が一丸となる
確実に効果が出る「1 on 1ミーティング」の進め方
「能力やスキル」よりも、「夢のビジョン」への貢献度を評価する
不公平な人事評価を一掃する「ラウンドテーブル」評価
適切な育成プログラムにより、後継者の直観力をきたえる
「GDPRは永遠にやる」という姿勢を見せることが重要
GDPRは目標設定から褒賞・昇進までシームレスに運用する
第4章 組織の生産性を劇的に上げる付加価値ベンチマーキング「PMQIR」
【事例】PMQIRを導入して生産性を劇的に上げた大手機械メーカー
PMQIRの導入により、3カ月で20パーセント以上の生産性向上を実現
「ファネル管理」とタイムアロケーションで仕事を「見える化」する
ムダな仕事をやめただけで、顧客付加価値の比率が12ポイントも上昇
PMQIRを導入すると、「ムダな仕事」が一目瞭然になる
「働き方改革」よりもPMQIRとGDPRを導入するべき
第5章 日本型組織の12の症状、OODAループによる組織の成功原則
日本型組織が抱える問題は、すべてOODAループで解決する!
【日本型組織の症状その1】
競合他社の真似や、前例の踏襲ばかりに目がいっていませんか?
【成功原則その1】「みる:認知の原則」
【日本型組織の症状その2】
内向きの数値目標管理(KPI)を設定してPDCAを回すだけで結果を出そうとしていませんか? 顧客の心を動かすような仕事ができていますか?
【成功原則その2】「わかる:世界観の原則」
【日本型組織の症状その3】
完璧な仕事をすることを優先して、時間は二の次になっていませんか?
【成功原則その3】「俊敏:脱完璧の原則」
【日本型組織の症状その4】
どのような状況を実現したいか目的が曖昧ではありませんか? 全員から「夢のビジョン」に合意、共感、共鳴を得られていますか?
【成功原則その4】「夢のビジョン:効果起点の原則」
【日本型組織の症状その5】
どんなときでもマニュアル通りの行動を求められる状況になっていませんか? 時間をかけて作った計画、あるいは上層部が作成したマニュアル、手続きや計画にとらわれて、本来の目的を見失っていませんか?
【成功原則その5】「戦略:脱形式・脱形骸化の原則」
【日本型組織の症状その6】
社内向けの仕事に忙殺され、顧客価値の向上を忘れていませんか?
【成功原則その6】「行動方針:価値向上・ムダとりの原則」
【日本型組織の症状その7】
社員は空気を読んで忖度ばかりしていて、「顧客を感動させる」という目標を忘れていませんか?
【成功原則その7】「心・感情:脱固定観念の原則」
【日本型組織の症状その8】
社内は指示待ち族ばかりではありませんか? 自分の評価を高くしてもらおうといった利己的な風潮を助長するような社内の評価制度になっていませんか?
【成功原則その8】「主体性:自律分散の原則」
【日本型組織の症状その9】
社員全員が「自分だけが評価されればいい」といった身勝手な風潮になっていませんか?
【成功原則その9】「チーム:自他非分離の原則」
【日本型組織の症状その10】
情報の収集や分析に延々と時間がかかって意思決定ができなかったり、タイミングを逃していたりしていませんか?
【成功原則その10】「きめる:直観の原則」
【日本型組織の症状その11】
机上の空論や社内会議ばかりで、経営陣と現場の気持ちがバラバラになっていませんか? 営業の現場と開発部門が対立していませんか? また、マニュアルに載っていないことが起こると、迷って行動できないことはありませんか?
【成功原則その11】「うごく:検証・鍛錬の原則」
【日本型組織の症状その12】
振り返りをすると、できないことの反省ばかりでマイナス思考になっていませんか? 計画に固執していませんか? 後ろ向きの責任追及ばかりになっていませんか?
【成功原則その12】「みなおす:ダブルループ学習の原則」
著者について
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アイ&カンパニー・ジャパン代表 経営コンサルタント、経営者 米国において、シスコ本社の戦略担当部門マネージングディレクターとしてエコシステムの構築をグローバルで指揮。
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帰国後は、外資系戦略コンサルティングファームの日本・アジア代表を歴任。PwCコンサルティングにおいては、アンダーセンとKPMG統合を行い、1000人規模のコンサルティングファームの構築を統括。また、アーンスト&ヤングコンサルティングにおいては、赤字だった日本法人を1年で世界最高の利益率を誇る事業に転換。
現在は、コンサルティングファーム「アイ&カンパニー・ジャパン」の代表として、2000年代半ばから、OODAループをはじめとする全体最適&自律分散の先進的な経営モデルの提言と導入を主導。これまでにのべ1万人以上がOODAループを体験し、すべての導入企業が生産性の劇的かつ持続的な向上を実現している。
主なクライアントは、トヨタ自動車、日立製作所、GE(ゼネラル・エレクトリック)、NTTをはじめIT、ハイテク、消費財などの日米の各業界を代表する企業。