8万部のロングセラー『情報正しく選択するための認知バイアス事典』の待望の続編です。今回は「行動経済学」「統計学」「情報学」という3つの分野から認知バイアスにアプローチしました。金銭的に、あるいはビジネスにおいて「具体的に、自分に損させる」認知バイアスがたくあります。「あの選択は間違っていたんだ!」「この感じ、あるある!」と膝を打つこと間違いなし。本書で解説されている60の認知バイアスを知っているかどうかで、ビジネスや人生の結果が大きく変わることでしょう。前作とあわせて、ぜひ心の不思議な動きを探ってみましょう。
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「行動経済学」「統計学」「情報学」の3つの研究分野からアプローチ。
合計60の認知バイアスを解説します。
なぜか人間に実装されている脳のバグとも言うべき「認知バイアス」。本書では、「行動経済学」「統計学」「情報学」の3つの研究分野からアプローチし、計60の認知バイアスを豊富な図版とイラストを用いて解説します。
「認知バイアス」という言葉自体、難しく感じるかもしれませんが、実は以下のような場面において私たちの日常へ小さくない影響を与えています。
●合理的に決断していたのに、期待とは逆の結果になってしまう。
●いつもなら絶対にしないようなギャンブルに魅力を感じてしまう。
●ついつい無駄遣いをしてしまい、なかなか貯蓄できない。
●上司のちゃぶ台返しに右往左往させられている。
個人のことだけではありません。
カルト・陰謀論・詐欺・差別・分断・誹謗中傷……などの諸問題、そして世の中のわけのわからない判断やミスリードは、本書に記されている60のバイアスのどれか、あるいはその組み合わせによって生まれていると言っても過言ではありません。
認知バイアス対策は、まずはどんな認知バイアスがあるかを知ること。
その手助けをするのが本書の役割です。
思っているほど、あなたは賢くないし、あなた以外は愚かじゃない。
本書で解説されているいくつかの認知バイアスによると、人は自分の能力を過大評価し、他人の評価を過小評価する傾向が強いことがわかっています。つまり、「自分は騙されない」「正しく世の中を見ている」と自信がある人は、自分が騙されたり、間違っている可能性があることに、もっと自覚的になるべきということです。
一方、「マスゴミの偏向報道に騙されるな」「子どもの教育に良くない」と心配するまでもなく、ほとんどの人は理性的に情報を受け取っていると考えられます。
今、こうした前提を顧みない独善的な言説が目立っていないでしょうか。
社会を正しく見るためにも、私たちは自分や他人へはもちろん、情報や知に対する謙虚さを取り戻すべきなのでしょう。
そのことを、きっと本書の60の認知バイアスが私たちに教えてくれます。
目次
監修者まえがき ―「認知バイアス」を理解して「騙し」に打ち勝つ!第Ⅰ部 認知バイアスへの行動経済学的アプローチ
01 アンカリング/02 サンクコストの誤謬/03 メンタルアカウンティング/04 自信過剰/
05 ピア効果/06 後知恵バイアス/07 現在バイアス/08 損失回避性/
09 確実性効果/10 社会規範/11 フレーミング効果/12 選択肢過剰/
13 ピークエンドの法則/14 極端性の回避/15 ハウスマネー効果/16 符号効果/
17 デフォルト効果/18 無料の力/19 貨幣錯覚/20 確率加重関数
第Ⅱ部 認知バイアスへの統計学的アプローチ
01 平均による誤謬/02 アンスコムの数値例/03 棒グラフの誤用/04 折れ線グラフの誤用/
05 3Dグラフの誤用/06 絵グラフの誤用/07 標本の偏り/08 自己選択バイアス/
09 健康労働者効果/10 バークソン・バイアス/11 集団間比較の誤謬/12 シンプソン・パラドックス/
13 時系列比較の誤謬/14 回帰の誤謬/15 少数の法則/16 有意差の誤謬/
17 検定の多重性/18 モンティ・ホール問題/19 基準率の無視/20 検察官の誤謬
第Ⅲ部 認知バイアスへの情報学的アプローチ
01 利用可能性ヒューリスティック/02 生存者バイアス/03 限定合理性/04 ウーズル効果/
05 グーグル効果/06 第三者効果/07 敵対的メディア認知/08 意地悪世界症候群/
09 どこでも効果/10 クラスター錯視/11 カテゴリーサイズバイアス/12 単位バイアス/
13 比率バイアス/14 目立ちバイアス/15 理解レベル効果/16 回答バイアス/
17 ナンセンスな数式効果/18 計測効果/19 観察者効果/20 素朴実在論
著者について
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「情報文化論および関連諸領域に関する研究の推進と交流」を目的として1996年に発足した情報文化研究会を基盤に2018年に設立。新進気鋭の研究者や多彩な分野で活躍している社会人も幅広く所属し、活発な議論や提言を行っている。所長は、高橋昌一郎。
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本書を執筆した情報文化研究所所属の研究者3人の現職と研究テーマは、次のとおりである。
米田紘康(第Ⅰ部執筆)
桃山学院大学准教授。専門は行動経済学、神経経済学。人間が不確実性な状況におかれたとき、どのように意思決定するのかを研究している。また行動経済学を社会実装し、問題解決に貢献するナッジに関心がある。
竹村祐亮(第Ⅱ部執筆)
同志社大学特別研究員。専門は空間統計学。ある疾病による死亡といった事象が周囲と比べて多く発生する地域(ホットスポット)を特定するための手法を研究テーマとしている。
石井慶子(第Ⅲ部執筆)
青山学院大学助教。専門は熱流体工学、可視化計測など。未利用熱のリサイクル法や、熱物質輸送に興味があり、持続可能・省エネルギーなものづくり技術の開発を目指している。
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1959年生まれ。國學院大學教授。専門は、論理学・科学哲学。主要著書に『理性の限界』『知性の限界』『感性の限界』『フォン・ノイマンの哲学』『ゲーデルの哲学』(以上、講談社現代新書)、『20世紀論争史』『自己分析論』『反オカルト論』(以上、光文社新書)、『愛の論理学』(角川新書)、『東大生の論理』(ちくま新書)、『小林秀雄の哲学』(朝日新書)、『哲学ディベート』(NHKブックス)、『ノイマン・ゲーデル・チューリング』(筑摩選書)、『科学哲学のすすめ』(丸善)などがある。情報文化研究所所長、Japan Skeptics副会長。
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