数年前からたびたび話題に上がっていたアメリカ発のD2C(Direct to Consumer)。日本でも成功事例が出始め、コロナ禍になって、いよいよ本格化しました。ステイホームになって、ECサイトやSNSを通じて顧客とダイレクトに向き合って販売するD2Cが伸長するのは明らか。しかしながら、その本質がよくわからない部分もありました。そこで本書はそうしたモヤモヤを払拭すべく、すべて「国内事例」でまとめたD2Cの入門書です。
POSTED BY寺崎
D2Cという新たなビジネスモデルを解剖する!
「最近、D2Cって言葉をよく聞くけど、これまでの通販と何が違うの?」「D2Cってブランディングとかの難しい話でしょ」
「製造直販という言葉を英語で言い換えただけ」
本書はこのように考えるあなたに「D2Cとは誰にでもできる〝新しい売り方?だ」とご理解いただくための本です。
話題のD2C(Direct to Consumer)という新しい売り方は今も変化をし続けています。D2Cモデルで語られる「ネット通販への応用」は第一波にすぎません。D2Cはすべての経済活動のモデルになると言われています。本書はネット通販を主題としていますが、ぜひご自身の業界の話として読んでみてください。
ところで、近年オープンするネットストアに、ある傾向が顕著になってきました。それは「売れるストアは、オープン前から売り切れている」ことです。これらのストアも表面だけ見ると、「あらかじめインフルエンサーが紹介したから」「ネットで話題になったから」と考えられがちですが、ネットで非常に大きく話題になった商品でも、全く売れないケースは数多く存在します。
そんななか、成功する企業群に名前が付きました。
それが「D2C」です。
すべて「国内事例」のためイメージが沸きやすい!
ところが、D2Cは英単語での認知が確定したため、「自分たちでもすぐできる簡単な方法」ではなく、「どこか小難しいブランディング方法」「(一部では)そもそも意味がないバズワード」として考えられがちでした。そこで本書では、多くのD2C企業を一歩抜け、新たな体験や価値を創出し続ける話題のブランド4社にロングインタビューを行い、成功のポイントはどこにあったのか、非常に濃い内容の取材を行いました。
彼らが培った生々しい現場の経験と知恵の数々は、本書の目玉といえます。
第2章以降では、そんなD2Cをひも解き、これまでの売り方と何が違うのかという点から始まり、強いD2Cブランドの具体的な作り方まで解説をしていきます。
D2Cはもともと米国発。しかしながら、米国と日本は商習慣も背景もまったく異なります。本書はすべて「国内事例」なので、ご自身のビジネスに落とし込む際のイメージが沸きやすく、参考になるポイントが満載なのが最大の特徴です。
D2Cは新しい売り方ですが、全てが目新しいものではありません。多くの施策は昔からあるものの改善や、それをインターネット上で実現したものが多いです。
ところが、なぜいま改めてD2C的な売り方が浸透しているのでしょうか。
それは「消費者の動向・志向」が変わったからです。新しい売り方が浸透すると同時に、アパレル業界など、これまでと同じ売り方をしている企業が苦境に立たされる時代が到来しました。
この新しいビジネスの波に乗るか、それとも傍観者でいるか。
それはあなた次第です。
本書の目次
第1章 |ロングインタビュー|躍進するD2Cブランドの舞台裏小柄女子の救世主ブランド「COHINA」
台湾発のライフスタイルブランド「DAYLILY」
ファンの熱狂が支える筋トレブランド「VALX」
菌に着目したヘルスケアブランド「KINS」
第2章 「D2C」とは?
「通販の言い方が変わっただけ」と思っていませんか?
D2Cと既存のビジネスの違いを明らかにする
あなたは「クルマ」を売るのか、「幸せ」を売るのか
すべての消費活動は「D2C化」していく
第3章 海外で本格化するD2Cの波がやってきた
コロナ禍で存亡の危機に立たされるアパレル企業
D2C戦国時代に入った日本の「モノづくり」の世界
パーソナライズ商品はD2Cと相性がいい
圧倒的プロダクトで勝負する戦略
第4章 これからチャレンジするならD2C
D2Cにチャレンジすべき5つのメリット
D2Cモデルでの起業を成功させるのが難しいポイント
ゼロから立ち上げるのではなく、既存商品を活かしてD2C化する
【事例】D2Cシャンプーといえば「BOTANIST」の理由
第5章 成功するD2C企業の作り方
最強なD2C企業を作るための8つのメソッド
負けないD2Cブランドを作るための具体的な施策
著者について
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デザインエンジニア/IT 事業創造コンサルタント
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株式会社フルバランス代表取締役
Shopify 公認エキスパート
滋賀県出身。慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科卒(メディアデザイン学修士)。20代より、IoTの先駆けとなったセンサー技術を活用したインタラクティブなコミュニケーション技法を提唱。現在のFinTechの予兆を捉えた金融システムサービスや、OS向けドライバー開発などの技術開発に携わるなど、インターネットの黎明期から頭角を現す。2002年、公共放送系のテレビ制作会社にて最高技術責任者に就任。同社にて、デジタル放送コンテンツ、テレビ番組連動型コミュニティサイト、大手飲食店チェーンのシステム開発やサーバー設計に携わった。現在は自社にてシステムインテグレーション事業を拡大。ECサイト構築ほかEコマース事業を推進するとともに、早稲田大学政治経済学術院招聘研究員を兼務。データサイエンティストとしてソーシャルメディアから得られるビッグデータ解析をもとに社会動向を分析する研究に参画。次世代ECを推進するD2C企業へのサポート業務として中小企業から大手企業まで、幅広くコンサルティングなどに尽力。Shopifyエキスパートとして、各種講演、ネットストアの企画・制作事業、Shopify独自・公式アプリ開発を進めている。日本ルエダ協会理事。 著書『商品売るならShopify』(フォレスト出版)。
株式会社フルバランス
https://fbl.jp/