商工ローンバッシングが大々的に始まる半年ほど前の1999年1月14日。
英国の経済紙「フィナンシャル・タイムズ」は商工ファンドの創業社長、大島健伸について好意的な長文の記事を掲載した。
それは、銀行が軽視したニッチ金融市場に着目し、大成功した大島に対する好意と敬意を表するものであり、多くの外国人投資家の意見を代表するものだった。しかし、記事のなかで大島は半年後の事態を予見するかのごとく語った。
「日本人はディケンズの書いた『クリスマス・キャロル』のスクルージのような悪人であると、私のことを思っているのです」と。
そして、金融ビッグバンが流行語となり、日本の金融がグローバルスタンダードに対応しなければならないと叫ばれている最中、バッシングは始まった。
(帯より)
●もくじ
プロローグ 栄誉と軽侮
第1章 礎石――1960~70年代
第2章 勃興――1980年代
第3章 最前線
第4章 興隆――1990年代
第5章 試練――1999~2000年
エピローグ 愉快なる資本主義
●編集担当者より一言
弊社初の本格的なノンフィクションです。「商工ファンド」というモチーフはあくまでもきっかけであり、現代日本社会の問題点を描き出すことが目的です。荒削りな部分も残っているかもしれませんが、読んでくださった方の心に、一石を投じられれば嬉しいです。
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