なぜ、会計を学んだのに使えないのか?
本書のページに来ていただき、ありがとうございます。突然ですが、本書は、経営者、銀行員、税理士さん、
経理担当の方に向けて書きました。
それ以外の方は、ここから先は読んでも専門的な領域かもしれません。
というのも、私が本書を書こうと思った理由は、
会計コンサルタントをやっている中で、
「どうして、会計を学んだのに実際に使えないのでしょうか…?」
という悩みを本当によく聞き、その声に答えようと思ったからなのです。
よくよく考えてみると、
会社運営やお金のプロフェッショナル達が
「会計を勉強したけどあの会社の資金繰りはわからない…」
「自分が融資した会社の倒産を見抜けなかった…」
などという話は、おかしな話だと思いませんか?
それでも実際に、銀行員が見抜けずに会社が倒産してしまうこともあります。
それはつまり、
会社が本当はどのような状態であるかを、
銀行員は知らない!
からなのです。
厳密に言うと、
彼らは教科書で学ぶような『キレイな決算書』は知っています。
ですが、中小企業の決算書は『キタナイ決算書』だらけなのです!
決算の終わり(3月)と始まり(4月)こそ、決算書と向き合うチャンス!!
経営者、銀行員、税理士さん、経理担当の方々皆さんは日々、多忙な業務に追われる中
「決算の時期か、しっかりやらなくては…でもよくわからないし、まあいいか…」
毎年この春の時期を、そのような気持ちで過ごしてませんか?
ちょっと待って下さい。
決算の春こそが、決算書と向き合う1年に1度きりのチャンスなのです!
たとえ教科書のような『キレイな決算書』でなくとも、
『キタナイ決算書』だとしても中身が理解できれば、
この時期であれば、
会計の知識を使い、資金繰りや経営など、やれることは格段に多くなってくるのです!!
本書では、
- 中小企業の決算書の読み方・作り方(「『キタナイ決算書』をどう読むのか」など)
- 「別表」「内訳書」の読み方(「結構重要なのに、どの本にも書いてない理由」など)
- 賢いお金の借り方・返し方(「返せないとわかって借りる方」など)
- 「キャッシュフロー・マトリクス」(「誰でも簡単に決算書が読めるようになる」など)
- 中小企業の「決算書の闇」(「粉飾だらけの決算書の理由」など)
- 中小企業会計の常識・非常識(「これだけ知っていれば十分な会計知識」など)
以上の内容で、『キタナイ決算書』でも会計を使える状態を目指します。
もしも、あなたが経営者であったり、銀行員、税理士さん、
経理担当だったら、いつも見ている決算書に対する見え方が変わるでしょう。
『キレイな決算書』が読めれば『キタナイ決算書』も読めるはずです。
ぜひ、決算書を片手に、本書を手に取って下さい。
著者について
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“借りる技術・返す技術”を指南する資金繰りコンサルタントとしてのキャリアは20年以上。主に中小企業経営者の立場に立った実践的なコンサルティングが好評。相談に応じた企業数は2100社を超し、銀行から引っ張った融資総額は150億円以上。ほとんどのクライアントが債務超過の、資金繰りに悩む企業であるにもかかわらず、これまで倒産した企業はわずかに1社。
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バブル景気真っ只中の1980年代を通して金融機関の融資係を務め、1989年、日経平均株価が史上最高値をつけた日を最後に税理士事務所に転職。税理士事務所では、バブル崩壊後となる1990年代の大半を資金繰りコンサルティング業務に専任。銀行対策を得意とし、年商1000万円から40億円までの幅広い企業のコンサルティングをはじめ、M&Aなども担当。2001年末にコンサルタントとして独立した。
2006年発売の『なぜ、社長のベンツは4ドアなのか?』(フォレスト出版)はシリーズ累計70万部を突破する大ベストセラーに。「お金」の専門家として、実例をもとにした生々しくも親しみやすい内容と文体に、税理士や銀行員といったお金のプロから、経営者、経理担当者、一般のビジネスマンから主婦まで、幅広い読者をもつ。