誠実な方法で3秒で顧客の心をつかむ

マーケティングがこの社会に害悪を及ぼしていると主張する人々がいる。マーケティングを職業とする人たちは、モノを売る最も簡便な方法は、人間の根源的な欲求を満たし、あるいはそれを希求するように人の心理をうまく操ることである、ということを少しずつ見抜いていった。

一例を挙げれば、ある商品がなぜ必要かということを論理的に説明することなしに、その商品を持つことでさらなる幸せが買える、または異性を引きつけることができる、と感情に訴えることによって購買に結びつける、という考えがある。

これはマーケティングの持つ、消費者を論理よりも感情によって操作しようとする、数多くあるトリックの1つだ。
そういったマーケティング活動により、人々は不要不急の、時には害悪さえ及ぼすモノに囲まれ、負債を増やしていった。

それは経済の面だけにとどまるものではない。消費者の人間としての価値まで貶めることにもつながっている。

もしあなたが、この世界は浅薄で利己的で物質的で欲望に満ちていて、それらこそが大切な価値観であるというメッセージを毎日繰り返し聞かされていたとしよう。「いいや、人間としての価値はそんなところにはない」と訴えることは至難の業であるはずだ。
よって本書は、そんな過去のマーケティングの反証たることを心掛けて書き下ろされた。

私はどんなビジネスも真摯でありながら、しかも高い利益を達成できるということを衷心から信じている。その思いから、私は消費者が浅はかで不誠実なマーケティングの犠牲にならぬことと、ビジネスをされている方がそういった過去のやり方に拘泥せずに成功する方法を啓蒙するために本書を書いた。

このまま人々の負債が増えるにつれ、またインターネットなどにより情報の取得が格段に容易になるにつれ、人々の今までのマーケティングに対する疑念は高まっていくと予想する。そしてその憤りから、自ら情報を取りにいく消費者がその数を増やすことで、今までのマーケティングのやり方は急速にその力を失っていくはずである。

そんな過去のやり方をしていた会社は早晩、ほかのやり方を模索せずにはいられなくなる。

この本では、その「ほかのやり方」を提示していく。それはいくつもある、と言っているのではない。ここで示されたやり方のみが、それだと言っているのである。

じつはこのやり方は、今までも何百のマーケティングの専門家によりその効果が証明されてきた。このやり方を実践することにより、文字通り3秒で顧客の心をつかむことができ、どんな商談でも成功裏に終わらせることができるのだ。

しかし、問題は、そのやり方に今まで適当なネーミングが与えられなかったということだ。

私はこれを「圧倒的なウリ」と名づけた。

これから読者が読むであろうページの隅々にまでこの方法論を分解・分析し、どなたでも自分のビジネスに応用でき、素晴らしい成功をすぐに上げられるようにした。

本書こそ、新たなる生活様式の時代を生き延びるためのサバイバルガイドになると信じている。

セールスに携わる人のみならず、すべてのビジネスパーソン、すべての人に読んでいただきたい。
巻末に掲載されている付録を読めば、私の言っていることを納得いただけると思う。
ぜひ、この本を倫理的に活用しようと思われるすべての方にお読みいただき、信じがたいほどの成功を収めることをお祈りしている。

マーク・ジョイナー