『疲れがとれないのは副腎が9割』(フォレスト2545新書)では、お疲れのビジネスパーソンに向けて本当の疲れの原因を解明、本書はさらに発展し、免疫力を上げて病気にならないようにする方法について360度の角度からまとめました。著者の御川先生は、医療と医学に関しては博覧強記、真のウェルビーングを追求するドクター。本書はコロナ禍から何度も打ち合わせを重ね、ようやく形になりました。これ以上は削れないというエッセンスを集めた結果、かなり存在感のある書籍となっています。一般の方から医療従事者まで手に取っていただけると思います。
POSTED BY水原
「普通の免疫」を維持しよう
2019年に始まった新型コロナ感染症(SARS-CoV-2/COVID-19)以降、これほど、「免疫」という言葉が注目された時代はないでしょう。人類を悩ませるのは、新型コロナウィルスだけではありません。既存の症状である花粉症、アレルギー症状、インフルエンザ、そして今後は未知の因子が現れる可能性があります。数年後(10年以内)には次のパンデミックが来ると予想できます。
しかし、こうした外部の要因に、私たちはなすすべがないわけではありません。極論すれば、ウイルスや花粉は悪者でもなければ、病気やアレルギーの原因でもないのです。それらが、ヒトにとっての「本当の敵なのかどうかを判別する能力」=「免疫力」の低下が問題なのです。つまり、問題は外にあるのではなく、自分自身の身体にあります。
はっきり言えるのは、現代人は免疫力が低下しているということ。そんな現代人にとって、「免疫を高めるのが良い」と言われますが、まずは「普通の免疫状態」でいること、これが大切です。
そして自分で免疫をコントロールし、「普通の免疫」を維持することで、必ずしも医療のお世話にならずとも、健康に、自分らしく生きていくことができるのです。
長年、救急医療の現場で、事故や病気で運ばれてくる、生命の瀬戸際の患者さんを処置し、悲惨な状況に追い込まれる場面も数え切れないくらい見てきた著者。「免疫」の重要性を嫌と言うほど思い知らされ、かつ、標準医療(日本の保険診療)のなかで免疫をコントロールする難しさも痛感してきました。
そういった経緯もあり、救急医療の助けが必要な人を減らし、人が本来持っている自己回復力(病気にならない力)を高める、そして免疫力を高めるための医療を模索。オリジナルのハイブリッド栄養医学®を構築し、病気の予防、免疫の機能を高め維持するため研究し、その実践方法をA からZの事典風資料「免疫A to Z®」としてまとめました。
なんとなくわかったようでわからない「免疫」について、今こそ知ってほしいのです。
本書の目次
Part.1 「免疫」とは何だろう?「免疫」とは何だろう?
そもそも人はなぜ病気になるのか?
免疫システムとは免疫3兄弟TM「防御」「攻撃」「制御」
【粘膜免疫=防御】
【全身免疫=攻撃】
【免疫制御=制御】
「免疫を上げる」とはどういうこと?
清潔すぎる社会が免疫システムのバランスを崩す
正常な免疫システムのすごい力
大切なのは神経質になりすぎないこと
Part.2 免疫 A to Z®
A
ビタミンA〈天然型〉
IgA抗体
アルコール
不安と怒り
アシュワガンダ
大気汚染、空気汚染
オートファジー
B
ビタミンB群
入浴
C
ビタミンC
コラム1 ステロイドが免疫を高める!?
クルクミン
CBD
D
ビタミンD
DHA EPA
コラム2 適度に必要なアラキドン酸(オメガ6脂肪酸)
E
エキナセア エルダーベリー
EGCG
F
疲労
腸内細菌叢、食物繊維
コラム3 腸内フローラ移植(便移植)と腸内環境
食べ物
G
うがい
グルタミン
グルタチオン
GSE
H
湿度
水分補給
水素
I
免疫
屋内
不確かな情報の伝染
自然の中で
ヨウ素、ヨード
J
自律神経
K
漢方
換気
草津温泉/温泉
基礎疾患
L
リーキーガット症候群、腸漏れ症候群
孤独
リンパ球
M
マグネシウム
想
メラトニン
ミトコンドリア
口腔
N
一酸化窒素
鼻うがい
栄養
O
オリーブ葉抽出エキス
P
歯周病
プラスチック
胃酸抑制剤
プロバイオティクス
タンパク質(アミノ酸)
Q
ケルセチン
R
休息とリラックス
レスベラトロール
S
セレニウム
睡眠
笑い
喫煙
ストレス
砂糖
サン・ゲージング
T
体温
U
運動
紫外線
V
バイブレーショナル・メディスン
ワクチン
W
洗う
X
生体異物、異種エストロゲン
Y
カンジダ菌
葉酸
Z
ザクロ
亜鉛
著者について
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医師・医学博士。ナチュラルアートクリニック(四ツ谷)院長。統合医療ドクター。麻酔科指導医、麻酔科専門医、救急専門医、高加齢医学専門医。1995年岡山大学医学部卒業。
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あらゆる薬剤やテクニックを用いて、「人間の生理機能を意図的にコントロール」することで「体を守る」医療を習得。災害派遣医療チーム(DMAT)のチームリーダーとして東日本大震災に出動。国立国際医療研究センター救急部臨床研修指導医、川口市立医療センター救命救急センター医長、愛宕病院ER・救急蘇生センター救急部長などを歴任。
2005年より「病気にならないようにする、できるだけ薬を使わずに治療する」ため、補完代替医療、分子整合栄養医学を学び、独自の理論「ハイブリッド栄養医学○R」を構築。副腎疲労やうつ症状、アレルギー、がんなどを治療。2015年開業。
メディア出演多数。著書に『疲れがとれない原因は副腎が9割』(フォレスト2545新書)、『体が勝手に元気になる だる消しスープ』『だるさ一掃×よく眠れる×自律神経が整う1日1杯 疲れのおそうじスープ』(ともにアスコム)がある。