「空き家」問題は、「自分には関係ない」と思っている方も多いかもしれません。私もその1人でした。ただ、自分の実家という意味では身近で起きる可能性は十分にありえます。特にきょうだいのいない一人っ子の方、またはきょうだいがいても、自分もきょうだいも実家を出ており、それぞれ家庭をもって住居をかまえており、実家には親しか住んでいない方は、他人事では済まされません。親が亡くなったら、その実家は「空き家」となります。あなた、またはごきょうだいが、自動的に空き家所有者となるわけです。空き家所有者になると、放置しているだけで、固定資産税含めて維持費などで年間50万円(月額で約4万円)以上のコストがかかります。「じゃあ、国への返納しよう」と考えがちですが、そう簡単には引き取ってもらえません。引き取りにもコストがかかります。やばくないですか、コレ。私も弟も実家から出ており、今は両親が住んでいますが、いずれか空き家になります。「さあ、どうしよう?」と一気に自分事になりました。本書では、古家・空き家再生のスペシャリストである三木さんが、【売る】【使う】【住む】【貸す】という4つの活用術を紹介しながら、所有者にお金が一番残る方法をケース別にわかりやすく徹底解説してくださいました。
POSTED BY森上
放置しているだけで、年間コスト50万円以上!
実家が「空き家」になったときの有効活用法
人口減少社会にある日本において浮上している「空き家」問題。
「自分には関係ない」
と思っていたら大間違いです。
あなたが育ち暮らしていた実家ですが、
今は親御さんが住んでいるとしても、
親御さんが亡くなられたら、その家は空き家になります。
それは、戸建てだろうと、マンションだろうと関係ありません。
そう、望んでいなくても、
あなたが空き家所有者になる可能性があるのです。
国も空き家対策で法整備を進めており、
空き家所有者に税金控除を外すなどして、
放置しているだけで、年間コスト50万円以上がかかる状況です。
「国や自治体に土地と建物を返納すれば大丈夫」
と思っているかもしれませんが、
そう簡単には引き取ってもらえません。
引き取ってもらうにも、解体費用などはすべて所有者持ちです。
そのままだと金食い虫となってしまう
実家の「空き家」ですが、
上手に活用すれば金食い虫どころか、
所有者にお金が残る、資産として潤してくれる
“富動産”に変わるお宝でもあるのです。
本書では、実家の「空き家」を、
負動産から富動産に変えるための4つの活用術を
徹底解説します。
4つの活用術とは、
【売る】【使う】【住む】【貸す】
です。
これは、
所有者にお金が多く残る順番でもあります。
「空き家」活用と言うと、
最初に「貸す」を思いつきそうですが、
4つのうちで最後。
これにもしっかりした理由があります。
不動産の知識ゼロのド素人でも、
本書を読めば大丈夫。
日本で随一の
古家・空き家再生のスペシャリストが、
わかりやすく解説します。
気になる本書の内容
本書の内容は以下のとおりです。はじめに――10人に1人が空き家の所有者になる時代
第1章 実家の「空き家」の悩みを解決する4つの方法
◎「空き家」問題、もう後回しにはできない
◎「空き家」の悩みをスッキリさせる4つのパターン
◎空き家問題解決の4つのケース
◎空き家放置は、ゼロではなくマイナス
◎地元ニーズを考えながら、一番マッチする方法を検討する
◎【事例】親が遺した、思い出の詰まった実家を活用するか? 売るか?――竹本さん(仮名)の場合
◎「財産価値」という物差しで考えてみる――空き家にかかる譲渡所得の「3000万円の特別控除」のメリットを見逃すな
◎まずは、「売り」に出してみる
◎竹本さんの最終判断
◎実家を売却することに二の足を踏んでいる人へのアドバイス
◎【事例】リストラ後、田舎のボロボロの実家で高齢者通所介護施設を開業――中田さん(仮名)の場合
◎妻からの意外なる提案
◎経営未経験、業界未経験からのスタート
◎【事例】都落ち気分で帰った実家が、家族の本当の幸せに気づかせてくれた――樋口さん(仮名)の場合
◎東京から田舎にUターンを急いで決断した理由
◎仕事、生活はどのように変わったか?
◎時は得難くして失い易し
◎【事例】相続した物件をリフォームして賃貸住宅に転用して稼ぐ――埼玉県/大阪府豊中市/神奈川県/和歌山県和歌山市
◎古い一戸建てもマンションも、価値を見つけて磨き上げれば「お宝」になる
◎空き家が、あなたの経済的豊かさをもたらしてくれる
【コラム】空き家譲渡所得の3000万円特別控除を知る
【コラム】空き家問題が解決しない理由
第2章 まとまったお金が手に入る「売却」
◎売れるかどうか、スマホで1分でわかる! プロも知らない売買需要と売買相場の調べ方
◎物件売買需要が低い場合
◎プロの判断基準をもって、サイトを活用
◎実際の売却するときの注意点
◎「業者に任せっぱなしの丸投げ」の代償
◎自分で調べてから売却
◎公的な相続税の課税評価から、売買相場を推測する
◎物件査定した価格より、流通価格が安いわけ――業者の手口や狙いを知っておく
◎お金を少しでも多く残したいなら、1つの不動産業者に依存にしてはいけない
◎前のめりの営業マンにご用心
◎相談も売却依頼も複数の不動産業者にする
◎物件の印象を良くするコツ
◎不動産業者もソッポをむく物件だったら……
◎売りたくても売れないときもある
◎放置空き家誕生の原因
◎「売るための工夫」13選
◎売却の落としどころ―対費用効果、スムーズな売買を目指す
◎不動産は共有持分にしないのが原則
◎一般的な不動産売却の税金の計算
◎売却時のポイントになる特例の解説――被相続人の居住用財産を譲渡した場合の3000万円特別控除
◎特例を使わない売却
◎住んでいなくても、賃貸にしていても使える! 空き家のための特別控除
◎「売れない」と踏ん切りをつけた後の次の一手―相続放棄・物納・ターゲット変更
◎「相続土地国庫帰属法」は、空き家対策に有効か?
◎まとまったキャッシュを投資に回せば、あなたも億万長者
◎もし1000万円あったら、買うのはどっち?
◎空き家を高く買ってくれる人ランキングTOP4
【コラム】最低限知っておきたい! 「売却」に関する不動産用語
【コラム】税金の「5年」は、365日×5年ではない
第3章 辺鄙な場所でもアイデア次第「使う」
◎起業・副業のリスクヘッジとして実家の不動産を活用するという発想
◎辺鄙なところ、田舎でも成り立つビジネスはたくさんある
◎相続した空き家が独立開業の夢を叶える舞台装置になる
◎ニーズが高まる自宅兼事務所としての活用法
◎なぜ空き家・空スペースの利用の可能性が広がっているのか?
◎更地にすると、固定資産税が跳ね上がる
◎更地ではなく、空き家を放置しても、重い税金負担がのしかかる……
◎雇われる生活から自分のビジネスを持つ時代に、空き家を有効活用
第4章 「自ら住み暮らす」決断をしたら……
◎「自ら住む」は、賢い相続と家族の満足―小規模宅地等の特例を活用
◎住む家から楽しめる家にカスタマイズリノベーション
◎古い住宅なら、補助金を使って耐震補強工事
◎【事例】お父さんの想いを叶えられず、自ら住めなかった話――木下さん(仮名)
◎生涯で一番コストがかかっているのが「住宅」
◎老後資金調達にもつながる
第5章 空き家に働いてもらう「賃貸」
◎用途を考える
◎「賃貸住宅」「宿泊施設」として貸す
◎1分で調べる! 賃貸需要と家賃相場の調べ方
◎戦略的家賃相場判定法
◎賃貸経営の成功の肝は「家賃設定」――賃貸需要の多い家賃設定とは?
◎「行政の住宅扶助」から類推する
◎「値ごろ感のある家賃」の計算式
◎地元業者から情報入手
◎リフォーム工事のコストを考える
◎「リフォーム費用」のかけすぎにご用心!
◎リフォーム会社の言いなりになってはいけない
◎外国人も入居客層として重要ターゲット
◎新たな法制定で需要が高まる「住宅確保要配慮者」向け住宅
◎空室対策のトレンド、異状あり!
◎今の入居希望者は、どんな情報を求めているのか?
「あるあなた物件をぜひ借りたい」と入居者が列を成す、貸すための工夫6選
◎売却の再チャンスも!入居者に売却できるかも!?
◎賃貸は人の命を救う力がある
第6章 空き家の「潜在能力」を探る
◎空き家は、世間の邪魔物ではなく、重要な社会資本
◎【事例】鎌倉の家(甘夏民家)――TBSドラマ「おカネの切れ目が恋のはじまり」の舞台
◎【事例】京都の民宿(篤庵)
◎なぜ分譲マンションの荒廃が進んでいるのか?
◎【事例】名古屋のパーティールーム
◎再生分譲マンション投資が町を救う
◎【事例】大阪・河内長野市の1981年1月築、3LDK分譲マンション
◎【事例】大阪・泉南市の1983年1月築、3LDK分譲マンション
◎相続空き家なら、表面利回り50%、100%も当たり前――全国古家再生推進協議会の取組み
◎【事例】神戸北野工房のまち――廃校の小学校を再生
◎【事例】シャッター街の商店街――人が来ないと嘆くより、人を増やせばいいじゃん!
◎耐震補強補助金をもらおうとするから高くつく――耐震工事の注意点
第7章 空き家を生み出さないために
◎空き家を生み出さないために、すぐにすべきこと
◎一人暮らしの叔母のすべての支払いを立て替えた半年間
◎いくつになっても財産管理ができるわけではない
◎長寿社会の資産継承の切り札は「家族信託」――特に不動産を持っている人は必須の制度
◎「家族信託」がない危険―みんなが不幸のどん底に落とされた話
◎相続対策でも大事件勃発
◎不動産や株を所有する高齢者の認知症対策には家族信託が常識
第8章 「空き家」は新しいビジネスマーケット
◎空き家の活用は、ビジネスチャンスの宝庫
◎「空き家」が地域再生の起爆剤になる
◎「空き家」を横断的に解決できる専門家がいない
◎不動産にかかわる専門家リスト
◎「空き家」ビジネス、拡大の胎動
◎空き家ビジネスの市場規模は、国家予算の10分の1レベル!?
◎空き家ビジネスに参入したい方へ
◎「空き家解決エージェント」の育成
◎空き家解決エージェントの市場規模
おわりに――「空き家」があなたを救う!
著者について
-
収益不動産経営コンサルタント。一般社団法人日本不動産コーディネーター協会理事長。一般社団法人全国古家再生推進協議会顧問。指導先の資産形成額が300億円以上にのぼる、不動産による資産づくりの専門家。
View More
バブル絶頂期には不動産仲介で、1人で1億円以上稼ぎ出し仕事や遊びを謳歌するも、バブル崩壊とともにほとんどの資産を失い10数億円の借金を背負う。しかし、代々大阪商人の家系に育ち、言い伝えられた商人道と蓄財術を活用して復活を図る。
「不動産投資は一部のお金持ちのものでない。すべての人が経済的自立をするために、もっと取り入れるべきだ」という理念のもと、一般のサラリーマンでも無理なくできる資産形成としての不動産投資のノウハウを伝授している。特に、現在は全国に1000万戸を超えるといわれる「空き家」を活かして手軽に収益化するノウハウを提供。「空き家」という社会問題の解決し、住まいを確保することが困難な人々と投資家をマッチングして、たくさんの人を豊かで幸せにすることをミッションに日々邁進している。大阪商人に口伝で伝わった「長者教」伝承者。喜ばれる大家の会事務局長。著書に『空き家を買って、不動産投資で儲ける!』『儲かる! 空き家・古家不動産投資入門』(以上、フォレスト出版)などがある。