「来春のサクラが咲くのを見ることはできないと思いますよ」
医師からそう告げられたのは、2023年11月8日のことだった。余命4カ月の通告だった。私はにわかには信じられなかった。何しろ、なんの自覚症状もない。朝から晩までフル稼働で仕事をして、食事もモリモリ食べていた。
突然の余命宣告から、治療法の選択、
がんとお金、死生観…
満身の闘病ドキュメント
私は「いつ死んでもいい」とは思っていないものの、延命にはこだわっていない。
それは、いつ死んでも悔いのないように生きてきたし、いまもそうして生きているからだ。それが具体的にどういうことなのか。それをお伝えしたいというのが、本書のメインテーマだ。
(「まえがき」より)
もくじ
まえがき
第1章 突然のがん宣告
晴天の霹靂
抗がん剤で死にかける
初めての長期入院
精神的、肉体的限界
マスメディアへの公表
第2章 殺到する「がんの治し方」
精神論——「がんの治し方」アドバイス1
飲食物——「がんの治し方」アドバイス2
体を温める——「がんの治し方」アドバイス3
イベルメクチン——「がんの治し方」アドバイス4
名医がいるクリニック——「がんの治し方」アドバイス5
アドバイスしてくれる人の3タイプ
本当の効果はわからない
第3章 がん治療とお金
衝撃の血液パネル検査結果
がん細胞軍団vs免疫細胞軍団
標準治療と自由診療
預金を生前整理する
投資資産の有意義な使い方
がんと仕事と障害年金
詐欺広告に利用されて
第4章 私の選択
泣きっ面に尿管結石
お見舞いをお断りしたワケ
血液免疫療法の選択
第5章 いまやる、すぐやる、好きなようにやる
私の仕事のスタイル
格差と出合う
営業が一番楽しかった
運命の出会い
三井情報開発とバブルの恩恵
理想の会社を作る
大きな転機
「ニュースステーション」の約束
ラジオという自由の大地
モリタクゼミの改革
B級で、おバカだけれど、ビューティフル
第6章 素敵な仕事、自由な人生
歌人になりたい
歌手になりたい
童話作家になりたい
モリオ童話集withかのん
ヒツジ飼いの少年とオオカミ/お代官さまと農民/曜変天目茶碗
新版 アリとキリギリス/星の砂/イワシとシャチ
農業ほど知的な仕事はない
家族のこと
父の信条
あとがき
【発行】三五館シンシャ/【発売】フォレスト出版
著者について
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1957年、東京都生まれ。経済アナリスト、獨協大学経済学部教授。1980年、東京大学経済学部を卒業後、日本専売公社(現・JT)に入社。予算を握る大蔵省(現・財務省)の「奴隷」だった経験をもとに、カルト化する財務省を描いた『ザイム真理教』が26万部のベストセラーに。次いで四半世紀のメディア活動で見聞きした‶3つのタブー〟に斬り込んだ『書いてはいけない』が33万部を超えるヒット。「ステージ4」のがん告知からの顛末と死生観を描いた『がん闘病日記』、投資熱に浮かされる日本人への警告書『投資依存症』、エリート官僚の知られざる生態に迫る『官僚生態図鑑』を刊行。2025年1月28日、永眠。
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