『ザイム真理教』『書いてはいけない』『がん闘病日記』…累計78万部突破の森永卓郎シリーズ、堂々終幕!
2025年に入り、2024年中はなんとか小康状態を保っていたがんが、腹部に転移していることが確認された。私は自らに残された時間をはっきりと意識するようになった。
ただ、世の中は遅々として変わらない。むしろ保身の姿勢は、あらゆる分野で拡大している。それが本書を執筆しようと考えた最大の動機だ。
本質を追究するのではなく、目先の問題が発生しないようトラブルの回避に専念する。それこそが〝保身〟だ。読者のまわりにも、自らの処遇や地位を守るために、問題を先送りしようとする人がたくさんいるかもしれない。彼らのそうした行動こそが、私は日本社会を低迷させる大きな原因になっていると考えている。
もくじ
まえがき
放送禁止用語はなぜ生まれたか?
波風を立てない最良の方策
大手メディアで生き残る方法
第1章 教育現場の保身
なぜ、小・中学校教員のなり手が減ったのか
マニュアル化する教育現場
企業が銘柄大学を採用したがるワケ
「大企業」志向の合理性
第2章 職場の保身
中高年社員の〝合理的〟判断
三和総研で目撃した銀行員の異常な世界
クソどうでもいい仕事
三和総研の大改革
偉大な戦略家
第3章〝金融村〟の保身
金融村は「株価が下がる」と言えない
私が株価暴落を予測する、これだけの理由
エヌビディアの繁栄はあと数年の命
バブル崩壊の予兆
第4章 大手メディアの保身
『ザイム真理教』ベストセラー後の意外な〝効果〟
なぜ私は大手メディアから干されたのか?
財務省を擁護した朝日新聞
大手メディアの自殺行為
第5章 ザイム真理教の保身
〝保身メディア〟を見分ける方法
財務官僚はこうして出世する
恨みをため込んでいた日銀と銀行業界
金融引き締めでトクしたのは誰?
第6章 立憲民主党の保身
「年収の壁」引き上げをつぶしたのは誰か?
2人の強烈な増税派
増税派誕生のカラクリ
第7章 官僚の保身
「官僚天国」への歩み
「一銭も払わない」は筋が通らない
「マイルド官僚」の「マイルド天下り」
厚労省は火事場泥棒だった
休まず、遅れず、働かず
月で暮らすという〝妄想〟のために
「異次元の少子化対策」はこうして失敗した
少子化対策でトクする人、損する人
「子ども・子育て支援納付金」は〝ついでに〟徴収
「適齢期」をすぎた男女には…
第8章 若者の保身
「どんなときに一番幸せを感じますか?」
政府が言い続けるウソ
企業の儲けはどこへ行く
高齢者は年金をもらいすぎか
給付は下がり、負担は上がる
少子化を止める3つの秘策
〝さしB〟の導入コストを検証する
世代間格差を一瞬で消すウルトラC
あとがき――われわれはどう行動すべきか
テレビを見ない、新聞を読まない――グレート・リセットのために①
価格弾力性を高める――グレート・リセットのために②
働かない――グレート・リセットのために③
投資をしない――グレート・リセットのために④
「面従腹背」で、選挙で鉄槌――グレート・リセットのために⑤
われわれに残された重要な役割
【発行】三五館シンシャ/【発売】フォレスト出版
著者について
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1957年、東京都生まれ。経済アナリスト、獨協大学経済学部教授。1980年、東京大学経済学部を卒業後、日本専売公社(現・JT)に入社。予算を握る大蔵省(現・財務省)の「奴隷」だった経験をもとに、カルト化する財務省を描いた『ザイム真理教』が26万部のベストセラーに。次いで四半世紀のメディア活動で見聞きした‶3つのタブー〟に斬り込んだ『書いてはいけない』が33万部を超えるヒット。「ステージ4」のがん告知からの顛末と死生観を描いた『がん闘病日記』、投資熱に浮かされる日本人への警告書『投資依存症』、エリート官僚の知られざる生態に迫る『官僚生態図鑑』を刊行。2025年1月28日、永眠。
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