1950年、広島県出身。拓殖大学卒業。週刊誌記者などを経て作家。浄土真宗本願寺派僧侶。保護司。日本空手道「昇空館」館長。人間社会を鋭くとらえた観察眼と切れ味のよい語り口には定評がある。
著書『定年後、ゼロから始めて僧侶になる方法』(飛鳥新社)、『心の清浄をとりもどす名僧の一喝』(すばる舎)、『親鸞の言葉 明日を生きる勇気』(河出書房新社)、『良寛 清貧に生きる言葉』(青志社)、『もし、お釈迦さまに人生の悩みを相談したら』『仕事も人生もうまくいく 人間関係「間合い」術』(以上、草思社)、『怒る一流 怒れない二流』(フォレスト出版)、『「生き地獄」脱出法』(東邦出版)、『人はカネで9割動く』『会話は「最初のひと言」が9割』(以上、光文社)など多数。
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「煩悩」は悪いことか?
みなさん「煩悩と聞いてどんなイメージを持ちますか?」
「もっともっとお金を稼ぎたい」
「他人を蹴落としてでも出世したい」
「旨いメシをたらふく食いたい」
これらは立派な煩悩です。
「○○したい」というのはすべて煩悩。
ほかにも
怒り、妬み、うぬぼれ、などなど
人間には数限りない煩悩があり
数にして「108」あると言われています。
煩悩はどうやら悪いことのようです。
だから、書店では「煩悩を消す方法」を説いた書籍を
よく見かけます。
でも、はたして我々は
「煩悩を消す」ことができるのでしょうか?
結論から言って・・・無理です。
なぜならば、煩悩を消すイコール悟りを開くこと。
ハッキリ言えば、「死ぬこと」でしか
煩悩からは解放されません。
ある老人ホームでのエピソード
ある老人ホームでこんな話がありました。
職員の方が残念そうに、こうおっしゃったのです。
「屋上で草花を楽しめるようにと、プランターに苗を植えたのですが
どなたも関心を示さないんですよ」
朝夕に水をやって素敵な花を咲かせる。
あるいは野菜を育てて収穫する。
これこそ「煩悩」のなせるワザではないでしょうか?
「花を咲かせたい」「収穫を楽しみたい」
という原動力は「欲」です。
煩悩です。
ところが、この老人ホームに入居していらっしゃる方々の多くは
その「欲」がない。
花が咲こうと咲くまいと、どうだっていい。
関心そのものがないのです。
煩悩は「生命力」だ!
欲も関心事も加齢に反比例していきます。
これを「老いる」と言うのでしょう。
老いにつれて、煩悩の業火も弱まっていきます。
言い換えれば「煩悩は生命力」ということになります。
「こうしたい、ああしたい」という欲は
生命力と表裏一体なのです。
「成功したい」
「お金を稼ぎたい」
「有名になりたい」
「理想の異性をゲットしたい」
こんな「こうしたい、ああしたい」に
突き動かされるあなたはぜひ
自分を奮い立たせるために煩悩をフルに活用してください。
「生きる」とは、煩悩を相棒とし、
「煩悩と二人三脚」で歩くことを言うのです。
二人三脚の相棒を嫌いながら歩いたのでは、
人生が楽しくなるはずがありません。
この相棒はちょいとヤンチャなところがありますから
「一緒に楽しみながら人生街道を歩こうぜ」
となって初めてハッピーになるのではないでしょうか。
煩悩を肯定し、自分の手のひらで転がしてこそ、
人生の楽しみがある、ということなのです。
本書はそんなあなたの人生における
最良のガイドとなるでしょう。
目次
プロローグ
私たちはお釈迦さんではない
煩悩は「生命力」だ
煩悩と悟りは"一心同体"
煩悩と二人三脚で歩けば人生は楽しい
煩悩には"二つの矢"がある
そもそも「煩悩」とは何か
煩悩があるのは人間だけ?
先人は煩悩を「言い換え」によって活かした
第1章〈むさぼり〉と戯れる=貪
貪_______お金を儲けるのは悪いことなのか?
慳_______「ケチ」と言われないための人間関係づくり
執着_____「ひたむき」という攻めの執着で煩悩を活かす
驕_______とがったヤツほど見どころがある
愛_______「愛」ははたして煩悩なのか?
掉挙_____退屈な自慢話を逆手にとる人間関係術
誑_______「ウソ」は社会の潤滑油
諂_______秀吉の「ごますり」を笑えるか?
第2章〈怒り〉と歩む=瞋
瞋_______「怒らない」と「怒れない」は似て非なるもの
恨_______人をうらみたければトコトンうらめばいい
悩_______さまざまな「悩み」とのつき合い方
嫉_______人間、ねたまれてナンボ
害_______これぞウラ社会の常套手段
闘_______まことにあっぱれな「和製ベートーベン騒動」
第3章〈無知〉を知る=痴
痴_______すべての苦悩の根本原因
覆_______反省だけなら猿でもできる
懈怠_____「自覚の怠惰」があなたを苦しめる
不信_____なぜ、振り込め詐欺にだまされるのか?
睡眠_____よく寝るのは夜更かしより悪いこと?
悪作_____失敗を活かす心の処世術
無慚_____ジコチューと鬱のメカニズム
無愧_____「恥の文化」の国の心象風景
散乱_____「心の乱れ」は活かすか、とらわれるか
第4章〈比較〉を笑う=慢
慢_______優越感と嫉妬の狭間
過慢_____過剰な自信は人生の原動力だ
慢過慢___「慢心」も自分を奮い立たせる武器になる
卑慢_____慢心を「謙遜」にすり替えるテクニック
我慢_____固執することこそが成功のタネ
増上慢___精神的インフレは歓迎すべきこと
邪慢_____「自己満足」の深層心理
第5章〈疑い〉を喜ぶ=疑
疑_______人を疑ってかかるのは悪いことなのか?
擬_______決断できずに迷ったら止まればいい
顛倒 ____「苦」を「楽」に転じさせる発想法
悪口_____悪口のブーメラン効果に要注意
綺語_____相手の心に深く届ける言葉巧みな武器
両舌_____人間関係をまとめる技術としての「二枚舌」
第6章〈偏見〉を弄ぶ=見
悪見______六大煩悩のうち唯一の「知性派煩悩」
有身見____「あなた」という存在は実在しない
辺執見____答えの出ない問題に直面したらどうすべきか
邪見 _____因果にこだわりはじめるとエンドレスになる
見取見____鼻っ柱をへし折られても立ち上がる煩悩力
戒禁取見__なぜ「不文律」がある組織は強いのか?
エピローグ
ないものねだりをしてはいけない
方法論は三つ
夏目漱石の手紙 -
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「怒らない」と「怒れない」は大違い!
フォレスト2545新書のベストセラー『怒らない技術』を筆頭に
『怒らない○○』という書籍が所狭しと書店に並んでいます。
みんなイライラ怒っているんですね。
無理もありません。
日常生活でのイライラ、社会の不合理に対する怒り、
思うようにならない自分への憤り……。
ところで・・・
「あなたは自分の性格のどこが嫌いですか?」
あるセミナーで著者が参加者に尋ねたときのこと。
驚くべきことに、なんと
「怒れない自分がイヤ」という参加者が多かったそうです。
「怒らない」ということは
幸せな日々を送る「最高の生き方」とされています。
だから、「いかにすれば怒らないですか」
という書籍がベストセラーになるわけです。
それなのになぜ――「怒れない」自分がイヤなのでしょうか?
「怒れない」あなたの心のメカニズムとは?
――どうして怒れない自分がイヤなのかな?
質問に対する一人の参加者の答えがこうでした。
「だって、頭にきて怒鳴りつけてやりたいのに、それができなくて黙ってしまうから」
そんな自分を嫌悪するというのです。
でも、彼らは「自己嫌悪の本質」を見落としています。
それは「怒れない自分」がイヤなのではなく
「自分をごまかす自分」
「自分に言い訳する自分」
というものに対して嫌気がさしているのです。
たとえば・・・
電車の車内で見かけた傍若無人な乗客に対して――
店内で大声を出して騒ぐ子供を注意しない親に対して――
「相手にするだけ損」という言い訳をすることで
「注意したくてもできない自分に対する言い訳」をしていませんか?
これでは
「怒れない自分」に嫌気がさし、さらに「自分をごまかす自分」に嫌気がさすという
ダブルで自己嫌悪に苦しむことになります。
一流は《怒り》を前向きなチカラに変える!
自分に嫌気がさせば、人生を積極的に生きていくことは難しくなります。
ことに、職場での理不尽に「怒れない」となると
精神的なダメージに加えて出世や仕事の成果にまで関わってきます。
とはいえ、怒ることが好きな人間はそうはいないものです。
怒らなくてすむなら、それに越したことはありません。
しかし、利害が錯綜する社会において、
「私はこうしたい」「こうありたい」という強い意志を持って生きていくならば
必ずどこかで他人とぶつかり立ちはだかる障害物に対して
《怒り》の感情が生まれてくるものです。
あなたの周囲を見回してみてください。
広く世間に目を転じてみてください。
政治家、実業家、スポーツ選手、有能な上司、
さらにはヤクザからホスト、ホステスまで
成功している人は例外なく"熱い人間"のはずです。
“怒れる人々”であるはずです。
成功者は《怒り》をポジティブな
「パワー」「モチベーション」「エネルギー」に変えることでのし上がっていくのです。
本書は
《怒り》をポジティブに活かす方法について、具体例をあげて解説しました。
一読すれば、これまでネガティブに扱われていた《怒り》こそ、
じつはエネルギーの源泉であることがおわかりになるでしょう。
本書の構成
第1章 あなたは「怒れない」だけでこんなに損している
第2章 成功する人は「怒り」の感情をうまく利用している
第3章 怒りの技術1 「怒り」を習慣にする日常生活
第4章 怒りの技術2 「ふざけんな、このやろう!」と思ったとき
第5章 怒りの技術3 相手の心を手玉に取る怒りのレッスン
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