「怒らない」と「怒れない」は大違い!
フォレスト2545新書のベストセラー『怒らない技術』を筆頭に『怒らない○○』という書籍が所狭しと書店に並んでいます。
みんなイライラ怒っているんですね。
無理もありません。
日常生活でのイライラ、社会の不合理に対する怒り、
思うようにならない自分への憤り……。
ところで・・・
「あなたは自分の性格のどこが嫌いですか?」
あるセミナーで著者が参加者に尋ねたときのこと。
驚くべきことに、なんと
「怒れない自分がイヤ」という参加者が多かったそうです。
「怒らない」ということは
幸せな日々を送る「最高の生き方」とされています。
だから、「いかにすれば怒らないですか」
という書籍がベストセラーになるわけです。
それなのになぜ――「怒れない」自分がイヤなのでしょうか?
「怒れない」あなたの心のメカニズムとは?
――どうして怒れない自分がイヤなのかな?質問に対する一人の参加者の答えがこうでした。
「だって、頭にきて怒鳴りつけてやりたいのに、それができなくて黙ってしまうから」
そんな自分を嫌悪するというのです。
でも、彼らは「自己嫌悪の本質」を見落としています。
それは「怒れない自分」がイヤなのではなく
「自分をごまかす自分」
「自分に言い訳する自分」
というものに対して嫌気がさしているのです。
たとえば・・・
電車の車内で見かけた傍若無人な乗客に対して――
店内で大声を出して騒ぐ子供を注意しない親に対して――
「相手にするだけ損」という言い訳をすることで
「注意したくてもできない自分に対する言い訳」をしていませんか?
これでは
「怒れない自分」に嫌気がさし、さらに「自分をごまかす自分」に嫌気がさすという
ダブルで自己嫌悪に苦しむことになります。
一流は《怒り》を前向きなチカラに変える!
自分に嫌気がさせば、人生を積極的に生きていくことは難しくなります。ことに、職場での理不尽に「怒れない」となると
精神的なダメージに加えて出世や仕事の成果にまで関わってきます。
とはいえ、怒ることが好きな人間はそうはいないものです。
怒らなくてすむなら、それに越したことはありません。
しかし、利害が錯綜する社会において、
「私はこうしたい」「こうありたい」という強い意志を持って生きていくならば
必ずどこかで他人とぶつかり立ちはだかる障害物に対して
《怒り》の感情が生まれてくるものです。
あなたの周囲を見回してみてください。
広く世間に目を転じてみてください。
政治家、実業家、スポーツ選手、有能な上司、
さらにはヤクザからホスト、ホステスまで
成功している人は例外なく"熱い人間"のはずです。
“怒れる人々”であるはずです。
成功者は《怒り》をポジティブな
「パワー」「モチベーション」「エネルギー」に変えることでのし上がっていくのです。
本書は
《怒り》をポジティブに活かす方法について、具体例をあげて解説しました。
一読すれば、これまでネガティブに扱われていた《怒り》こそ、
じつはエネルギーの源泉であることがおわかりになるでしょう。
本書の構成
第1章 あなたは「怒れない」だけでこんなに損している第2章 成功する人は「怒り」の感情をうまく利用している
第3章 怒りの技術1 「怒り」を習慣にする日常生活
第4章 怒りの技術2 「ふざけんな、このやろう!」と思ったとき
第5章 怒りの技術3 相手の心を手玉に取る怒りのレッスン
著者について
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1950年、広島県出身。拓殖大学卒業。週刊誌記者などを経て作家。浄土真宗本願寺派僧侶。保護司。日本空手道「昇空館」館長。人間社会を鋭くとらえた観察眼と切れ味のよい語り口には定評がある。
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著書『定年後、ゼロから始めて僧侶になる方法』(飛鳥新社)、『心の清浄をとりもどす名僧の一喝』(すばる舎)、『親鸞の言葉 明日を生きる勇気』(河出書房新社)、『良寛 清貧に生きる言葉』(青志社)、『もし、お釈迦さまに人生の悩みを相談したら』『仕事も人生もうまくいく 人間関係「間合い」術』(以上、草思社)、『怒る一流 怒れない二流』(フォレスト出版)、『「生き地獄」脱出法』(東邦出版)、『人はカネで9割動く』『会話は「最初のひと言」が9割』(以上、光文社)など多数。