株式投資というと、1億円の資産をつくる、数千円から始められるといった内容の本がもてはやされますが、著者の投資観は実直かつ堅実。短期投資はサラリーマンにとっては忙しすぎるし、かといって、小型成長株1点集中投資ではリスクが大きすぎます(FXや仮想通貨も同様)。サラリーマンはいったいどんな株式投資がいいのか。その答えが成長株投資でした。
著者自身、失敗を繰り返しながら資産を7000万円強までつくりましたが、成長株に投資する視点がユニーク。ポイントさえ勉強すれば、多くのセミナー受講者が成功しているように、資産を積み上げることができます。この方法ならプロにも勝てそう(プロと勝負しない)です。著者自身がサラリーマンなので、その気持ちにも寄りそった考えが根底にあり、投資をするにあたっては学びが多い本です。
POSTED BY稲川
『10万円から始めて資産を200倍にする小型成長株投資』(正誤表)
現在、資産7000万円強。失敗を繰り返したからこそたどりついた投資術
自身もサラリーマンでありながら、多くのサラリーマン投資家を支援し、成功者を輩出している著者が、資産2000万円をつくる方法を伝授します。 株式投資には、短期的な投資と中・長期的な投資があります。多くの株式投資本は、ファンダメンタルズや景気動向から上昇株を推奨していますが、そもそも大型株は、サラリーマンにとって資金面で買うことができません。
しかも、そこにはプロの投資家がたくさんいて、それこそ毎日相場に張り付いて研究しています。
つまり、本業があるサラリーマンが投資という魑魅魍魎とした世界で勝つには相当の覚悟とリスクが必要なのです。
かといって、なかなか給料は上がらない、投資を始めないと老後が心配。
そんな人が多いのではないでしょうか。
本書は、サラリーマン投資家という利点を逆手に取って、プロとは別の土俵で投資をしていくという方法です。
それが「小型成長株投資」です。
成長株投資といっても、もちろんリスクがないわけではありませんが、その企業が成長し続けるかぎり、当たり前ですが株価は上昇します。 その見極め方は何なのか、そして、投資し続けることによってどのように資産をつくるのか。本書では、10倍株の見つけ方から資産2000万円をつくる具体的な方法まで、サラリーマン投資家だからこそできる手法を解説していきます。
サラリーマン投資家は二流投資家でいい!
サラリーマン投資家にとって、正直1億円以上の資産をつくる必要はありません。プロと違い、自身の最終的な目標資産に到達すれば、投資という世界からいつでも降りることができます。プロとアマの違いは、ずっと投資しなくていいという点。
つまり、老後までに必要な資産を逆算して、そこに向かって資産形成をすればいいのです。
本書では、さまざまな小型成長株を紹介しながら、資産2000万円までのシミュレーションを提示していきます。また、資産が増えていった場合の精神的負担のないポートフォリオの組み方など、サラリーマン(個人投資家)ならではの出口戦略も提案しています。
著者自身の実績もすべて公開。どんな株に投資してきたかも一目瞭然。
初めての方も、投資でうまくいっていない方も役に立つ1冊です。
目次
序章 株式投資は実績(証拠)こそがすべてこれが私の投資実績です
第1章 サラリーマンだけでは資産はつくれない
●サラリーマンはお金持ちになれない!?
1. サラリーマンの生涯賃金は決 まっている
2. ある企業は黒字を出さなければならない
3.「人件費は経費」が企業にとっての本音
●サラリーマンが資産を増やす方法はある?
1. 資産を増やすにはリスクを取るしかない
2. 起業するというリスクが取れるか
3. 不動産投資は本当に儲かる投資?
●はたして投資信託は簡単に資産をつくれる投資なのか
1. 運用者はサラリーマンでしかない
2. 投資信託のデメリットは個人投資家のメリットになる
●投資の利益は優遇される
1. サラリーマンで稼いでも累進課税という壁がある
2. 投資はなぜ2割の課税なのか?
●これからも格差社会は広がっていく
1.「r > g」という公式の世界からは逃げられない
2. IT化でさらに格差が広がる
3. リスクから逃れることは誰にもできない
第2章 二流投資家が投資で失敗する8つの理由
失敗理由① 仕掛けられた罠に引っかかっているから
失敗理由② 余裕がない状態で投資をしているから
失敗理由③ タネ銭を本気で貯めていない
失敗理由④ 市況を見れば株価を予測できると思っている
失敗理由⑤ 集中投資をしてしまう
失敗理由⑥ 感情に流されてしまう
失敗理由⑦ 専門家の意見を信じてしまう
失敗理由⑧ 常識にとらわれている
第3章 できる二流投資家になるための心得
サラリーマン投資家は二流投資家を目指せ
“継続的に” 投資のことを勉強しよう
投資の技術を身につける
投資のゴール、投資のプランを逆算から考える
投資を始めたら10年は続ける
身の回りのことに興味を持とう(大化け株は意外なところに隠れている)
勝つべくして勝とう
成長株投資のメリット・デメリット
・メリットその1 誰でもできる
・メリットその2 税金の繰延効果が働く
・メリットその3 株式投資以外のことに時間を使える
・メリットその4 今の仕事に役に立つ
・メリットその5 勤め人のメリットを活かせる
・デメリットその1 資産が増えれば価格変動が大きくなる
・デメリットその2 株価上昇まで耐えなければならない
・デメリットその3 “含み益”を確定できない
第4章 さあ、成長株投資を始めよう
成長株とは何か?
成長株の上昇パターンを知る
成長株投資の過去の実績例
セミナー参加者の実績紹介
老後2000万円のシミュレーション
テクニカル分析はどれだけ勉強すべきか?
第5章 成長株投資に挑戦してみよう
成長株の探し方
1. 証券会社のスクリーニング機能
2. 個人投資家のブログ、YouTube、Twitter
3. 投資信託の月次報告書
4. 新聞、株式投資の雑誌、オンラインメディア、本の見方
5. 実際に自分が使っているサービスは活用する
成長株銘柄を探す5つの条件
1. オーナー企業であること
①オーナー企業とは
②株が上がった企業はオーナー企業が多い
③オーナーは、投資家と利害が一致する
④共感できる経営者を探す
2. 上場10年未満であること
3. ビジネスモデルがユニーク
4. 時価総額300億円未満の企業
5. 増収増益を続けている
長田式「2:6:2の法則」
実際の銘柄から成長株を探してみる:Hamee(3134)
第6章 成長株投資は財務諸表を攻略しよう
成長株投資で6 割の比重を置くべき財務諸表
「損益計算書」の見るべきポイント
1.「営業利益」で見るべきポイント
2.「経常利益」で見るべきポイント
3.「経常利益」が会社の実力を示す
4. 営業利益はないが、経常利益だけすごい「岩塚製菓」
5.「特別利益・特別損失」とは?
6.「税引き前当期純利益」とは?
7.「最終純利益(1株当たり当期純利益)」が配当の原資になる
8. 利益の関係
「貸借対照表」の見るべきポイント
実際の企業で財務諸表を見てみよう
第7章 成長株のポートフォリオを組もう
成長株を5~10 銘柄くらいに分散する
売買タイミングを分散しよう
損切りできる人が最後に勝つ
攻めの成長株、守りの配当株
成長株としてはお勧めしない株の特徴
①インフラ関係の銘柄(ガス、電力、鉄道、航空会社など)
②携帯電話関連の銘柄
③バイオ関連の銘柄
④ゲーム関連の銘柄
⑤人材派遣関連の銘柄
⑥カタカナ系ワンルームマンションディベロッパー関連の銘柄
⑦パチンコ関連の銘柄
第8章 “今日”からできる二流投資家への道
1つの銘柄に徹底的に詳しくなる
企業のウェブサイトを見る
①ウェブサイトは会社の自己紹介
②ウェブサイトで注意して見ること
③定期的にウェブサイトを訪問してみる
④動画もチェックしてみよう
基本的な会計の知識を身につける
1カ月に1冊は投資の本を読んで感想を書いてみる
『会社四季報』を読んでみる
①四季報は会社の概要を把握するために利用する
②見るべきポイント欄…… Ⓙ業績
③見るべきポイント欄…… Ⓐ特色
④見るべきポイント欄…… Ⓓ株主
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著者について
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サラリーマン投資家を支援する投資家。
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1981年8月生まれ。一橋大学を卒業後、某金融機関に勤務。機関投資家向けの有価証券管理業務や海外営業に従事。現在、自身もサラリーマンとして株式投資を続ける。
2005年から株式投資を開始。一攫千金を狙い短期急騰銘柄への投資に挑戦するも 高値でつかみ、損切りできずに100万円以上のマイナスを経験する。さらに、リーマンショック期に損失は300万円に膨らむ。貯金のほとんどを失い、何をすることもできなくなるなか、もう一度、株式投資に挑戦することを決意。損失が膨らんだ原因を分析し、敗因は「銘柄の基本的分析、資金管理をせずに感情に任せていた」と気づく。
その後、投資スタイルを見直し、サラリーマンとして自分に合った手法、リスクを限定させリターンを得る手法を試す。様々な試行錯誤を繰り返し、「株は理論価格に収れんする」「中・長期で成長する銘柄に投資する」「チャンスを待ち、チャンスを見極める」という独自のスタイルで株式投資を続ける。その結果、ポジションを拡大、投資スタイルを確立させ、300万円の資金から7000万円強まで増やす。
現在は、会社勤務を続けながら、中小企業経営者、ビジネスパーソンを中心に延べ2500人に投資セミナーも行い、資産を増やす人が続出。そのわかりやすさと実践的な内容に、知る人ぞ知る投資セミナーとして好評を博している。