「仕事に追われまくる仕事」
現役保育士が垣間見た、
保護者には言えない話
――保育学校では教えてくれないこと
私の知っている保育士の多くは、新卒で保育士として採用され、保育現場で悪戦苦闘してきた人たちである。
人の命を預かるという重責を背負いながら、保育士たちはギリギリの人員で、到底さばききれない膨大な業務をこなす。事務仕事や催し物関連の作業、会議や研修も多い。子ども一人一人としっかり向き合いたいと思っていても、そうできないことがある。
――本書には、私の目から見た、そんな保育現場のあれこれを、良いことも悪いことも包み隠さず描いた。すべて私が実際に体験したエピソードである。
もくじ
まえがき――正解がない仕事
第1章 保育士の多忙すぎる日々
某月某日 使えなくて困るのよ:人手不足という現実
某月某日 どういうわけか派遣保育士:あこがれの職業
某月某日 違和感のゆくえ:オーバーリアクションの理由
某月某日 消毒、消毒、消毒:むなしくて、辞めちゃいたい
某月某日 パンツのままで:派遣保育士の哀しみ
某月某日 にらめっこ:マスクを外した顔
某月某日 正規VS非正規:園内ヒエラルキー
某月某日 刺激的な時間:お昼寝タイム、賛否両論
某月某日 衣装作り:「生き字引」のアドバイス
某月某日 休業補償:院内保育所のコロナ検査
某月某日 猛スピード:親の背を見て、子は育つ
第2章 保護者には言えない話
某月某日 新人時代:生き残るための処世術
某月某日 女はゲンキン、男は…:小さなウエディング
某月某日 調子に乗って:熱演しすぎて不測の事態
某月某日 これって食育?:給食の残飯問題
某月某日 鼻ほじ競争:小さなかたまりはどこへ?
某月某日 避難訓練:今じゃないでしょ!?
某月某日 交通誘導員さながらの…:隊列は進む
某月某日 「おはよう」から「おやすみ」まで:保育士の一日
某月某日 クラスだより:サービス残業はこっそりと
某月某日 最終日:「明日の次は、来る?」
第3章 どうしても好きになれない子
某月某日 保育士失格:嫌いでけっこう、コケコッコー!
某月某日 噛みつき癖:絶対に目を離さないで
某月某日 おむつ替え:なんて幸福な時間
某月某日 聞いてはいけないこと:不思議な質問
某月某日 子どものおやつを食らうのは:「黙っててください」
某月某日 群れない女たち:あなたも、私も、「派遣さん」
某月某日 天使と幸せホルモン:快楽物質がドバドバと
第4章 叱る保育士、叱らない保育士
某月某日 産休代替要員:保育室の秩序は…
某月某日 ダンス嫌い:「やりたくない…」のワケ
某月某日 ナイショ話:いろんな人が集まる場所
某月某日 もっと叱ってください:業務指示か、叱責か
某月某日 叱っても、叱っても:なんでも屋さんの本音
某月某日 空気を読む:なんてつまらない保育参観日
某月某日 ご法度:「どうして自分で片づけないの!」
某月某日 虫嫌い:ヒーロー登場
某月某日 クレーマー:怒りの原因はどこ?
某月某日 豆まき:リアルすぎる鬼の悲劇
某月某日 卒園式:なんとありきたりな別れの言葉
あとがき――心躍る場所で
【発行】三五館シンシャ/【発売】フォレスト出版