「日本人の心の古里」そこに改革を育むエネルギーがある。本書に登場する九人の人物こそ、まさしくわれわれが忘却した心の古里である。
聖徳太子にはじまり高橋是清にいたるまで、日本の心を突き動かした本物の「改革者」を歴史に求める!
●もくじ
第一章 聖徳太子―日本最初にして最大の改革者一 汚泥の中の蓮華のごとく
二 太子像の二面性
三 飛鳥の国造り
・「冠位十二階」
・「十七条憲法」の制定
(一) 「十七条憲法」に見る仏教思想
(二) 群臣百僚の服務規定
四 隋外交―「日出ずるところの天子」
五 日本仏教の原点
・思想家としての太子像
・『三経義疏』
(一) 女人の語る「勝鬘経」
(二) 市井の達人の教え「維摩経」
(三) 「法華経」は「釈迦経」
六 太子残影
第二章 額田王―大和心の原点
一 その時代
二 万葉集には寺が見えない
三 かなしびの歌
四 額田王に代表される万葉の哀感
* 平安泰平文化について
第三章 法然―仏教の大衆化
一 乱世の中に
二 法然叡山を去る
三 称名念仏―「浄土三部経」
四 『選択本願念仏集』と宗教改革
第四章 『平家物語』の作者―さむらいと仏教
一 その心を訪ねて
二 『平家物語』における「仏心」
三 『平家物語』における「さむらい」の沙汰
四 読後に感あり
第五章 『太平記』の作者―武士道の誕生
一 その心
二 『太平記』―「序」の意味するもの
三 『太平記』の「さむらいぶり」
・楠正成・新田義貞・児島髙徳など
・敗者の悲劇―塩飽入道などのこと
第六章 荻生徂徠―封建の改革者
一 その人と学風
二 『政談』
・「旅宿の境界」
・士農優先―商人性悪
・登用
第七章 乃木希典―日本最後のさむらい
一 二〇三高地
二 殉死
三 「かくのごとき人」
四 日本最後の武士
第八章 内村鑑三―キリスト教と武士道の縁
一 洗礼
二 内村における「武士」のこと
三 「無教会主義」
四 愛国者―内村鑑三
第九章 高橋是清―昭和不況の救世主
一 無欲の宰相
二 有為転変
三 外債募集で国難を救う
四 昭和不況の救世主
●編集担当者より一言
数少ない本気で本音を語る政治家大原一三先生が、今こそ必要とされる本物の「改革者」像について、その熱き想いを綴った大変読み応えのある1冊です。温故知新です。
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