本書で紹介する学習メソッド「スティッキー・ラーニング」(Sticky Learning)の語源には、このメソッドの本質が隠されています。「sticky」は、「ベタベタする」「ネバネバする」という意味の形容詞で、「くっつく」を意味する動詞「stick」が基になっています。一方「learning」が「学ぶこと、学習すること」「知識、学問」「学んだこと、学習項目」を意味するのはご存じだと思いますが、心理学での「学習」の意味、つまり「経験や条件付けによって起きる行動変容」という意味を持ちます。「スティッキー・ラーニング」をそのまま訳せば、「ペタペタ頭に貼りつけていく学習法」となります。人間は忘れる生き物。だから、「絞って伝えて、反復させる」。では、どのように絞って伝えて、反復させればいいのか? その具体的な方法が詳しく解説されています。この本でお伝えする部下は、社員に限りません。契約社員、派遣社員、アルバイト、パート、外部スタッフも対象になります。残念な部下を抱えるリーダーに、役立つ内容が満載です。
POSTED BY森上
プロ野球5球団やトップアスリート、
優良企業も続々導入!
残念な部下を戦力に変える育成法
人材不足が深刻化しています。ただ、採用予算が確保できず、
今いる限られた人材で戦っていかなければならない。
しかし、今の人材が
「失敗を繰り返す」
「飲み込みが悪い」
といった
残念な部下がいて、戦力にならない……。
そんな悩みを抱えるリーダーのために、
今の「残念な人材」を「望ましい人材」に変える
人材育成・学習メソッド
「スティッキー・ラーニング」を完全公開したのが本書です。
「スティッキー・ラーニング」は、
【スポーツ科学】【心理学】【脳科学】から導き出した
科学的な学習メソッドとして、大きな注目を集めています。
2020年8月現在、
プロ野球5球団、日本陸上競技連盟、
金足農業高等学校硬式野球部、住友商事、高島屋、
日本調剤、アイシン精機、西松建設……など、
各スポーツ団体や企業が続々と導入しています。
このメソッドの特長をひと言で言うと、
【絞って伝えて、反復させる】。
シンプルに言えば、
「10伝えるべきことを特に重要なことを3つに絞って教える」
⇒「その3つを、切り口を変えて3回反復させる」
それによって、
「学び」を固定化し、行動変容につなげる。
このシンプルさと再現性、
そして、圧倒的な実績が、
注目されている理由です。
本書では、
「スティッキー・ラーニング」提唱者である著者が、
この最強学習メソッドの
重要エッセンス&実践法を徹底解説します。
◎今いる人材でなんとかしたい。
◎今いる人材のスキルや能力の底上げを図りたい。
◎今、戦力になっていない従業員を教育して、少しでも戦力として活用したい。
そう望む全リーダー必読の1冊です。
気になる本書の内容
本書の内容は以下のとおりです。はじめに
第1章 「残念な部下」の正体
◎「残念な部下」って、誰が決めているのか? ◎自信をもって「デキる上司」と言い切れるか?
◎「残念な部下」は、絶対的なものではない
◎「残念」を生む、2種類の歪み
◎「残念な部下」に足りない力
◎理解力が乏しい部下が起こした残念なこと①
◎理解力が乏しい部下が起こした残念なこと②
◎理解力が乏しい部下に対する最適な対策法
◎「伝え方の工夫」の見本
◎その意識が部下の失敗を、さらに誘発している!?
◎「ないものねだり」をするより、「ないものを育てる」という発想
第2章 行動変容につながる学び方
◎コミュニケーションが成立しているか否かの基準
◎コミュニケーションの本質を忘れてはいけない
◎「学ぶ力」が弱いアスリート
◎急増する「頭を使って強くなる」研修
◎既存の知識と関連づけ、新しい知識として構築し、定着させる
◎学ぶ力が弱くても、大きく変容する――某球技の小学生アスリート研修の場合
◎学ぶ力が弱くても、大きく変容する――弊社の新入社員の場合①
◎学ぶ力が弱くても、大きく変容する――弊社の新入社員の場合②
第3章 学びを定着・持続させるメソッド「スティッキー・ラーニング」
◎「スティッキー・ラーニング」とは何か?
◎「スティッキー・ラーニング」のコンセプトと5つのエッセンス
◎大きく変化する学習のあり方
◎脳はどのように学んでいるか
◎記憶の仕組み
◎長期記憶に定着させる5つの経路
◎ネガティブな感情よりポジティブの感情のほうが記憶に残る
◎五感を刺激する――「スティッキー・ラーニング」を実践するための方法①
◎環境の影響力をナメてはいけない
◎視覚イメージを活用して教える――プレゼンする際の諸注意
◎既存の知識と結びつける――「スティッキー・ラーニング」を実践するための方法②
◎既存知識を関連づけるテクニック「先行オーガナイザー」
◎先行オーガナイザーの効果を決める「話すタイミング」
◎感情記憶を重視する――「スティッキー・ラーニング」を実践するための方法③
◎コア・メッセージを繰り返す――「スティッキー・ラーニング」を実践するための方法④
◎15分ルールを使いこなす――「スティッキー・ラーニング」を実践するための方法⑤
◎ちょっとしたムダ話こそ、部下の記憶に残る
◎理解度を推し量りながら、あえて実践させる
◎「残念な部下」の記憶に残すための8つの心がけ
◎「スティッキー・ラーニング」を使った紙上研修
第4章 部下のタイプ別「スティッキー・ラーニング」活用法
◎「スティッキー・ラーニング」を実践する
◎【タイプ①】社会常識に欠ける
◎【タイプ②】とにかく忘れてしまう
◎【タイプ③】悪知恵が働く
◎【タイプ④】やる気が感じられない
◎【タイプ⑤】こだわりが強すぎる
◎【タイプ⑥】とにかく否定的
◎【タイプ⑦】気が利かない
◎【タイプ⑧】失敗するキャラだと言い訳する
◎【タイプ⑨】優先順位のつけ方がおかしい
◎【タイプ⑩】コミュニケーションが下手
◎テレワーク時代の「スティッキー・ラーニング」
◎テレワークの環境だからこそ、「絞って伝えて、反復する」
◎テレワークでは、「視覚」と「聴覚」を完全に使い切る
第5章 「スティッキー・ラーニング」を使いこなすための日常トレーニング
◎五感を磨いて、部下の機微を捉える
◎「視覚」トレーニング
◎「聴覚」トレーニング
◎「嗅覚」トレーニング
◎「触覚」トレーニング
◎「味覚」トレーニング
◎瞑想トレーニング(マインドフルネス)
◎ふさわしい「たとえ」を探す――コミュニケーショントレーニング①
◎「言い換え」を探す――コミュニケーショントレーニング②
おわりに
著者について
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株式会社ホープス 代表取締役社長。プロフェッショナルコーチ(ACC、CPCC)。「スティッキー・ラーニング」の提唱者。
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成蹊大学卒業後、株式会社高島屋に入社して13年間在職。在職中は老舗百貨店ならではの社会人基礎力・礼儀マナー・顧客や店舗スタッフとのコミュニケーションを現場で学び、後には販売スタッフ教育や販売スタッフ教育制度設計も担当した。その後、ベンチャー企業役員を経て、2011年に独立起業。現在は教育研修会社の代表を務めつつ、自ら講師として年間50本・2500名(業界の偏りはなく、製造業・サービス業・金融業・病院・学校法人など多岐にわたる)の研修を行なっている。社会人研修の他に、プロスポーツ選手やトップアスリートに向けた座学研修の講師経験も豊富(年間のアスリート座学指導実績1000名超は、国内屈指の実績)。講師としての専門領域は、目標設定・チームビルディングなど。座学慣れしていないアスリートへの指導経験が豊富ゆえに、「わかりやすく伝える」「印象に留めるように工夫する」という指導法を用いることから、研修を実施する企業の人事担当者や受講生からは、「理解度が高い」「学びの定着度が高い」「即実践できる指導だった」といった評価が多く寄せられている。この指導教育メソッドを体系化した「スティキー・ラーニング」は、アスリートのみならず、一般ビジネスパーソンにおいても、組織全体の人材レベルアップを図れると高く評価されている。