私が著者の「小予算でできる小さな会社の差別化採用戦略」というセミナーに参加した時、実に多くの経営者の方が悩んでいました。お金はかけられないし、実際に給料や待遇面で大手と勝負しても勝てない、そして何より人が来ないし定着しないと、セミナーはみな真剣そのものでした。しかし、セミナー後は多くの方が晴れ渡ったような表情で会場を後にしていきました。その秘密は「ランチェスター法則」にありました。小さな会社が大きな会社に負けない「弱者の戦略」です。これを人材採用に応用して成功した会社の事例もあって、この内容を本にすれば中小企業の役に立てるとの思いで編集させていただきました。「これならウチもできる!」という方法です!
POSTED BY稲川
「給料・時給」「待遇」「求人チラシ・求人サイト」では大手に勝てない!
「給料・時給」を上げても、大手の募集する金額は到底出せない。「週給2日制」や「年次休暇120日以上」では工場がもたない。
「求人チラシ・求人サイト」で採用できず、コストばかりかかる。
今、多くの中小企業経営者が「人材採用」の悩みを抱えています。
全国の倒産件数は年々減っているという統計ながら、
人手不足倒産は中小企業を直接襲い、その数は逆に増えています。
しかし、そんな人材難の時代にも人材採用で成功している中小企業があります。
・子育てスタッフの生活をチラシにして説明会に15名。
5名採用した介護サービス会社(静岡県)
・技術をウリに近所から大卒技術者を採用した金属製作会社(大阪府)
・技術系主婦だけに絞って人材獲得に成功したリフォーム専門店(愛知県)
・店のシャッターを看板に、
店主の好きなことを書いてアルバイト学生を確保する居酒屋(大阪府)
こうした会社やお店は、人材募集に苦労していません。
むしろ来てほしい人材が向こうからやって来るという状態です。
なぜでしょうか?
そこには、小さな会社だからこそできる“ある戦略”が隠されています。
小さな会社が大手に負けない「弱者の戦略」を人材採用に応用
本書は「弱者の戦略」と言われるランチェスター法則を人材採用に応用したものです。
具体的には、経営戦略の「客層戦略」「商品戦略」「エリア戦略」を
そのまま人材採用に入れ換えて、募集する人から「選ばれる会社」になること。
そして、この3つの戦略に「差別化」を加え、
「あなたの会社に来てほしい人物像」
「どんなスキルを持ち、どんな環境にいる人か」
「長く働いてもらうために近いエリアを攻める」
を経営者の願望から描き、具体的な戦術に落とし込むのです。
もちろん、お金をかけないことは言うまでもありません。
たとえば、上記に記した
「子育てスタッフの生活をチラシにして説明会に15名。
5名採用した介護サービス会社」では、
理想の人物像を働いている1人スタッフを理想の人物像とし、
実際にその人の話をストーリーにして近隣にチラシを3回撒き、
募集してくる人の共感を得ることで、
同じような人を採用しました。
もちろん、そういった方には、時給や待遇ではなく
やりがいを持って長く働いてもらえます。
チラシには、時給や休みのシフトは書いていません。
それでも人は、その会社の考えに共感して募集してくるのです。
また最終章では、14年間離職者ゼロの会社の取り組みを紹介し、
長く、やりがいを持ってスタッフに働いてもらえる
「人材育成戦略」も掲載しています。
欲しい人材を採用して、しかも長く働いてもらう。
まさに理想の「採用のルール」が仕組み化できる1冊です。
【目次】
監修の辞 ランチェスター経営(株)代表 竹田陽一採用のルール★1 小さな会社が大手と戦っても人材競争に勝てない
あなたの会社に人材が集まらない!
大手には勝てない圧倒的な賃金・待遇の差
小さな会社は人材採用に打つ手はないのか?
リーマンショック並み。倒産比率8割が30人以下の会社
人手不足倒産は過去最高に!
これが現実。やはり低時給ではどんな待遇でも人は来ない
首都圏時給1200円!? 人材確保の競争はトレンド化している
今の若者の価値観が経営を襲う
採用のルール★2 あなたの会社はどんな人材が欲しいのか?
あなたの会社にぴったりの社員、アルバイトは正攻法では見つからない!
賃金で雇ったスタッフは会社に定着しない
共働きは当たり前。女性就業率ももはや70%を超えている
賃金よりもやりがいを求めている人が増えてきている
会社を辞める理由のトップは現場の人間関係
採用のルール★3「ランチェスター法則」で人材を採用する方法
人材採用は「お客様づくり」と同じ
どんな人材が欲しいかは社長の夢や想いで決まる
ランチェスター法則の「お客様づくり」が人材採用にも使える
「お客様中心」という原理原則を知っておく
弱者の戦略――経営の8大要素の3つの分野で1位になる
人材採用も「弱者の戦略」でやる!
「人材採用を弱者の戦略でやる!」とはどういうことなのか?
弱者の戦略は差別化戦略(=局地営業・小規模1位)
「チャンス→アプローチ→ヒアリング」で80%の人材が決まる
採用のルール★4 ランチェスター法則「弱者の人材採用戦略」
事例 過去に建築士として働き、現在は子育てをしている主婦を求め、
地域を絞って探し当てた工務店
募集人材との人間関係を築く「FUVSの法則」人材を探しにいくストーリーをチラシにする
事例 地域を絞って、働ける人へのメッセージ。
これまでゼロだった募集が3回のチラシで23名の問い合わせに
事例 高度な技術者を求めて、小さなエリアに8000枚のポスティングで、大卒エンジニアを獲得した金属加工業
事例 店のシャッターを看板代わりに、
店主の趣味を書きまくって人材を確保した焼き鳥店
あなたも人材採用の3大戦略を掲げよ!
採用のルール★5 小さな会社で社員が辞めずに長く働いてもらうための人材育成戦略
社長の願望・目的で決まる。人材育成もここから入る
事例 14年間離職率ゼロ。毎年1人ずつの採用で
スタッフ同士が助け合う文化が醸成したアルミ加工会社
人材育成に特効薬はない
スタッフ同士が仲良くなることが離職率を下げるコツ
お客様中心の経営に変えた時、スタッフの気持ちが変わる
「弱者の人材育成」はコミュニケーション戦術から始まる
スタッフとのコミュニケーションを図るさまざまな戦術
スタッフとのコミュニケーションを図る戦術の仕組み
興味を持った書籍から得た知識や考えを発表する
部門間を超えたつながりをつくる
社長はスタッフとどうコミュニケーションをとるべきか
スタッフから感謝が生まれる仕組みづくり
お客様が喜んでファンになるのと同じように、スタッフを喜ばせる
コミュニケーションは直接でなくてもいい
おわりに 佐藤元相
著者について
-
1位づくり戦略コンサルタント、NNA株式会社代表取締役。
View More
1962年生まれ。在阪のモノづくり企業に従事した自らの体験を踏まえ、コンサルタントとしてこれまで1300社以上の指導実績を持つ。また、豊富な現場経験から生み出された「No.1戦略」「下請け脱却戦略」をはじめ多彩なテーマで年間200回以上のセミナーを行い、「実践的かつ即効性がある」と好評を博している。自ら主催する「あきない実践道場」には全国からたくさんの経営者が参加。その理論を実践し短期間に多くの成功事例を生み出している。
日本最大の製造業ポータルサイト「エミダスホームページ大賞」業者制作部門グランプリと総合グランプリを2年連続受賞。『商工にっぽん』(4月号)の「稼ぐ名刺ベスト5」に選出。日本郵政公社全日本DM大賞ハガキ部門銅賞受賞。2006年より、ある上場企業の中国での戦略コンサルティングに携わり、中国市場におけるビジネスモデルを確立し、事業基盤の拡大、大幅な販売続伸に貢献。その成果により、プロジェクトチームが社長賞を受賞。「人を元気に 会社を元気に 地域を元気に!すること」を掲げ、経営者とより良い未来を一緒に創っていくことを自らの使命としている。
著書に『小さな会社★集客のルール』『小さな会社★NO.1のルール』『「あなたのところから買いたい」とお客に言われる小さな会社』『お客を呼ぶ! スゴい仕掛け』(いずれもフォレスト出版)がある。
ホームページ https://www.nna-osaka.co.jp/ -
中小企業コンサルタント、ランチェスター経営株式会社代表。
View More
福岡県久留米市出身。福岡大学経済学部卒業後、建材メーカーで経理と営業を経験。28歳の時に企業調査会社、株式会社東京商工リサーチに転職。34歳のときセミナーに参加してランチェスターの法則と出合う。44歳の時に起業してランチェスター経営を創業。以後、全国を講演で回り、講演回数は4300回を超える。
また、中小企業の社長向けに経営戦略CD150巻、DVD100巻を制作・販売している。中小企業コンサルタントの名手として、不動のポジションをキープし続けている。この間、法則の生みの親となったフレデリック・ランチェスター氏の墓参りを7回している。
著書に、『ランチェスター弱者必勝の戦略』(サンマーク出版)、『社長のためのランチェスター式学習法』『1枚のはがきで売上を伸ばす方法』(以上、あさ出版)、『小さな会社★社長のルール』『なぜ、「会社の数字」は達成されないのか?』『THE LANCHESTER STRATEGY FOR MANAGEMENT(英文のランチェスター戦略)』(以上、フォレスト出版)がある。
ホームページ http://www.lanchest.com/