「他人の暮らしに入り込む仕事」
訪問介護員が寄り添う、
家庭の事情、命の期限
――あなたも女優になれますか?
「誰かのケアをする」というキャパは重い障害のある息子たちを育てるとき、いっぱいになった。かわいいからこそ苦しかった。だから、たくさんの人に助けてもらった。
介護職に就いて10年がすぎ、今度は親が認知症になり、その介護が必要になった。
息子のケアと、他人のケアと、親のケア。私は期せずして3つのケアを体験した。
――これは私の地域の、その年月に、たしかにあった実話だ。
もくじ
まえがき――気がつけば毎日…第1章 あなたも女優になれますか?
某月某日 掃除のポリシー:誰に注意されようとも
某月某日 クビ案件:女優にならないと
某月某日 いくつに見える?:「前の事務所の人は…」
某月某日 もったいない:ニオイと闘う仕事
某月某日 セクハラジジイ:気に入らないとチェンジ
某月某日 入浴介助:「はぁ~、し・あ・わ・せ」
某月某日 グレーゾーン:やったらいけないことだらけ
某月某日 おいしい仕事、危険な仕事:ヘルパーは飲食禁止
某月某日 世知辛い世の中:こんなことにもお金をとるの?
某月某日「ああ、辞めた」:離職していく同僚たち
某月某日 身の上話:誰にどこまで話そうか
第2章 身内に泣かされる
某月某日 パワハラ娘:5ミリのズレも許しません
某月某日 ペットのお世話は…:鳥好きと犬好き
某月某日 介護ヘルパーになったワケ:結局、笑い話じゃん
某月某日 暗証番号を死守せよ:身内から逃げ回る
某月某日 認認介護:白ヤギさんと黒ヤギさんの
某月某日 高校自慢:言いたくてたまらない
某月某日 我慢が一番:奥さまの献身的介護
某月某日 脚力勝負:走れ、走れ、走れ
某月某日 マウントをとる:「介護福祉士」取得への道
某月某日 もう行きたくない:ケア直前になって
第3章 タダより高いものは…
某月某日 守銭奴:それぞれの宝物
某月某日 たった2億円:アカナベの裏の顔
某月某日 生活保護:荷物を下ろすタイミング
某月某日 物盗られ妄想:そして、着信拒否
某月某日 子機っ!!:「さえんこと」を「オモロイこと」に
某月某日 見知らぬ人たち:「なーんにもわからないばあさん」
某月某日 裏社会の姉御:私の困りごと
某月某日 ずるいずるい:西日本豪雨、悪戦苦闘
某月某日 看護師はやってこない:祖母の介護体験
某月某日 ワクチン打った?:私の主義は…
某月某日 やっぱりアレだった:チョコかと思ったら
某月某日 切るVS抜く:事実は想像のななめ上
某月某日 捨てる神あれば:「子」という響きの温かさ
第4章 まだ、やめたくない
某月某日 身内の介護、他人の介護:親だから腹が立つ
某月某日 さよならも言わずに:「わしが逝くときは」
某月某日 スッポン1980円:チャンスとピンチ
某月某日 利用者未満:忘れられない人
某月某日 悲しくないわけじゃない:ヘルパーは何も知らない
某月某日 命の期限:介護ヘルパーにできること
某月某日 大赤字:もう引き受けられません
某月某日 お花見:光の数だけ帰り先
あとがき――この恰好で胸を張って
【発行】三五館シンシャ/【発売】フォレスト出版