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伝説のブランド「春水堂」の日本上陸を実現、
コロナ禍のアパレルで「スーツに見える作業着」が売上400%増!

春水堂の本店で、「日本での展開」を突然思い描いてしまった。衝動的に店の人に頼んでいた。

「オーナーに会わせていただけませんか?」

店の人のあっけない返事は、こうだった。

「そういう人が世界中からたくさん来ます。全員断れ、と言われています」

春水堂には、こんなポリシーがあると知った。海外には絶対に出ない。

(本文より)

作業着を着ている人たちからは、作業着をなめるな、と。

スーツを着ている人たちからは、スーツを侮辱している、と。

さらには多くのアパレル関係者からは、素人のアイデア商法だと笑われバカにされた。

「これは服ではない、おもちゃだ」

(本文より)

飲食未経験の水道屋が、絶対に流行らないと言われたアジアンカフェで
空前のタピオカブーム、台湾ブームを牽引。
まったく新しいコンセプトの革命的商品でアパレルに進出、
大炎上するもコロナ禍で異例の大ヒット。
常識を覆し、世の中を巻き込むブームを仕掛けるのは、
いつだって熱狂的な「よそ者」だ――

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本書「はじめに」

 飲食業界における一大ブームとなった「タピオカミルクティー」。アパレル業界における異例の大ヒットとなった「スーツに見える作業着」。まったく異なる分野での事業をゼロから手掛けてきた。そんな僕の社会人としてのスタートは、今にも潰れそうな街の水道屋だった。それは、栃木県の田舎にある社員5名の実家の水道屋だ。


 僕は実家で働いた以外に就職したことがない。おそらくは、人生において履歴書を書いた記憶がない。大学時代に少しだけカフェバーでバイトしていたことがあって、その面接の時に書いたか書かなかったのか、という程度だ。もともとその店の店長は顔馴染みだったので、多分必要なかったはずだ。


 ITベンチャーや外資系コンサル、大手総合商社、人材会社、体育会系営業会社―起業家として活躍している人はそのようなキャリアを持つ人が多いが、僕はそのどれとも無縁だ。反対に、中卒叩き上げといった反骨精神バリバリともちょっと違う。

 社会人として、また、経営者として、ちゃんとした教育を受けて学んだことがない。仕事を教えてくれる上司や先輩がいたこともない。それどころか、高校に入学してから大学を卒業するまで、まともに机で勉強した記憶もない。


 余談になるが、2019年の暮れに、活躍する卒業生ということで、母校の中学での創立記念日の基調講演を依頼された。卒業生としてはなかなか名誉なことだ。結局コロナの影響で、その講演は中止になってしまったのだけど、講演では「学校の勉強で役に立ったことはひとつもない」という内容を話す予定だった。講演の最後は、タイトルとは逆説的に、明日から「勉強ちょっと頑張ってみようかな」って思える締めくくりになるのだけど、途中までの話は先生方が悲鳴をあげて青ざめるようなストーリー。「誰だ! あんな奴に依頼したのは?」。そんなシーンを楽しみにしていたのにな。ちょっと残念。


 なぜ、「勉強は役に立たない」というはじまりから、「勉強を頑張ってみよう」に繋がるのか、簡単に紐解いてみる。本当に僕は学校の勉強で経営の役に立っていることはひとつもない。これは真実だ。今やグーグルがなんでも教えてくれるし、必要な専門知識は5冊ぐらい関連本を斜め読みすれば十分だ。学校で勉強を全然しなくても社会で成功はできる。

「成功と勉強の関係」は「幸せとお金の関係」に似ている。お金がなくても幸せにはなれる人はたくさんいる。一方でどんなに唸るほどお金があっても、幸せになれない人もいる。ただ、選択肢という視点では、お金があったほうが様々な選択肢を持つことができる。ないよりはそりゃあったほうがいい。


 勉強もそうだ。いくら勉強ができても、成功できるかはわからない。けれど豊富な知識や学ぶ姿勢は、将来、様々な選択肢を持つことに繋がる。学歴もないよりはあったほうがましだ。選択肢をあえて、若い今から狭めてしまうのはもったいないという顛末だ。でも実際しなくても、なんとかはなるけど。

 問題の本質は、勉強をしないとダメだと頭ごなしに押し付けること。子どもたちは皆わかっている。勉強しなくたって、ググればいいじゃんって。ユーチューバーみたく成功してる人もたくさんいるって。勉強や学校の役割って、極論を言えばやりたいことが見つかるまでの健全な暇潰し。楽しいと思える前に押し付けられると、反発したくなるもの。


 さて、僕の話に戻る。最近、取材などでは恥ずかしくも「令和のヒットメーカー」との肩書を拝命している。門外不出のブランドといわれていた春水堂(チュンスイタン)を8年前に日本に誘致し、空前のタピオカミルクティーブームを仕掛け、新たな飲食のジャンルを創造した。アジアンカフェは絶対に日本では流行らないといわれていた業界の常識を打破した。

 その後、ヒットメーカーとしての真骨頂となったのは、服の売れない時代に仕掛けた “スーツに見える作業着” のブレイクだ。まったくもって服なんてつくったことのない会社が、アパレル業界の様々な常識や垣根をぶっ壊した。働き方改革、そして、コロナによる消費の変化に先駆けて潜在ニーズを掘り起こした。 “作業着スーツ” という枠を超えて「ボーダレスウェア」という新たな服のジャンルを創造した。


 しかし、どちらもまだ、飲食業界やアパレル業界における巨大なマーケットでのメジャーかといわれれば、程遠い。道はまだ半ばというか、ようやくスタートラインに立った程度だ。偉そうに成功メソッドなんて本を出版する立場かと言われれば、自分でも疑問だったりする。

 でも、コロナ以降の今のどんよりして行き詰まった時代で、倒産寸前の水道屋がどのようにして、様々な異なる業界でヒット事業を生み出すことができたのか。そんなちょっと珍しい僕の歩んできた道のりや手法が、誰かの事業の立ち上げの悩みや、たくましく生き抜くためのヒントにしてもらえたらと思って、この本を書くことを決めた。


 僕自身も、本書を通じて今までの人生や会社経営の振り返りに凄く役に立った。我ながらおもしれぇ波乱万丈な道のりだったなと。この先も、もっともっと険しく激しいドラマが待っているんだろう。心底ワクワクもするし、少しびびっていたりもする。ジェットコースターに乗る直前の心境に似ている。


 第1章は、僕の幼少期から水道屋として全国展開するまでの半生を振り返った。様々な挑戦と挫折の繰り返しが、今の経営スタイルの原点となり、発想力と行動力の源泉となっている。

 第2章は、水道屋がなぜ飲食やアパレル業界といったまったく異なる分野に無謀な挑戦をすることになったのか。そして、どのようにして困難を乗り越えて、ブームを起こすことができたかを綴った。

 第3章以降は、様々な業界での事業立ち上げを行ってきたなかで、たくさんの失敗や経験から学び、体得してきた僕なりの哲学やノウハウをマインド、スキル、リーダーシップ、逆境を乗り越える力と4つのカテゴリーに分けてコラム形式でまとめた。


 倒産寸前の水道屋にできたのなら、俺たちもやってみようぜ。そんな一歩に繋がってくれたら何よりだ。

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著書プロフィール

関谷有三(Yuzo Sekiya)

オアシスライフスタイルグループ代表取締役CEO。1977年栃木県生まれ。成城大学経済学部卒業後、倒産寸前だった実家の水道工事会社を立て直したあと、大手マンション管理会社と提携し業界シェアNO.1企業へと飛躍。さらなる事業拡大のためのアジア視察中、台湾で人気の老舗カフェブランド「春水堂」に惚れこみ、当時、海外進出を拒んでいた「春水堂」を3年かけて説得、日本への上陸を実現。タピオカブーム、台湾ブームの仕掛け人となる。その後、スーツに見える作業着「WORK WEAR SUIT ワークウェアスーツ」を素材の開発から行い商品化。アパレル業界で異例の大ヒットとなり、コロナ禍にもかかわらず売上前年比400%を記録。水道、飲食、アパレルとまったくの他業種でヒットを収め、各メディアでは「令和のヒットメーカー」と呼ばれている。


書籍を100冊ご購入いただいた方には、
著者の関谷有三氏が直接、講演や研修を行います!

『なぜ、倒産寸前の水道屋がタピオカブームを仕掛け、アパレルでも売れたのか?』
関谷有三 著

目次

  • はじめに
  • 第1章 はじまりは倒産寸前の水道屋
  • 第2章 飲食・アパレル業界での無謀な挑戦
  • 第3章 やりたいことは全部やれ マインド編
  • 第4章 今の時代に求められる人材 スキル編
  • 第5章 巻き込み、惹きつけろ リーダーシップ編
  • 第6章 逆境を乗り越えろ コロナすらチャンスに変える
  • おわりに

定価1,500円(税抜)
2021年3月発売

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令和のヒットメーカー×破天荒フェニックススペシャル対談動画

本書の著者・関谷有三氏と、著書『破天荒フェニックス(幻冬舎新書)』がベストセラー、
のちにドラマ化されたOWNDAYS(オンデーズ)グループCEO田中修治氏の
撮り下ろしスペシャル対談動画を特別に公開!

同じ歳で、倒産寸前の水道屋と巨額の債務を抱えた会社の立て直しという似た境遇、
現在は世界を舞台に活躍する親友2人のマル秘トークです!

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