國學院大學教授・情報文化研究所所長・Japan Skeptics 副会長。青山学院大学・お茶の水女子大学・上智大学・多摩大学・東京医療保健大学・東京女子大学・東京大学・日本大学・放送大学・山梨医科大学・立教大学にて兼任講師を歴任。ウエスタンミシガン大学数学科および哲学科卒業後、ミシガン大学大学院哲学研究科修了。東京大学研究生、テンプル大学専任講師、城西国際大学助教授を経て現職。
朝日カルチャーセンター・NHK文化センター・中日文化センター・ヒューマンアカデミーでも講座を担当。
専門は論理学・科学哲学。幅広い学問分野を知的探求!
著書は『理性の限界』『知性の限界』『感性の限界』『フォン・ノイマンの哲学』『ゲーデルの哲学』(以上、講談社現代新書)、『20世紀論争史』『自己分析論』『反オカルト論』『新書100冊』(以上、光文社新書)、『愛の論理学』(角川新書)、『東大生の論理』(ちくま新書)、『小林秀雄の哲学』(朝日新書)、『実践・哲学ディベート』(NHK出版新書)、『哲学ディベート』(NHKブックス)、『ノイマン・ゲーデル・チューリング』(筑摩選書)、『科学哲学のすすめ』(丸善)、『天才の光と影』(PHP研究所)など。
監修書は『記号論理学』『数理論理学』『不完全性定理』(以上、丸善)、『ゼロからわかる論理的思考』『思考の迷宮パラドックス』『ザ・ヒストリー科学大百科』『図鑑哲学』『合理性を捨てれば人生が楽になる』(以上、ニュートンプレス)、『認知バイアス事典』『認知バイアス事典:行動経済学・統計学・情報学編』(以上、フォレスト出版)など。
趣味はJazz・Wine・将棋四段。
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本書の原稿を読むまで、私は「論理」とは数学のように、必ず「答え」があるものと勘違いしていました。論理的に考えれば、必ず最適解が選べるのだと。そうした一面もあるのでしょうが、私がもっと重要だと感じたのは、論理的に考えることで、思ってもみなかった新たな可能性に気づけるということです。2つしか選択肢がないと思っていたのに、じつは4つも8つもあったりします。それをシルことができれば、問題解決能力が高まりますし、もっといえば、より豊かな人生の選択ができるようになるはずです。本書では、そうした論理的思考を基礎から応用まで解説します。そのうえで、相手を論破したり、黙らせたりするのではなく、建設的な話し合いのもと、できるだけ双方が納得できる着地点を探る「ロジカルコミュニケーション」が身につくように構成されています。
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View Moreホンモノの論理力とディベート力を身につける知の技法とトレーニング
「コミュニケーション」の根底にあるのは「他者理解」つまり自分以外の人々の考え方や生き方をどのように理解するのかというテーマである。
そこで重要になるのは、意見が違うという結論ではなく、なぜ意見が違ってくるのか、その理由を検討することであり、その際に求められるのが「論理的思考」に基づく、次の「ロジカルコミュニケーション」だ。
①賛成論と反対論の論点を可能なかぎり(少なくとも双方3 つ以上)明らかにして、
②どの論点に自分が価値を置いているのかを見極め、
③新たなアイディアを発見するディスカッションの過程を重視し、
④結論を変更してもかまわないので、
⑤その時点における自分の最適解を発見するコミュニケーション・スタイル。
本書では、さまざまな社会的・哲学的問題を提起し、多彩な論点を浮かび上がらせて、ディスカッション・ディベートの技法をつかめるように工夫している。
まともな大人は「論破」しない
現代の日本で主流になっているのは「相手を黙らせるコミュニケーション」だ。
双方が自己主張をぶつけ合い、場合によっては相手を嘲笑したり罵倒したりして、一方が黙り込むと、他方が「はい、論破!」のように勝ち誇るというタイプのコミュニケーションといえる。
この種の詭弁・暴言・論破に打ち勝つのが「ロジカルコミュニケーション」である。
とくに、家庭や学校や職場といった生活の中心基盤で、なぜか円滑なコミュニケーションができない、会話そのものが苦手、他者との距離の取り方が難しいなど、コミュニケーションに本質的な問題を抱えている読者には、本書の内容は抜群の効果を期待できるはずだ。
本書の構成
本書は、第1章:基礎、第2章:応用、第3章:論証、第4章:パラドックス、第5章:ジレンマの全5章で構成されている。
第1章 論理的に考えて、うまく伝えるには? 【基礎】
「論理的思考」と「コミュニケーション」の基礎を解説する。ここでは「ロジカルコミュニケーション」に必要な最低限度の「マナー」を身に付けていただく。
第2章 詐欺に騙されないためには? 【応用】
「記号」を用いて「論理的思考」の本質を解説する。「+・—・×・÷」の意味がわからないと「算数」を理解できないように、「¬・∧・∨・⇒・⇔」といった「論理記号」を理解できないと、論理学の圧倒的な有効性に到達できないからである。
どうしても「記号」が苦手な読者のためには「論理記号」に対応する「説明」を併記してあるので、そちらを読み進めていただきたい。
第3章 筋道立てて、証明するには? 【論証】
「論理的思考」で最も重要になる「妥当性」に着目しながら、アリストテレス以降のさまざまな「論証」形式を修得する。ここで正統な論理学の流れを実感しながら、最終的には、パズルを用いて、論理学界の「ランドマーク」と呼ばれる「不完全性定理」まで理解できる仕組みになっている。
第4章 論理を突き詰めるとどうなる? 【パラドックス】
古典的論争やパラドックスを「論理的思考」を用いて考察するとどうなるか、その驚異的なおもしろさに触れていただく。
第5章 世の中の難問に、どう答える? 【ジレンマ】
「第5章:ジレンマ」では、現実に解決困難な社会的ジレンマに関する議論を取り上げた。ぜひ読者にも一緒に「ロジカルコミュニケーション」を用いて考える楽しさを味わっていただきたい。
必ずしも最初から順を追って読み進める必要はないので、気になるセクションから好きなように読み飛ばしてほしい。
不明な言葉があれば前に戻って確認し、何度も前後左右を読み返しながら、事典のように読み込んでいただきたい。
結果的に、いつの間にか「論理的思考」と「ロジカルコミュニケーション」が身に付いているはずだ。
目次
第1章 論理的に考えて、うまく伝えるには? 【基礎】
コミュニケーション能力/愛の三角関係/多種多彩なアドバイス/状況の図式化/すべての条件を満たす方法/三角関係の組み合わせ/論理的思考/バランス理論/価値観/賛否両論/論点のすりかえ/対人論法 /トーン・ポリシング/お前だって論法/お前だったら論法/衆人に訴える論法/感情に訴える論法 /信仰に訴える論法/権威に訴える論法/藁人形論法/赤いニシン論法/非言語コミュニケーション/いかにして問題をとくか
第2章 詐欺に騙されないためには? 【応用】
白黒論法/命題/排中律/二分法の詐欺/株式コンサルタントの詐欺/「宝くじ」は「ほとんど詐欺」/否定「Pではない」(¬P)/連言「PかつQ」(P∧Q)/選言「PまたはQ」(P∨Q)/ド・モルガンの法則/条件「もしPならばQ」(P⇒Q)/逆・裏・対偶/同値「Pのときに限ってQ」(P⇔Q)/トートロジー/矛盾/完全真理表
第3章 筋道立てて、証明するには? 【論証】
モダス・ポネンス/モダス・トレンス /後件肯定虚偽/前件否定虚偽/仮言三段論法/選言三段論法/加法/単純化/乗法/構成的ジレンマ/矛盾の証明/ナイトとネイブのパズル1/ナイトとネイブのパズル2/ナイトとネイブのパズル3/ナイトとネイブのパズル4/ナイトとネイブのパズル5/ゲーデルの不完全性定理/ナイト・クラブとネイブ・クラブのパズル/ゲーデルの証明/ゲーデルの証明の意味/不完全性定理のアナロジー
第4章 論理を突き詰めるとどうなる? 【パラドックス】
全能のパラドックス/宇宙論的証明/存在論的証明/目的論的証明/ワニのパズル/自己言及のパラドックス/相互言及のパラドックス/自意識のパラドックス/双子のパズル/言語理解のパラドックス/ドル・オークション/チキン・ゲーム/無限循環のパラドックス
第5章 世の中の難問に、どう答える? 【ジレンマ】
志願者のジレンマ/腐ったリンゴ仮説/囚人のジレンマ/ナッシュ均衡/ゲーム理論/プレゼント・ゲーム/新たなプレゼント・ゲーム/社会的ジレンマ国際学会/評論家の論法/非論理に陥った科学者/ノーベル病/演繹と帰納/述語論理/一発帰納/科学と帰納法/反証主義 -
8万部のロングセラー『情報正しく選択するための認知バイアス事典』の待望の続編です。今回は「行動経済学」「統計学」「情報学」という3つの分野から認知バイアスにアプローチしました。金銭的に、あるいはビジネスにおいて「具体的に、自分に損させる」認知バイアスがたくあります。「あの選択は間違っていたんだ!」「この感じ、あるある!」と膝を打つこと間違いなし。本書で解説されている60の認知バイアスを知っているかどうかで、ビジネスや人生の結果が大きく変わることでしょう。前作とあわせて、ぜひ心の不思議な動きを探ってみましょう。
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View More「行動経済学」「統計学」「情報学」の3つの研究分野からアプローチ。
なぜか人間に実装されている脳のバグとも言うべき「認知バイアス」。
合計60の認知バイアスを解説します。
本書では、「行動経済学」「統計学」「情報学」の3つの研究分野からアプローチし、計60の認知バイアスを豊富な図版とイラストを用いて解説します。
「認知バイアス」という言葉自体、難しく感じるかもしれませんが、実は以下のような場面において私たちの日常へ小さくない影響を与えています。
●合理的に決断していたのに、期待とは逆の結果になってしまう。
●いつもなら絶対にしないようなギャンブルに魅力を感じてしまう。
●ついつい無駄遣いをしてしまい、なかなか貯蓄できない。
●上司のちゃぶ台返しに右往左往させられている。
個人のことだけではありません。
カルト・陰謀論・詐欺・差別・分断・誹謗中傷……などの諸問題、そして世の中のわけのわからない判断やミスリードは、本書に記されている60のバイアスのどれか、あるいはその組み合わせによって生まれていると言っても過言ではありません。
認知バイアス対策は、まずはどんな認知バイアスがあるかを知ること。
その手助けをするのが本書の役割です。
思っているほど、あなたは賢くないし、あなた以外は愚かじゃない。
本書で解説されているいくつかの認知バイアスによると、人は自分の能力を過大評価し、他人の評価を過小評価する傾向が強いことがわかっています。
つまり、「自分は騙されない」「正しく世の中を見ている」と自信がある人は、自分が騙されたり、間違っている可能性があることに、もっと自覚的になるべきということです。
一方、「マスゴミの偏向報道に騙されるな」「子どもの教育に良くない」と心配するまでもなく、ほとんどの人は理性的に情報を受け取っていると考えられます。
今、こうした前提を顧みない独善的な言説が目立っていないでしょうか。
社会を正しく見るためにも、私たちは自分や他人へはもちろん、情報や知に対する謙虚さを取り戻すべきなのでしょう。
そのことを、きっと本書の60の認知バイアスが私たちに教えてくれます。
目次
監修者まえがき ―「認知バイアス」を理解して「騙し」に打ち勝つ!
第Ⅰ部 認知バイアスへの行動経済学的アプローチ
01 アンカリング/02 サンクコストの誤謬/03 メンタルアカウンティング/04 自信過剰/
05 ピア効果/06 後知恵バイアス/07 現在バイアス/08 損失回避性/
09 確実性効果/10 社会規範/11 フレーミング効果/12 選択肢過剰/
13 ピークエンドの法則/14 極端性の回避/15 ハウスマネー効果/16 符号効果/
17 デフォルト効果/18 無料の力/19 貨幣錯覚/20 確率加重関数
第Ⅱ部 認知バイアスへの統計学的アプローチ
01 平均による誤謬/02 アンスコムの数値例/03 棒グラフの誤用/04 折れ線グラフの誤用/
05 3Dグラフの誤用/06 絵グラフの誤用/07 標本の偏り/08 自己選択バイアス/
09 健康労働者効果/10 バークソン・バイアス/11 集団間比較の誤謬/12 シンプソン・パラドックス/
13 時系列比較の誤謬/14 回帰の誤謬/15 少数の法則/16 有意差の誤謬/
17 検定の多重性/18 モンティ・ホール問題/19 基準率の無視/20 検察官の誤謬
第Ⅲ部 認知バイアスへの情報学的アプローチ
01 利用可能性ヒューリスティック/02 生存者バイアス/03 限定合理性/04 ウーズル効果/
05 グーグル効果/06 第三者効果/07 敵対的メディア認知/08 意地悪世界症候群/
09 どこでも効果/10 クラスター錯視/11 カテゴリーサイズバイアス/12 単位バイアス/
13 比率バイアス/14 目立ちバイアス/15 理解レベル効果/16 回答バイアス/
17 ナンセンスな数式効果/18 計測効果/19 観察者効果/20 素朴実在論
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私にとって、編集しがいのある本は「自分の学びになる本」です。編集過程で自分の知らなかったことを学べたり、わからないところは著者に質問したり。そんな編集者ならではの特権を使って仕上げた本が、『情報を正しく選択するための認知バイアス事典』。監修者の高橋昌一郎先生を筆頭に、各専門分野の研究者3名が執筆しました。読み応え抜群です。ぜひ、「認知バイアス」という不思議な心の動きを学んでみてください。
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View More「60の心のクセ」に3つの研究分野からアプローチして解説
陰謀論やフェイクニュースが溢れている情報過多な時代において、あなたは正しく情報を選択できているでしょうか?
自信があるという人ほど、ぜひ本書に目を通してください。私たちの認知を歪ませる現象の多さに驚き、自分の偏った情報の受け取り方に気づかされることでしょう。
しかし、それこそが情報を正しく見るための第一歩。
なぜなら、認知バイアスを知らずして、自分が認知バイアスに陥っていることに気づくことは難しいからです。
本書は3部構成になっています。
認知バイアスに分類される用語は数百以上存在しますが、意味や用法が曖昧であったり、重複しているものも多いものです。そこで論理学・認知科学・社会心理学3つの専門分野それぞれで必要不可欠な20項目を厳選し、合計60項目にまとめ、図版やイラストを交えて解説しています。
賢い人・偉い人も、「見たいもの」だけ見るとバカになる
なぜ、優秀な実績を残した学者でも、国民から選ばれた政治家でも、時にとんでもない舌禍事件を起こすことがあるのでしょうか?
その理由の1つに、「自身の周囲の常識」=「世間の常識」と捉えてしまう認知の歪みがあるかもしれません。
人は、自分の見たいものだけ見て、それ以外の情報に耳を閉ざしがちです(cf:チェリー・ピッキング)。
さらに自分の考えと近しい人を周囲に集め、それ以外を攻撃したくなるものです(cf:内集団バイアス)。
自分の好きな人、気になる人をフォローした、あなたのSNSのタイムラインは、その傾向を如実に語っているかもしれません。
「もしかしたら、自分はとんでもない勘違いをしているかもしれない」
「特定の情報ばかり拾って、それ以外の大切な何かを見失っていたかもしれない」
「何気ない自分の意見が、誰かをものすごく傷つけてきたかもしれない」
そんな不安を少しでも感じるのであれば、ぜひ認知バイアスという不思議な心の動きを学んでみてください。世界や自分自身の見え方をアップデートするきっかになるはずです。
目次
まえがき――「認知バイアス」とは何か?
第Ⅰ部 認知バイアスへの論理学的アプローチ
01 二分法の誤謬/02 ソリテス・パラドックス/03 多義の誤謬/04 循環論法/05 滑りやすい坂論法/06 早まった一般化/07 チェリー・ピッキング/08 ギャンブラーの誤謬/09 対人論法/10 お前だって論法/11 藁人形論法/12 希望的観測/13 覆面男の誤謬/14 連言錯誤/15 前件否定/16 後件肯定/17 四個概念の誤謬/18 信念バイアス/19 信念の保守主義/20 常識推論
第Ⅱ部 認知バイアスへの認知科学的アプローチ
01 ミュラー・リヤー錯視/02 ウサギとアヒル図形/03 ゴムの手錯覚/04 マガーク効果/05 サブリミナル効果/06 吊り橋効果/07 認知的不協和/08 気分一致効果/09 デジャビュ/10 舌先現象/11 フォルス・メモリ/12 スリーパー効果/13 心的制約/14 機能的固着/15 選択的注意/16 注意の瞬き/17 賢馬ハンス効果/18 確証バイアス/19 迷信行動/20 疑似相関
第Ⅲ部 認知バイアスへの社会科学的アプローチ
01 単純接触効果/02 感情移入ギャップ/03 ハロー効果/04 バーナム効果/05 ステレオタイプ/06 モラル信任効果/07 基本的な帰属の誤り/08 内集団バイアス/09 究極的な帰属の誤り/10 防衛的帰属仮説/11 心理的リアクタンス/12 現状維持バイアス/13 公正世界仮説/14 システム正当化バイアス/15 チアリーダー効果/16 身元のわかる犠牲者効果/17 同調バイアス/18 バンドワゴン効果/19 ダニング=クルーガー効果/20 知識の呪縛
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