「日本人とはどういうものであるか」というテーマが、日露戦争における高潔の士たちを通して描かれる。
日本の命運を決めた『坂の上の雲』の時代~日露激突・雲外編~
谷沢 永一 著/太平洋戦争研究会 著
1,540円(税込)
NHKスペシャルドラマもついに佳境に突入
2009年から放映されているドラマ『坂の上の雲』が2010年も引き続き放映される。
正岡子規の死、秋山好古、真之兄弟も日露開戦へと向かい、
司馬遼太郎作品もクライマックスへ。
本書は、2011年度まで放映される日露戦争の勝利までを一気に掲載。
写真も100点以上紹介し、
主人公だけでなく、歴史に名の残らなかった人々の
壮絶なる戦いを描いていく。
旅順口の閉塞作戦の失敗や広瀬武夫の殉死、
旅順総攻撃、203高地の激闘、
日本海海戦におけるバルチック艦隊の壊滅など
日本が駆け抜けた歴史、高潔の士の姿を
写真と解説で振り返る。
谷沢永一と司馬遼太郎
司馬遼太郎の生前より親交の厚かった谷沢氏が、「もうひとつの"坂の上の雲"」を描く。
人間通であった司馬遼太郎が生涯のテーマとしていたのは、
日本人が日本社会において生きていくためには、
そういう思案、工夫が必要であるかを語ることであった。
その中で、10年という歳月をかけて描いた日露戦争とは、
日本人にとって、いったい何を残したのか。
谷沢永一が語る坂の上の雲の時代がコラムとして詳述される。
- 正岡子規がもたらした短歌徘句の革命
- 立小便 よくぞ男と生まれけり
- 泣く子も黙る三宅坂
- 生きる道を見据えていた時代
- 日英同盟~思い上がりの季節へ
日本人というものについて、
今一度、司馬の問いかけに対する答えが
浮かび上がってくる。
著者について
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1929年大阪市生まれ。評論家。書誌学者。関西大学名誉教授。
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関西大学国文科大学院博士課程修了。在学中に開高健、向井敏らとともに同人誌「えんぴつ」を創刊。関西大学文学部教授を務めた後、1991年に退職。専攻の日本近代文学、書誌学の分野はもとより、該博な知識に裏打ちされた社会評論には定評がある。
『完本紙つぶて』でのサントリー学藝賞をはじめ、読売文学賞(『文豪たちの大喧嘩』)、毎日書評賞(『紙つぶて 自作自注最終版』)、大阪市民表彰文化功労章、大阪文化賞など各賞を受賞。
著書に『歴史が遺してくれた日本人の誇り』『人間通』『開高健の名言』など多数。 -
主として日清・日露戦争から太平洋戦争に至る近現代史に関する取材・執筆・編集グループ。図説シリーズ「ふくろうの本」の『日露戦争』『太平洋戦争』(河出書房新社)、『日露戦争と明治の群像』『「世界の戦艦」パーフェクトガイド』(世界文化社)、『日露戦争がよくわかる本』(PHP文庫)、『面白いほどよくわかる太平洋戦争』(日本文芸社)ほかを編著。
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主要メンバーに、平塚柾緒(代表)、森山康平、平塚敏克、水島吉隆、山遊など。