今、人間の身体を使った思考法が求められている。
ことばにまだなっていない、漠然とした“からだの感じ”としてだけあるもの――違和感、もやもや…を、漠然としたまま抱え、全身感覚に照らし合わせながら、ぴったりのことばで言語化し、ゆくて(生き続ける方向)を つかんでいく、AIにはできない、人間だけができるアプローチ。
フォーカシングで知られる心理療法家・哲学者のジェンドリンが提唱する「新しい種類の人類」の思考法。
TAE思考法がおのずと展開するワーク、ワークシート満載!
やりがい、働きがい、生きがい…をリアルに感じる日々が、あなたを待っています。
目次
はじめに TAE思考法とは漠然力で考えるTAE 思考法
あいまいなまま全身感覚で抱える漠然力
「あるのに気づかない」ものがリアルに感じられるようになる
心理技法「フォーカシング」を思考法に応用
AI時代に全身感覚を使って思考する
身体は「ばくぜん」と生き続ける方向を知っている
「働きがい」を感じながら働くために
EXERCISE part 漠然力を強化する:全身感覚で「ばくぜん」を感じる
「ばくぜん」を全身感覚で感じとる
「ばくぜん」と「明確」を切り替える
AIは「ばくぜん」を感じることはできない
EXERCISE 全身感覚を感じる テーマ:ばくぜん
1-1 リーフィングケア 小刻みに揺れる
解説「ばくぜん」と全体を感じる
1-2 リーフィングケア 響く
解説 樹の「感じ」と響き合う
1-3 リーフィングケア 伸びゆく
解説「今の私の感じ」を感じる
2「感じ」を色で表現する
解説「ばくぜん」を色とことばで表現する
3-1 写真を感じる
解説「表現」⇄「感じ」を行き来する
3-2 写真を響き合わせる
解説「この感じ」が出てくるのを待つ
THEORY part 理論的背景-ジェンドリン哲学を知る:人間の漠然力を活用する
TAE の背景 ジェンドリン哲学のキーワード
AI時代こそ全身感覚を活かそう
新しい種類の人類の思考法TAE
LESSON part 全身感覚をよび起こす:メタファー、パターン
TAE の技法を日常的に使う
LESSON メタファーを動かす
テーマ 仕事
1-1 仕事は楽園だ
1-2 仕事は監獄だ
1-3 仕事は○○だ
解説 メタファーを働かせパターンを感じる
テーマ 職場の人間関係
2-1 上司はタンポポだ
2-2 同僚はタンポポだ
2-3 後輩(部下)はタンポポだ
解説 メタファーによって無形のものが形を成す
PRACTICE part 全身感覚でことばをつかむ
まだ気づいていない側面を浮かびあがらせる
PRACTICE 違和感にとどまる
テーマ 日々の暮らし 1-1 こだわりをつらぬく
テーマ 職場のチームワーク 1-2 矛盾をとぎすます
テーマ 社会システム 1-3 小さな違和感をとぎすます
まだことばになっていないものを漠然力で感じとる
クロッシングで「ばくぜん」とした価値観に迫る
テーマ あなたが感じる違和感
1-4 3つの違和感をクロッシングする
解説 クロッシングで立ち上がる新パターン
1-5 インターロッキングし核心を表現する
解説 クロッシングとインターロッキング
PRACTICE 求める方向をつかむ
テーマ あこがれ
2-1 あこがれの起業家、ビジネスマン
2-2 あこがれをクロッシングする
2-3 インターロッキングし核心を表現する
解説 あと少し、あと一手をつかむ
SYSTEMATIC part 働く私の「ゆくて」をつかむ
「働きがい」をリアルに感じる
SYSTEMATIC 系統的にTAE に取り組む
テーマ 働きがい
1 仕事で感じた満足感を拾う
2 マイセンテンスを創る
解説 マイセンテンスを手がかりに「この感じ」をつかむ
3 経験からパターン文を創りクロッシングする
4 自分のことばでまとめる
解説 全身感覚を言語化するTAE 思考法
日々の思考に漠然力を活用するTAE 思考法を
こんなとき、TAE思考法 for ビジネスパーソン
こんな人に、TAE思考法 for ビジネスパーソン
【発行】ミズノ兎ブックス/【発売】フォレスト出版
著者について
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開智国際大学国際教養学部教授。 東京大学、上智大学大学院、東洋大学非常勤講師。 日本生命保険相互会社勤務、日本女子体育大学教授、宮崎大学教授等を経て現職。博士(人文)。The International Focusing Institute(TIFI) Focusing Trainer、TAETeacher。
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2005年、ニューヨークにおけるワークショップにて、ジェンドリン本人より TAE を学ぶ。 文章表現、日本語教育、心理・教育における質的研究など、日常生活での使用からアカデミックな 活用まで、幅広い場面・分野での TAE の普及に努める。 TIFI 主催の TAE Academy(2022/2024)、TAE-fest(2023)でワークショップ、Gendlin Symposium(2023)では featured speaker として招待され発表をおこなう。東京、札幌、大阪など日本各地の他、台北、上海でもワークショップをおこないTAE を紹介している。
また、TAE 研究会を主宰し、TAE 関連のオンライン講座を企画、提供。TAE シンポ ジウムの開催など学術交流にも努めている。TAE 研究会: https://taetokyo.jimdofree.com 著書:『TAE による文章表現ワークブック』(図書文化社 2008)、『ジェンドリン哲学入門』(共著 コスモス・ライブラリー 2009)、『ステップ式質的研究法』(海鳴社 2010)、『「主観性を科学化する」質的研究法入門』(共編著 金子書房 2016)、『質的研究法マッピング』(共著 新曜社 2019)ほか
訳書:ジェンドリン『プロセスモデル』(共訳 みすず書房 2023)