かつては日本のお家芸だった半導体産業がなぜこんなに衰退してしまったのか、そしてここにきてなぜ半導体が世界的に盛り上がっているのか、日本がその流れのなかで再び浮上するチャンスはあるのか……という関心から立ち上がった企画でしたが、日本にはまだまだ可能性があることがわかる1冊となりました。
POSTED BY寺崎
さまざまなプレイヤーが蠢く半導体産業
「2023年、米国の半導体企業エヌビディアが時価総額で1兆ドルを達成!」「半導体受託生産で世界最大手TSMC(台湾積体電路製造)の時価総額が2024年7月に1兆ドル超!」
「経済産業省がTSMCを熊本県に誘致、本格的な生産を開始!」
「日本政府の肝入りで発足したラピダスははたしてうまくいくのか?」
このように半導体をめぐって、さまざまなプレーヤーたちが蠢いている。
最近は、半導体関連の記事を新聞で見ない日がなくなった。
かつて「産業のコメ」と呼ばれた半導体は、いまや「産業の頭脳」であり、国家にとっては「重要戦略物資」として世界各国がしのぎを削っている。
いまなぜ、ふたたび「半導体」か?
半導体がもてはやされている最大の理由は、生成AIをはじめとするAI(人工知能)の実現に欠かせないからだ。生成AIには成長がこの先10年以上も見込まれており、AIには半導体が欠かせない。量子コンピュータも研究開発されつつあるが、それを制御するのも実は半導体である。
さらに2050年までに温室効果ガスの発生と吸収の合計をゼロにするカーボンニュートラルに向けてさまざまな技術が求められているが、CO2を吸収する植物、CO2を分解する技術などに加え、再生可能エネルギーやエネルギーを無駄にしない省エネ技術は半導体の活躍の場である。
また電力網の制御や再生可能エネルギーから基幹電力網へ電力を送る場合も半導体が求められている。もちろん電気自動車には必須だ。
これほどまでに半導体が普及したのは、単なる電子回路の枠を超えて、コンピュータというべき頭脳になったからだ。
半導体は日本経済を救うのか?
翻って、我が国の半導体産業の状況はどうか。
かつて、1980年代には世界の半導体シェアの50%超を占めていた日本の半導体産業は、その後右肩下がりに凋落の一途をたどっている。
その背景には、1986年に制定された日米半導体協定、ファブレス/ファウンドリ型のビジネスモデルへの乗り遅れ、安価な海外半導体メーカーとの競争に敗れたことが原因と言われている。
しかし、はたしてその真相はどこにあるのか?
半導体は失われた30年を経た日本経済を救うのか?
これまで40年の長きにわたり、国内外の半導体産業をめぐって、あまたの関係者に取材を重ねてきた国際技術ジャーナリストが、国内の半導体産業再燃の機運が高まる今、日本の半導体産業の「過去」そして「現在」を分析して「未来」を占う!
本書の構成
第1章 半導体産業の最新地図盛り上がりを見せる半導体産業
日本の半導体産業の現状
第2章 日本の半導体産業――「これまで」と「これから」
日本の半導体産業が衰退した理由
再び半導体の機運が高まる
これからの半導体産業のあるべき姿
第3章 半導体産業の全貌を眺める
半導体産業を担うプレイヤー
半導体の設計工程
安定成長するファブレス半導体メーカー
複雑化が進む半導体製造の世界
製造工程だけを受け持つファウンドリの誕生
アセンブリ工程
ますます拡大する半導体産業
第4章 これだけは押さえておきたい「半導体」のこと
半導体はもともと材料の名前
半導体の設計工程
半導体の製造工程
第5章 これだけは押さえておきたい「半導体産業」の歴史
半導体産業の発展形態
日本の半導体産業の残念な歴史
第6章 これからの半導体産業の未来地図
これからの半導体技術
これからの人材教育
さまざまな知識の融合の時代
人間愛をベースに半導体産業を考える
第7章 半導体産業の成長企業群
半導体企業(ファブレス、ファウンドリ、IDM)
半導体製造装置企業
半導体材料企業
EDA・IP企業
半導体ユーザー企業
購入者限定無料特典
国際科学ジャーナリストが徹底取材!半導体産業 最前線の舞台裏(PDF)
国際科学ジャーナリスト歴40年の著者が、半導体産業のさらなるディテールに斬り込んだ、分析記事をまとめました。読み応え充分なコンテンツとなっております。購入者限定特典として、どうぞお楽しみください。
※無料プレゼントは、お客様ご自身で別途お申し込みが必要です。
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小冊子・CD・DVDなどをお送りするものではございません。
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あらかじめご了承ください。
著者について
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セミコンポータル編集長、News&Chips編集長
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半導体・エレクトロニクス産業を40年取材。日経マグロウヒル(現・日経BP)を経て、Reed Business Informationで、EDNJapan、Semiconductor International日本版を手掛けた。代表取締役就任。米国の編集者をはじめ欧州・アジアのジャーナリストとの付き合いも長い。
著書『メガトレンド半導体 2014-2023』(日経BP)、『欧州ファブレス半導体産業の真実』『知らなきゃヤバイ! 半導体、この成長産業を手放すな』(共に日刊工業新聞社)、『エヌビディア―― 半導体の覇者が作り出す2040年の世界』(PHP研究所)など。