多くの教育者や支援者から、圧倒的な信頼と支持を集める米澤先生。現場の視点を大切に、数万人のこどもをみて、愛着の問題に取り組まれてこられました。
本書は、その米澤先生のはじめての“親御さん向け”の書籍。ともすると、複雑になりがちな愛着の問題を抱えるこどもへの対応を、仕事や家事に忙しいママ、パパにも実践しやすいよう、できるだけシンプルにわかりやすく解説していただきました。
愛着の問題は、どんな人も多少は抱えています。ぜひ、お子さんには、しっかりとした愛着の絆を育んであげてください。
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こどもの困った行動が減り、壁を乗り越える力が育つ!
・大人の言うことを聞こうとせず、だだをこねたり、泣き叫んだりする・してはいけないことを指摘されても、受け入れられない、謝れない
・注意されたり叱られたりすると、よけいに困った行動が増える
・望むことをしてもらっても、満足できず、もっとしてと要求する
・「どうせ無理」と、行動する前から諦めてやろうとしない
・友だちとトラブルになると、わるいのは自分ではなく相手だと主張する
・じっと座っておられずに走り回り、追いかける大人を見てさらに逃げ回る
・他の子の弱点や欠点を「やーい!」とはやし立てる
お子さんの困った行動に、
なぜそんな行動をするのか、
どう対応すればいいのか、
迷っている親御さんも多いのではないでしょうか。
こどもの発達障害が注目され、
その人数は、ひと昔前よりも大幅に増えています。
そういったことから、
わが子の発達障害を疑う方も多いでしょう。
しかし、実際の診察の現場では、
発達障害かのような行動が目立つこどもでも、
明確な診断が降りないことも多いようです。
ここで、知っておいてほしいことは、
実は、一見発達障害かのように見える子どもの行動は、
愛着の問題が原因であることが、多いということです。
愛着の問題と聞くと、「愛情が足りないってこと?」と
不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、どんなに“良い”とされる子育てをしても、
愛情を伝えていても、
“愛着の問題”は起こります。
本書では、“こどもの愛着障害”の第一人者である著者が、
その行動の原因と、
困ったを減らす接し方、愛情を伝える接し方を
わかりやすく解説しています。
人が幸せに生きていくためのこころの基盤である「愛着」。
わが子との「愛着」をしっかりと結び、
困難を乗り越える力を育ててあげましょう。
気になる本書の内容
本書の内容は以下のとおりです。はじめに こどもの困った行動はなぜ起こる?
第1章 こどもの行動には、必ず「理由」がある
こどもの困った行動の原因は3つに分けられる
「発達障害」と「愛着の問題」の大きな違い
「愛着」がうまく結べていないときに起こること
こどもとの愛情の絆を結ぶために必要な〝3つの基地機能〟
わが子をよく知るために意識したい11の特徴
愛着の絆は「健やかに生きる」ための土台
第2章 愛着の問題は、何歳からでも修復できる!
愛着の問題にまつわる大きな誤解
発達障害と愛着の問題を見分ける5つのポイント
発達障害か愛着の問題かで、対応は大きく変わる
見分けるポイント① 「多動」のあらわれ方をチェックする
見分けるポイント② 友だちとトラブルが起きたときの様子をチェックする
見分けるポイント③ 片づけられない・ルールを守れない理由をチェックする
見分けるポイント④ 不適切な行動を注意したときの反応をチェックする
見分けるポイント⑤ 困った行動を無視したときの反応をチェックする
愛着の問題を抱えるこどもの3つのタイプ
第3章 こどもの困った行動をまねく「まちがった」接し方
困ったを増やす接し方① とりいそぎ厳しく叱る
困ったを増やす接し方② 何をしても叱らない
困ったを増やす接し方③ たくさん褒めて甘えさせる
困ったを増やす接し方④ 本人に理由や気持ちをまず尋ねる
困ったを増やす接し方⑤ こどもの話を聞く
困ったを増やす接し方⑥ 困った行動をしたら無視する
困ったを増やす接し方⑦ いろんな大人がそれぞれにかかわる
第4章 今からできる「愛情がしっかり伝わる」接し方
こどもが愛情を受けとれれば、困った行動は必ず減る
重要なのは〝こどもの感受性〟を意識すること
愛情が伝わる接し方① 「1対1」で同じことを一緒にする
愛情が伝わる接し方② 情報収集して「こんなことがあったのね」と先取りする
愛情が伝わる接し方③ 「これ、してもいいよね?」を見逃さない
愛情が伝わる接し方④ 報告には「わかるよ、その気持ち!」と共感する
愛情が伝わる接し方⑤ 「今、こう思っているよね?」と気持ちを言い当てる
愛着の修復は「気づいたときがいつでもチャンス」
きょうだいがいる場合も「1対1」を意識して
家族や周囲との〝正しい〟連携の仕方とは
第5章 忙しいママ・パパのための「セルフケア」
どんな子育てにも「こころの余裕」が必要
「こどものことばかり」になっていたら要注意
ネガティブな気持ちを発散できる人、場所、作業をつくっておく
「もうひとりの自分」はあなたの強い味方
第6章 「こどもの行動につまずいたとき」の心がけ
困った行動1 なかなか片づけてくれない
困った行動2 かんしゃくを起こしてしまう
困った行動3 攻撃行動をしてしまう
おわりに その子に合ったかかわりを見つけよう
著者について
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和歌山大学教育学部教授/臨床発達心理士スーパーバイザー/学校心理士スーパーバイザー/上級教育カウンセラー/ガイダンスカウンセラー・スーパーバイザー。
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1961年生まれ、奈良県出身。臨床発達心理学・実践教育心理学が専門。保育園や幼稚園、小中高や支援学校、医療福祉施設など、子育ての現場に自ら足を運ぶ。何千、何万というこどもに触れ、現場の視点を大切にし、支援者が元気になり納得できるを信条に、親や教育者、支援者へ“愛着の問題”解消のためのアドバイスを行っている。
また、保育・教育・福祉関係者から保護者まで、幅広い層を対象とした数々の講演会で講師としての実績も豊富に持つ。
著書に、『「愛情の器」モデルに基づく愛着修復プログラム』『愛着障害・愛着の問題を抱えるこどもをどう理解し、どう支援するか?』(福村出版)、『やさしくわかる!愛着障害』『事例でわかる!愛着障害』(ほんの森出版)、『愛着関係の発達の理論と支援』(金子書房)、『愛着障害は何歳からでも必ず修復できる』(合同出版)、共著・監修に、『子育てはピンチがチャンス!』(福村出版)がある。