「未発表原稿一挙掲載!」
本書には、思想家・詩人=吉本隆明氏のすべての思考・発想の原点がある。
戦後の思想界で常にトップランナーとして走ってきた著者が「最後の仕事」として選んだのが、「芸術言語論」である。
第一部の未発表原稿「歌集『おほうなはら』について(一)~(三)」は、昭和天皇の歌集をテーマに、昭和天皇の歌人としての資質 や時代背景、その時々の心情による歌の情緒をつぶさに解析しつつ、激動昭和史の象徴「昭和天皇観」へと通じる。
第二部はすべて単行本未収録原稿。著者の詩人・思想家としての視点・分析・見解が現代社会のあらゆる事象に深く言及し、時には厳 しく時には慈愛に満ちた珠玉の論考集となっている。
「芸術言語論」への覚書 もくじ
- 第一部 神話と歌謡(未発表原稿)
- 神話伝承と古謡
歌集『おほうなはら』について
歌集『おほうなはら』について(二)
歌集『おほうなばら』について(三)
- 人生についての断想
- 僕が勉強をやめた理由
勉強よりも時間のテンポを合わせる
遊びを知っていた漱石、生涯遠慮していた鴎外
勉強ができない人も劣等感をもたなくていい
独学の田中角栄がもっていた見識とは
実生活で人の役に立つ「知」とは何か
枝葉ではなく幹を捉える
専門の勉強は就職してからすればいい
「俺は人を愛せない人間じゃないか」と思った
知識を養うと愛はどう変貌するか
愛情不足が引き起こす悲劇
愛されなくちゃ愛せない
女性が欧米化してゆく途中
異性にたいして奥手になってしまう原因
男のすべての愛情の根底は友情にあるんじゃないか
「男性の本質はマザーシップだ」と太宰さんは言った
女の人は難しいとつくづく思う
夫婦が別れないために必要なこと
少子化問題は軍隊の問題
異性間と同性間では魅力の質が違う
意識のバランスがとれていると魅力的に感じる
ウマが合う人と合わない人は何が違うのか
人生の仕事ってなんだろうか
受身で生きることができたら上等
- 第二部 情況との対話(単行本未収録原稿)
- 詞人と詩人
清岡卓行を悼む
漱石の巨きさ
岡井隆の近業について~『家常茶飯』を読む
『死霊』の創作メモを読んで
小川国夫さんを悼む
垣間見えた鮮やかなロシアの大地
深い共感が導き出した稀有な記録
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家訓の重圧に耐えられるか
靖国論争にとらわれては日本は変わらない
いじめ自殺 あえて親に問う
「二大政党制」で凡庸な政治家に九条改正されたらかなわない
『蟹工船』と新貧困社会
長老猫の黒ちゃんへ
大きい猫と小さい子供の話