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- 新版 エスキモーに氷を売る
本書の原書初版の刊行は2000年。今からちょうど25年(四半世紀)前です。それなのに、古臭さが一切ない。古さどころか、日本でもファンマーケティングが着実に広まっている今こそ、読むべき1冊だ。これが本書に対する第一印象です。実際、新たな翻訳者としてお迎えした佐々木寛子さんから新訳があがってきて(日本語版の旧版は他社から出版されていた。弊社が翻訳権を新たに取得し、今回の出版に至る)、編集作業の段階に入ると、その印象は確信に変わりました。それは、本書のコンセプトである「魅力のない商品を、いかにセールスするか?」というテーマが、いくら技術が発展しようと、時代が変わろうと、マーケティングにおいて不変的なものだからです。当たり前ですが、商品力があれば、誰でも売れます。マーケティングの一番の醍醐味は、商品力に頼らずとも、たとえ商品力が弱い商品でもバカ売れさせること。不人気の超弱小チームという商品を最弱のまま高収益チームに変貌させた著者のノウハウが、それを教えてくれる1冊です。

POSTED BY森上
【魅力のない商品を、いかにセールスするか?
奇跡のマーケティング・バイブル】
世界的ベストセラーにして、全マーケターの必読バイブルが、
新訳となって完全復刊しました!
魅力のない商品を、いかにセールスするか?
つまり、
自社の商品力に頼らず、
どのように広めて、どのように売っていくか?
このテーマは、
ビジネスにおいて
時代を問わず、不変的なテーマであることは、
誰もが認めることでしょう。
このテーマに対して、
世界中のマーケターたちが絶賛し、
日本でもベストセラーとなり、
奇跡のマーケティング・バイブルといわれた作品が、
『エスキモーに氷を売る』です。
そんな伝説的なバイブルが、
このたび、オール新訳で完全復刊しました!
観客動員数最下位のNBAチームを
最弱のまま高収益チームに変貌させた、
伝説のマーケターが実践し体系化した
「ジャンプスタート・マーケティング」の原則を
徹底解説したのが本書です。
なお、
本書は「スポーツマーケティング」の本ではありません。
本書を読めば、
ジャンプスタート・マーケティングの原則と考え方、実践法を、
自分の仕事の領域に応用できるようになるつくりになっています。
それは、業界、業種、商品の有形無形、規模は関係ありません。
消費者のニーズが多様化し、
ファンマーケティングがさらに進んでいる時代の、
全経営者、全マーケター、必読の1冊です。
気になる本書の内容
本書の内容は以下のとおりです。はじめに
第1章 「己を知る」がマーケティングの原点
◎ジャンプスタート・マーケティングの始まり
◎商品の現状を分析する
◎ニュージャージー・ネッツを売り込む施策
◎自分が何者なのか、本当にわかっているか?
第2章 既存顧客の購入頻度を高める
◎まずは既存顧客で売上をつくる
◎顧客の個人情報をつかむ仕掛け
◎リストを掘り起こす
◎ニュージャージー・ネッツの顧客情報の状況
◎「そこそこ即効薬」を使えるようマーケティング準備開始
◎リストにも質がある
◎優良顧客に対するマーケティング
◎即効薬は常用可能
第3章 顧客が買おうと思う少し前にアプローチする
◎地理的アドバンテージを使った戦略
◎日系スポンサーへの営業
◎日系自動車企業に「ジャンプスタート・マーケティング」を教える
◎クルマを売るための「ジャンプスタート・マーケティング」
◎競合への顧客流出防止策
◎メーカーが直接、エンドユーザー情報を入手する方法
第4章 新規顧客の獲得には、社長が率先して取り組め
◎新規顧客獲得への本気度がわかる3つのエッセンス
◎新規営業と弁護士とのMTG、経営者にとって大事なのはどっち?
◎新規開拓における社長の仕事
◎トップが営業会議に参加すると、なぜ売上は上がるのか?
◎非営業タイプの社長にできること
◎新規顧客獲得に消極的な営業スタッフを抱える社長へ
◎やったほうがいい! 新規開拓対策の「ぶっ飛んだお金」の使い方──成功事例①
◎やったほうがいい! 新規開拓対策の「ぶっ飛んだお金」の使い方──成功事例②
第5章 ミスにボーナスを出そう
◎「失敗した人にボーナス」という、非常識な仕組みの狙い
◎変化だとバレない変化を体験させる
◎「ちょっとした実験」をジャンプスタートさせる
◎思いつき提案会「シンクタンク・セッション」実況中継
◎「思いつき」の威力を甘くみてはいけない──失敗にボーナスを出すべき2つの理由
第6章 新商品頼みではなく、マーケティング・イノベーションを
◎イノベーションは、選択肢ではなく、必要不可欠
◎イノベーションの基本ルール
◎試合前に「ビジネス界のカリスマの講演会」という発想
◎商品はそのままで、マーケティング視点でイノベーションする方法
◎上司がイノベーションを嫌がる場合のやり方
第7章 「イノベーションのゲリラ集団」を結成せよ
◎「イノベーションのゲリラ集団」のつくり方
◎同志を引き入れる──「イノベーションを起こす」ステップ1
◎最高裁で死刑宣告から自分を弁護するつもりで準備をする
──「イノベーションを起こす」ステップ2
◎最高裁でプレゼンテーションする──「イノベーションを起こす」ステップ3
◎否定派と対峙する方法
第8章 顧客が買いたがる商品だけ売る、少しだけ多く売る
◎営業におけるシンプルな行動原理
◎誰も欲しがらない商品を売りつけるのは、本当のセールスではない
◎ジャンプスタート営業の行動原理の効果
◎人気商品の生産が追いつかないときの対処法
◎成功が成功を生む
第9章 常に顧客のいる場の空気を感じる
◎ある大企業トップがバス通勤である理由
◎「エド・ゲルストホープ・ルール」を徹底する
◎現場を歩いて、顧客の生の空気を感じ取る
◎ジャンプスタート・マーケティングはジャズだ
──トップが現場感覚を保つための6つの習慣
◎ファンと一緒にバスに乗って移動する真意
第10章 自社商品に興味がある人だけをターゲットにする
──セグメント・オブ・ワン・マーケティング
◎マーケティング担当者を採用するときに重視すべき点
◎「セグメント・オブ・ワン・マーケティング」の2つの質問
◎セグメントのたった1つの基準
◎唯一のルール──テスト、テスト、さらにテスト
◎見るべきは、自社商品への関心度合い
◎友達に話すようにアプローチする
◎購入者に対しては、友人のようにアフターセールス
第11章 リサーチに騙されちゃいけない
◎チーム名改称の検討で学んだ「名言」
◎顧客リサーチが役立つケース
◎リサーチに意思決定を委ねるリスク
◎調査に惑わされてはいけない
◎リサーチが使える分野
◎調査があなたを騙すとき
第12章 クライアントを正真正銘のヒーローにする
◎一人のファンからの要望
◎ラジオ放送内製化で売上急増
◎クライアントの負担増に伴い、新たに生まれた責任
◎クライアントの売上を絶対に増やすという責任
◎「クライアントをヒーローにする」営業方針
◎いい仕事をするだけでは足りない
◎クライアントをヒーローにする方法
◎「責任者への証明」3つのステップ
◎「年次報告書の作成」が自社スタッフを成長させる
◎顧客の「年次報告書」をつくるメリット
第13章 古い社内常識で、エースをつぶすな
◎解雇手当を払うべき3つの理由
◎離職率の高い組織がクライアントをヒーローにできるか?
◎士気が上がれば、人の動きは落ち着く
◎業績が上がらない仕組みが生まれやすい2つのポイント
◎ジャンプスタート・マーケティングでようやく組織の士気は上がる
第14章 あえて「相手にとって良すぎる条件」を持ちかける
◎立て直しが必要な企業の口癖
◎わざと「条件が良すぎる取引」をする
◎コストは安いのに、消費者がお得に感じる施策とは?
◎それはマーケティングじゃない!?
◎相手に拒否されるような条件
第15章 間接部門をマーケティングツールとして活かす
◎年間シート継続保留者たちへの対処法
◎売れゆき好調という〝悪夢〟
◎バックオフィスをマーケティングの武器に変える方法
◎自分の役目だと思ったら、他部署にも口出しをしよう
第16章 捨てる顧客は選べ
◎勝てばファンが集まる!?──俗説その1
◎チームが弱いと、どんなサービスを提供しても、集客できない!?──俗説その2
◎優良顧客への満足度を上げる
◎考えなしに顧客を捨てていないか?
◎なぜ企業は、顧客の捨て方を見誤るのか?
◎大手銀行が顧客の区別に失敗した実例
◎10秒でつくった「対応マニュアル」の中身
第17章 経営が厳しいときほど、営業を増やす
◎米国プロチームにあって、米国以外のプロチームにないもの
◎営業スタッフの増員と観客動員数の関係
◎コスト削減の対象を誤ってはいけない
◎苦しいときこそ、営業スタッフを増やす
◎困難なときにも、調子のいいときにも使えるマーケティング
おわりに――世界一流になる
著者について
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1968年ノートルダム大学(コミュニケーション専攻)卒業。1978年NBA(全米バスケットボール協会)のポートランド・トレイルブレイザーズ副社長、1989年デンバー・ナゲッツの社長兼CEO。1991年、NBAで観客動員数最下位だったニュージャージー・ネッツの社長兼CEOとなり、独自のマーケティング理論を適用して、NBAの27球団中、1位のチケット収入伸び率を達成した。ネッツ引退後はSROパートナーズを設立し、会長に就任。現在はマンダレー・スポーツ・エンターテインメントの社長を務めている。
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情報誌の編集者などを経てフリーランス。訳書に『マネージャーの全仕事』『怠惰なんて存在しない』『超長寿化時代の市場地図』など。大阪大学人間科学部卒。ストックホルム大学大学院ジャーナリズム研究科修士、東京都立大学大学院経営学研究科修士。
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