トップマーケター神田昌典の最新刊
『不変のマーケティング』
神田昌典 (著) 本体1,600円 + 税
4000社超の経営者・起業家が、毎月貪り読んだ『幻の原稿』ついに書籍化!
実践企業、累計3000億円の売上増は、この原稿から生まれた。
これからの10年をカタチにする鍵が隠されている!
前書き
■「伝説のメンバー」の実践がここにある
はじめにお断りしておくが、あなたが、これから夢中になって読む原稿――それは10年以上も前に書かれた。
ビジネス、とくにマーケティングという技術革新の激しい分野で、10年前の文章は、もはや、縄文時代の化石を博物館で観るようなものだろう。
だが、ちょっと待った!
ページをぺらぺらとめくってみるだけで分かるだろうが、 数ページ後から始まる文章は、おっとどっこい、まだ生きている。
切れば血が噴き出してくるほどで、あなたが油断していれば、襲いかかってくるだろう。
本書の価格は1600円。
だから内容もその程度。鞄に入れて軽く持ち運びできると、甘く見られちゃ困る。
あなたが手にしているのは、実は、この塊なのだ。
正直、片手で持てる重さじゃない。齢50を目前に控えた私が持てば、腰を痛める危険があるほどだ。
重いのは、紙の厚みのせいだけじゃない。4000人超もの経営者が、6年間にわたって懸命に実践した、体験の重さだ。
この塊の中から、あなたを生涯にわたって富ませ続ける方法論、そしてビジネス魂に火を灯す文章を選りすぐり凝縮したのが、この本だ。
本書に含まれているビジネスメソッドの、ほんの一部を挙げてみよう。
●顧客の「頭の中」を読んで、確実に購買に結びつける方法
●売上が一気に6倍に増えた広告表現
●他社の顧客リストを利用して稼ぐ方法
さらには、
●一瞬にしてあなたのビジネス・商品が輝き出す仕掛け
●あなたの会社のファンを一気に増やす仕組みづくり
●〝売上を上げる文章〟を書く方法
などなど……。
あなたに知ってもらいたいのは、これらのノウハウは机上の空論ではなく、4000社を超える会社の経営者が、月々広告費を投下しながら、現場で実践した結果から生み出したものだ、ということ。
この4000社は、今や伝説となった「顧客獲得実践会」(略称「実践会」)のメンバー。1998年から2004年の約6年にわたって活動したが、我々の実践から生み出された売上増は、少なくとも3000億円を下るまい。
■時が経てば経つほど、効果を発揮するノウハウの塊
本書に掲げるマーケティング・ノウハウの多くは、ネット全盛前――コンピュータよりも人間と向い合う時間が圧倒的に長かったアナログ時代――に、実践・開発された。
だから今となっては、さすがに役立たないのではないか……。
私自身もそう思い、約7年前に本原稿を倉庫の奥深くに封印。その後は、人目に触れることもなかった。
しかし時が経ち、蓋を開けてみれば、ネット全盛の今だからこそ使える、本質的なノウハウに熟成していた。
いったいなぜアナログ時代のノウハウが、デジタル時代により効果を発揮するのか?
その理由を、あなたに分かってもらうために、過去15年間のマーケティングの変遷を、早送りでご覧いただこう。
ネットが本格的に登場する前のこと――。
事業を成長させるために決定打は「テレビCMを出せるかどうか」だった。
CMを出せば、会社の認知度が高まる。その結果、顧客は店頭で、その会社の商品から買い物カゴに入れるし、その会社の営業マンが訪問してくれば、信頼してドアを開いたからだ。
しかしテレビCMで売上効果を上げるためには、「最低でも5億円程度の予算を組んでもらわないと……」と言われていた。中小企業にとっては、この予算は出せるはずもない。だから彼らは大手企業の下請けとしてやっていくしかないと考え、年々強まる値下げ要求に頭を下げ続けていた。
このフラストレーションは、私も同じだった。
当時、私は、米国大手家電メーカーの日本支社長をしていた。日本支社長という肩書ではあるものの、実態は1人事務所で、要は「市場をゼロから開拓しろ」ということだ。
日本向け商品もないのに、大手量販店が取引してくれるはずがない。にもかかわらず、「3ヵ月以内に売上を上げないとクビになります。しかも予算もゼロです」という状況。
米国のビジネススクールで学んだ知識は、すでにでき上がった事業の管理には役立つが、ゼロから事業を立ち上げるにはまったく無力。
生まれたばかりの子どもがいる私は、クビになるわけにはいかない。
そこで私は、お金をかけずに顧客を集めるにはどうしたらいいか、と悩みに悩んでいる最中に、「ダイレクト・マーケティング」という分野があることを、米国出張中にふらりと立ち寄った書店で発見。自分から売り込みをしなくても、相手から売ってくれと頼んでくる方法だという。
要は、「言葉の使い方の違いだけで、売上が何倍も違ってくるから、その知識を学べば、広告を出せば出すほど利益があがるようになる」ということ。
そんなうまい話があるはずがない……。そう思いながらも私は、「もし本当だったら、クビにならなくて済む」と興味を引かれていった。
■営業経験がまったくない元役人の私が、面白いように数字を上げ始めた
調べてみると、米国でダイレクト・マーケティングはすでに、100年以上の歴史がある。国土が広い米国では、小売店による流通網が限られているから、新聞広告による通信販売が1920年代から始まっていた。
その経験から、言葉ひとつの選択の違いで、大きく売上が左右されることを当時の広告マンらが発見。どんな言葉、どんな特典、どんなレイアウトを使ったときに、人々は広告に反応するのかに関する膨大なデータを蓄積し始めた。
その結果、言葉の選択で顧客の反応を引き出し、売上に直結させる広告手法が発達したのである。
私は、この手法を日本に持ち込んで、本社には内緒で実験し始めた。その結果、広告への反応は爆発。今まで何をやっても、うんともすんとも言わなかった広告に、突然、数百ものカタログ請求が入り始めた。
私は興奮した。億単位のテレビ広告ではなく、10万円の小さな新聞広告を出すだけ、または5万円の予算でファックスを送るだけで、自分の商品に高い関心を持つ見込客が集まる。
私からの連絡を待っている客だけを応対するので、営業経験のまったくない元役人の私ですら、面白いように売上を上げ始めたのだ。
日夜を忘れて、売上を上げるマーケティングに没頭した。気付いた時には40フィートのコンテナに詰まった家電製品を毎月何本も輸入し始めた。
私は、当時誰も知ることがなかった、このマーケティング・ノウハウを、今度は取引先の住宅会社と実践し始めた。
すると……今度は家電ではなく、高級住宅がまるまる1棟売れてしまうじゃないかっ!
私は、自分の頬をつねった。夢じゃないかと。
97年末のことだった。しかし、夢は長くは続かなかった。
■大不況。大変革。そのたびに進化する方法論
バブル崩壊から立ち直りの兆しがあった景気は、この年に再び急速に悪化。
誰もがつぶれるはずがないと信じて疑わなかった大手証券会社までが、一夜にして経営破綻した。
私が率いていた事業も、円安で収益力が低下。本社によるアジア戦略変更もあり事業を精算、サラリーマンとしてのキャリアを閉じた。
中小企業への打撃は、深刻だった。大手企業からの受注の激減したうえに、当時、広告代理店から言われるままに出していたイメージ主体のチラシやDMへの問い合わせがパタリとなくなった。
八方塞がりの状況の中、私はダイレクト・マーケティングが、突破口になると確信。その方法論を実践、結果を共有する会員制組織である「顧客獲得実践会」を立ち上げた。ほどなく住宅・建設、飲食、医療、税理士・会計士、冠婚葬祭、流通をはじめとするあらゆる業種で、低予算で結果を上げる事例が集まり始めた。
このように共同開発された「実践会メソッド」が、2001年以降、デジタルに飛び火した。
当時ネットビジネスは草創期。「電子商店で本当にモノが売れるのか」という議論が真剣になされていたときだ。
女性の水着写真を掲載すれば、ホームページにきてくれるだの、バナー広告を出稿すべきだの、更新頻度を高めなければならないなど――さまざまな意見が飛び交ってはいたが、実際には、何をどうすれば売上が上がるのか、誰もが暗中模索だった。
そんな状況下、現実に売上を上げ始めたのが、実践会メソッドだった。売上につながったチラシをベースに、1枚もののホームページを作ったのだ。写真を入れると重たくなるので、テキストばかり。すると自動販売機のように、ほとんど手をかけることなく売上が上がり始めた。
当時、始まったばかりの楽天では出展者への研修会で、拙著『あなたの会社が90日で儲かる!』(フォレスト出版刊)や『60分間・企業ダントツ化プロジェクト』(ダイヤモンド社刊)が必読書として推奨されていた。その後、楽天店舗による販売法は、日本のすべてのネットショップに大きな影響を与えいったことを踏まえると、今、効果的な商品販売ページとして定着している原理原則――コピーライティング、商品メリットの打ち出し方、お客様の声の見せ方、文章展開プロセス、特典および保証の提示方法――などが、もとをたどれば、実践会メソッドが原型となっていると言っても過言ではない。
■時代がダイレクトになればなるほど、実践者が増えていく
もちろん、今まで話してきた15年のマーケティングの歴史は、私ひとりで築き上げたわけではない。
私は、きっかけを創っただけ。拙著に刺激を受けた人たちが、それぞれの業界で実践、アナログ経験をデジタルに生かしていった。インターネット普及につれ、売り手と買い手の距離が近くなっていく中で、当時少数派だったダイレクト・マーケティングは、マーケティングのスタンダードになっていった。
私の弟子ができ、その弟子が弟子を作り、その弟子の弟子が、さらに弟子を作るといった具合であり、今現在、ノウハウの最先端を実践している人たちは、すでに第4世代に入っている。
「だったら、こんな10年前に書かれたものじゃなくて、今、結果を上げている最先端のノウハウを学んだほうがいいじゃないか。そっちのほうが新しいんだから……」
あなたが、そう思うのも、ごもっともだ。事実、私も今、30代のマーケターたちからさまざまなノウハウを教えてもらっている。
ただ覚えておきたい、大切なことがある。
それはデジタル領域だけの経験では補うことができない貴重な経験が、アナログ・ビジネスを通して、学べるということだ。
そして、それらを組み合わせたとき、世代を超えた〝大きな共通の夢〟が、実現に向かい始める。
■ビッグデータ時代でこそ求められる、ビジネス感性とは?
売上を手っ取り早く上げたいなら、デジタルが最も効率がいい。夏の最中にも、汗をかかずに、コンピュータ画面上の変わっていく数字を眺めるだけでいい。
それに比べ、アナログは、実に効率が悪い。雪の降る中でも、チラシを1枚1枚配りに行く。ドアベルを鳴らせば、犬に吠えられるし、電話をかければ、ガチャンと切られる。ライバル会社からの嫌がらせ、理不尽な顧客のクレーム……そんな冷や汗の連続の果てに、顧客に喜んでいただいた時の笑顔……。
その一連のプロセスを体験したものが積み重ねてきたメソッドは、はっきり申し上げて、「不変」だ。
ビッグデータ時代がこようと、そこには人間の営みを身体に刻み込んできた、本質的な強みがある。
マーケティング技術は急速な勢いで進化している。顧客データを分析して、最大利益を上げようとする試みは――デリバティブ商品を開発し錬金術を行う金融工学と同じように――マーケティング工学への段階へと入っている。
しかしどんなに複雑なアルゴリズムを組み上げたとしても、ビジネスは最終的には、人と人との営みである。
商品を買っていただけるかどうか……それは画面の上に流れていく数字の背景に、顧客の息づかいを感じ取れるかどうかにかかっている。
売上を上げるための感性――そこに関しては、私たちおじさんも、負けてはいられないのだ。
正直、暑苦しい。だが、そうした暑苦しさが、今のデジタルリタラシーが高いビジネスパーソンと出会ったとき、〝最強〟になる。
世代を超えた知識が共有され、新しい世界の構築を加速する。
だから本書は、高校生から定年退職後のお父さんに至るまで、幅広い世代にお読みいただきたいと思っている。
今までビジネス書に対して興味がなかった人もページを開けば、「えっ、ビジネスって、こんなに刺激的だったんだ」と体温が上がり始めるだろう。
■世代を超えた知恵を、引き継ぐ条件
アナログ時代で培ったビジネス感性を、デジタル時代の夢実現のために引き継いでいく――こうした目的を持つ本書であるが、それを引き継いでいくには、1つの条件がある。
ある会社に勤める男性が、所属する事業部の売上拡大を真剣に考え出したときのことである。彼は社長に呼び出され、次のように言われたという。
「お前、そんなにやる気があるんだったら、〝実践会メソッド〟を見せてやってもいいんだぞ」
その社長は、実践会メソッドで会社を年商7億円から21億円まで成長させてきた人物だった。社長にとっては、やる気のあるやつだけが、この文書に触れてもいいということだろう。
私も、その通りだと思う。
本書には、多数の実践事例が掲載されているが、当初、私が原稿を書いてから10年という年月が経っているにもかかわらず、事例提供者からは、今回も快く掲載許可をいただいた。
それは彼らが、自らの体験があなたに引き継がれていくことにより、明らかに世の中が良くなっていくことを知っているからである。顧客が喜び、社員が喜び、家族が喜ぶことを、知っているからである。
今ビジネスは、世界を変えるに最も強力なツールだ。
政治も、行政も、宗教も、教育も、どの分野も――変化を加速していくには資金がいる。その資金を生み出せる存在は、唯一「ビジネスパーソン」なのだ。
だから、1人でも多くの実践者を、社会は必要としている。
4000人超の実践者たちの、読者への願いは1つだ……。
実践して、お前の才能を生かしきれ。
そして恩は、社会へ返せ。
それが、本書のノウハウを実践するものに課せられた条件だ。
神田昌典
神田昌典(かんだ まさのり)
経営コンサルタント・作家。日本最大級の読書会『リード・フォー・アクション』主宰。
上智大学外国語学部卒。ニューヨーク大学経済学修士、ペンシルバニア大学ウォートンスクール経営学修士。大学3年次に外交官試験合格、4年次より外務省経済部に勤務。戦略コンサルティング会社、米国家電メーカーの日本代表として活躍後、1998年、経営コンサルタントとして独立。コンサルティング業界を革新した顧客獲得実践会を創設(現在は「次世代ビジネス実践会」へと発展)。同会は、延べ2万人におよぶ経営者・起業家を指導する最大規模の経営者組織に発展、急成長企業の経営者、ベストセラー作家などを多数輩出した。
1998年に作家デビュー。分かりやすい切り口、語りかける文体で、従来のビジネス書の読者層を拡大し、実用書ブームを切り開いたため、出版界では「ビフォー神田昌典」「アフター神田昌典」と言われることも。
『GQ JAPAN』(2007年11月号)では、"日本のトップマーケター"に選出。
2012年、アマゾン年間ビジネス書売上ランキング第1位。
現在、ビジネス分野のみならず、教育界でも精力的な活動を行っている。また、株式会社ALMACREATIONS代表取締役、公益財団法人・日本生涯教育協議会の理事を務める。
著書に『全脳思考』(ダイヤモンド社)、『成功者の告白』(講談社)、『2022―これから10年、活躍できる人の条件』(PHPビジネス新書)、『あなたの会社が90日で儲かる!』『非常識な成功法則【新装版】』『口コミ伝染病』(以上、フォレスト出版)など多数。
非常識な成功法則 音声無料プレゼント
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神田氏自らが成功・業績アップを実現させた、数々の常識破りの習慣を惜しげもなく熱く、深く、語ったセミナー音声です。
本の内容を神田氏自ら解説するだけでなく、本では書かれなかったいくつものエピソード・具体的な事例、非常識な習慣の実践にあたってのコツ、そして何より「神田昌典が読者に一番伝えたかったメッセージ」が、神田氏本人の言葉で次から次へと繰り出されます。
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・悪のエネルギーを使え! 約8分37秒
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